第19話:地下水路
拐われたブラックを探しに来たシンは道中で出会ったアラストルと共に
大蜘蛛、黒騎士、狼、シュヴァルツを撃退したが
他に道も手がかりも無いので来た道を戻るのだった。
シンとアラストルが塔の内部の最下層まで螺旋階段を降りきるとそこには一つだけ扉が有った。
シンがノブを回すと扉は軋みながらもゆっくりと開く。
二人が足を踏み入れると水音が響く。
「え!?……水?」
アラストルの声が広い通路に響くとシンは周囲を見渡しながらゆっくりと進んで行く。
アラストルがシンを追いかけて走るとその水音も広い通路に響き渡る。
二人がしばらく進むとシンが扉を見つける。
シンが扉を開けると部屋の壁にはいくつもの管が露出していた。
どうやらこの部屋は他の場所から流れてくる水を一時的に溜める為の貯水槽の様な空間らしい。
シンは部屋の中央に光る物が落ちているのを見つけると歩み寄る。
そこには鍵が一本落ちていた。
シンがカギを拾い上げるとそれを待ち構えていたかの様に壁一面の配管全てから大型犬と同じ大きさのハエが耳障りな羽音を部屋中に響かせて飛び出て来る。
「キャぁぁぁぁぁぁぁ!!」
アラストルがハエの羽音に勝るとも劣らぬ悲鳴をあげる様子をシンは鼻で笑うと両手をハンドマシンガンに変えてハエたちに魔弾を浴びせて撃ち砕く。
部屋にハエたちの死体が転がるとシンはアラストルと共に入って来た扉から部屋を出る。
だが、侵入者に気づいたハエたちは配管を通って来たのか先程の静かな水路にも耳障りな羽音を響かせてシンたちを待ち構えていた。
「もう嫌!」
アラストルが泣きそうな声で叫ぶとシンはハエたちに回し蹴りを打ち込もうとするが、避けられた上に突進を受けて倒れてしまう。
シンは立ち上がると背中の剣を抜き、襲い掛かって来るハエの群れに何度も突きを打ち込むがハエたちの数は減る所かどんどん増えていった。
シンは剣を背中に収めると飛んできたハエの集団にハイキックを打ち込んで蹴り砕き、アラストルと共に水路の奥へと進んで行く。
二人がしばらく進むとまた扉が有った。
シンは扉を開けようとするが扉には鍵がかかっていた。
「なるほど。さっきの鍵はここのか?」
シンはそう言うと先程入手した鍵を鍵穴に差し込んで回す。
軽やかな金属音を鳴らした扉が開くと二人は中に入る。
ハエの羽音も姿も無いのを確認したアラストルが安堵する中、シンは一本道の水路を道なりに進む。
しばらく進むとそこには悪魔の彫刻が有った。
「ひっ!……ビックリしたぁ。趣味悪いわね」
アラストルが顔を赤くしながら呟くとシンは頷き
「あぁ。まったくだ」
そう呟くとシンは彫刻相手に構えを取る。
「……?シン。それ彫刻だよ?作り物……」
アラストルがそう言うと不気味な笑い声が水路に響き渡る。
「さっさと出て来い」
シンが挑発をすると彫刻の中から獣の骨を被った死神の様な姿の悪魔が現れる。
悪魔は鎌を振り被るが、シンは悪魔の顔面にハイキックを打ち込んで蹴り飛ばすと右腕をガトリングガンに変えて魔弾を撃ち放つ。
シンは右腕を元に戻して背中の剣を抜くと倒れて動かない悪魔に駆け寄り、突きを打ち込む。
悪魔が吹き飛ぶとシンは剣に魔力を流し込んで刀身を伸ばしてから悪魔に向かって剣を振り下ろす。
悪魔が魔力の刃に斬り伏せられるとシンは剣の刀身を元に戻して剣を背中に収める。
悪魔はシンが剣を収めた隙に目にも止まらぬ速さで斬りかかるが、シンは見越していたかの様に回し蹴りを繰り出す。
だが、シンの足は空を切った。
次の瞬間に鎌と同時に悪魔が落ちてきてシンは斬り伏せられてしまう。
シンが倒れると悪魔は鎌を真横に振り抜いてシンを斬り飛ばす。
シンが水路の壁に激突すると悪魔は嘲いながらシンを鎌で斬り上げる。
悪魔はシンが落ちてくるのに合わせて鎌を振るうが、シンは背中から剣を抜いて刃撃を弾くと着地と同時に剣を振り上げて悪魔を斬り上げる。
シンは剣を背中に収めると落ちて来た悪魔に回し蹴りを打ち込もうとするが、鎌で斬り上げられてしまう。
悪魔は落ちてきたシンを鎌で斬り飛ばすと壁にぶつかって倒れたシンに鎌を振り被って壁打ちの様に何度もシンを壁に打ちつける。
アラストルは悪魔が壁打ちに夢中になっている間に駆け寄ると蒼剣を抜いて悪魔を斬り上げる。
壁打ちから解放されたシンはゆっくりと起き上がるが、落ちて来た悪魔に斬り伏せられてしまう。
悪魔は己を斬り上げたアラストルに鎌を振るうが、アラストルは剣で鎌を弾くと悪魔を再び斬り上げる。
シンは起き上がると右手をハンドマシンガンに変えて宙を舞う悪魔に魔弾を撃ち放つ。
シンは右腕をショットガンに変えると落ちて来た悪魔に魔弾を浴びせて吹き飛ばす。
シンは腕を元に戻すと吹き飛ぶ悪魔に駆け寄り、回し蹴りを打ち込もうとするが悪魔は壁を蹴って回し蹴りを避けてしまう。
シンが水路の壁を蹴り砕くと悪魔は鎌を突き刺そうとするが、シンは鎌を避けると同時に背中の剣を抜くと魔力を込めて刀身を伸ばして悪魔へと剣を振り下ろす。
魔力の刃が悪魔を斬り裂くとシンは刀身を元に戻して剣を収めるが、悪魔はその瞬間に鎌でシンを突き飛ばす。
悪魔は吹き飛んだシンを追いかけると同時に鎌を真横に振り抜いてシンを更に吹き飛ばす。
悪魔はシンを鎌で斬り上げるが、シンは空中で体勢を立て直すと落下の勢いを利用して悪魔に蹴りを叩き込む。
シンの蹴りで吹き飛んだ悪魔が壁にぶつかると同時に雷が落ちて悪魔の身体が蒼炎に包まれる。
悪魔の断末魔が水路に響き渡ると灰になった悪魔の身体は水に溶けて何処かへと流れていく。
シンはまた歩き出すが程無く袋小路にぶつかった。
そこには扉は無く、他に道も無ければブラックの手がかりも見つけられなかった。
「本当に悪趣味も大概にしろよな」
シンはそう呟くと来た道を戻るのだった。
はい。19話目読了感謝です。
そして、あけましておめでとうございます。
前回の執筆から2か月も放置してしまう結果となって申し訳ありません。
遅れを取り戻す勢いで執筆していきたいのでお付き合い頂けると幸いです。
では、次のお話でお会いしましょう。
失礼します。




