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Blackstorm Ship's log  作者: ノアール
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第16話:幻惑の捕食者

 魔剣アラストルと戦って剣に囚われていた魂に名を与えて、アラストルを仲間に迎えたシンは

攫われたブラックの捜索を再開する

 シンが鉄の扉に近づくと懐の杖が光り出す。シンが懐から杖を取り出すと鉄の扉に反応して杖が光に包まれて消えていく。

鉄の扉がゆっくりと開いてシンとアラストルが中に入るといきなり巨大な頭蓋骨が襲い掛かって来る。

シンは背中の剣を抜くと襲い掛かって来た頭蓋骨を袈裟斬りにした後に剣を真横に振り抜いて周囲に潜んでいた他の頭蓋骨たちも斬り砕く。

「え!?こんなの何処に居たの!?」

アラストルが驚いていると景色が歪んで木の根の様な物が張り巡った礼拝堂が現れる。

シンが剣を背中に収めると何処からか声が響き渡る。

「幻術が破られたからどれだけの者かと思って来てみれば…。お前の様なチビがあの幻術を打ち破ったのか?」

礼拝堂に声が響き渡ると巨大な黒い山がシンとアラストルの前に落ちてくる。

その山の表面には針のような物が生えていて、六本の大木の様な脚で己を支えて、シンたちをいくつもの複眼で威圧するかの様に睨んでくる

「……こいつは驚いた。随分デカい蜘蛛だな」

「そんな呑気な事を言ってる場合!?」

シンとアラストルの会話を聞いた大蜘蛛は苛立ちながら再度訊ねてくる。

「貴様らの様な矮小な者らが俺の幻術を打ち破ったのか?」

大蜘蛛の質問にシンは首を縦に振ると大蜘蛛のいくつもある眼を見て

「そんなに大きな図体してるのに脳みそを何処にも入れてもらえなかったんだな。親か神にでも文句言った方が良いぞ?」

シンの言葉を聞いた大蜘蛛の全ての眼が紅く光ると大蜘蛛が吠える。

「おのれ!俺を愚弄するかぁ!!!」

大蜘蛛はそう叫ぶと顔の前顎を振り上げて襲ってくる。

シンは右手を拳銃に変えようとするが、大蜘蛛の前顎で突き倒されてしまう。

シンは起き上がろうとするが、大蜘蛛は大木の様な前脚でシンを打ち据える。

大蜘蛛は倒れて動かないシンを前顎で打ち上げると落ちて来たシンを再度前顎で打ち上げる。

シンは空中で体勢を立て直すと右腕をライフルに変えて大蜘蛛の頭を狙撃する。

「裁(トール)きの銃弾(バレット)!」

シンの魔弾を受けた大蜘蛛が頭部を礼拝堂の床に打ちつけると激震が走る。

シンは着地すると右手を拳銃に変えるが、大蜘蛛が糸を噴射してきたかと思うとシンは糸に絡め取られて倒れてしまう。

「シン!」

アラストルが柱の陰から叫ぶと大蜘蛛は倒れたシンに前顎を振り下ろすが、シンは転がって回避すると魔弾を撃って糸を振り解く。

シンは起き上がると右腕をショットガンに変えて魔弾を撃つが、大蜘蛛は跳び跳ねて魔弾を回避してしまう。

大蜘蛛が着地した衝撃で礼拝堂が揺れるとシンは膝をついてしまう。

大蜘蛛は動けないシンを前顎で突き飛ばすと糸を噴射してシンを壁に括り付けてしまう。

「ふふふ。無様だな」

大蜘蛛はそう言うと動けないシンに向かって何度も前顎を振り下ろす。

「俺の前顎には猛毒が有ってな。どんな奴でも喰らい続ければ身体が麻痺して動かなくなる。苦しいだろ。今楽にしてやる」

大蜘蛛がシンを喰らおうとすると大蜘蛛の口の中に魔弾が撃ち込まれる。

大蜘蛛が悶絶して暴れる中、糸を振り解いたシンが着地するとその右手はハンドマシンガンになっていた。

「まぁ、ビリビリするけど死ぬほどじゃねえな」

シンはそう言うと背中の剣を抜いて魔力を込、刀身を伸ばしてから大蜘蛛に剣を振り下ろすが大蜘蛛は剣撃を避けると糸を噴射してくる。

シンは大蜘蛛の糸を避けると剣を背中に収めて右腕をロケットランチャーに変えると大蜘蛛に向かって撃ち放つ。

激しい爆発が起きて大蜘蛛が炎に包まれるとシンは右腕を元に戻して背中の剣を抜くと大蜘蛛に斬りかかるが、大蜘蛛の前顎で突き飛ばされてしまう。

シンは剣を床に刺してブレーキをかけると剣を勢いよく引き抜いて大蜘蛛に駆け寄り、何度も突きを打ち込んでから剣で斬り払って大蜘蛛を斬り飛ばす。

シンは剣を背中に収めると右腕をショットガンに変えてから吹き飛ぶ大蜘蛛に駆け寄ると魔弾を撃ち放つ。

魔弾を撃たれた大蜘蛛が壁にぶつかるとシンは動かない大蜘蛛を蹴り上げる。

シンは右腕をライフルに変えると蹴り上げた大蜘蛛を狙撃するが、魔弾は大蜘蛛の顎に弾かれてしまう。

大蜘蛛が着地すると礼拝堂には激震が走る。

シンは右手をハンドマシンガンに変えるが大蜘蛛が噴射してきた糸に絡め取られて倒れてしまう。

「よくもこの俺に傷を負わせてくれたな」

大蜘蛛は唸る様に言うと動けないシンを前顎で突き飛ばす。

大蜘蛛は吹き飛んだシンを追いかけると再度前顎で突きを打ち込んでシンを吹き飛ばす。

大蜘蛛は先程の様にシンを追いかけて前顎で突き飛ばすとそれを更に追いかける。

シンが壁にぶつかって礼拝堂の床に倒れると大蜘蛛は動かないシンに何度も前顎を打ちつける。

それを見ていたアラストルは手に持っている剣を握るが、足が竦んで動けずに居た。

「このままじゃシンが死んじゃう。……けど、私じゃあんなのと戦えないよ……」

アラストルが俯いていると蒼剣が光り出してアラストルは青い光に包まれる。

すると、アラストルは剣と同じ白地に青のラインの入った軽鎧を身に纏っていた。

「え!?何これ!!?」

アラストルは戸惑いながら剣が無い事に気づく。

アラストルが周囲を見ると蒼剣は真後ろに居た。

「どういう事?剣が勝手に動いてる…?」

アラストルが戸惑っていると蒼剣は大蜘蛛とアラストルの間に移動する。

「守ってくれるの?」

アラストルが剣に訊ねる様に呟くと蒼剣は否定するかの様に剣の切っ先をアラストルに向ける。

「え?」

アラストルが硬直すると蒼剣はくるりと回転して柄をアラストルに向ける。

「……そうだよね。私が戦わなきゃ、シンが死んじゃうもんね!」

アラストルは意を決して蒼剣の柄を掴むと大蜘蛛の前に躍り出る。

「や、やめなさい!それ以上シンに手を出さないで!」

アラストルの言葉を聞いた大蜘蛛はシンへの攻撃を止めるとアラストルの方を向き

「ほぅ?わざわざ襲われに来たか。それなら覚悟は良いな?」

大蜘蛛はそう言うと前顎を振り上げる。

アラストルは大蜘蛛の前顎を避けると斬りかかるが、大蜘蛛の前顎に弾かれてしまう。

大蜘蛛は前顎を振り上げてアラストルを打ち上げようとするが、前顎を避けたアラストルは大蜘蛛に剣を振り下ろして斬りつける。だが、大蜘蛛の身体には傷がつかなかった」

「な、何で!?」

アラストルが戸惑う中、大蜘蛛の笑い声が響く。

「ハハハハハ。その程度の攻撃で俺を殺れると思ったのか!?愚か者が!!」

大蜘蛛は糸を噴射してアラストルを捕らえると絡め取られたアラストルを舐め回すかの様に全ての複眼で見ると唸る。

「ふふふ。お前もあの男も魔力が多そうだ。簡単にくたばるなよ?俺が満足するまでは泣き喚け」

そう言うと大蜘蛛はアラストルを喰らおうとするが、その瞬間に大蜘蛛に雷が落ちる。

大蜘蛛の身体が雷で焼けて周囲に異臭が立ち込める中、蒼剣が光り輝くとアラストルを包んでいた糸は蒼炎に焼かれて消えていく。

アラストルは糸から脱出すると大蜘蛛からに居解る様に距離を取ろうとするが、その瞬間

「逃がすかぁぁ!!」

と大蜘蛛の叫びが響き渡るとアラストルはまたしても糸で絡め取られてしまう。

「ナメた真似しやがって!楽に死ねると思うなよ!?」

大蜘蛛が怒りの叫びをアラストルに向ける中、大蜘蛛の背後でそれに賛同する言葉が響く。

「まさにその通りだ。この俺を放置して女にうつつを抜かすとは。ナメてるよな」

シンはそう言うと大蜘蛛の腹を何発も殴ってからトドメに回し蹴りを叩き込んで大蜘蛛を蹴り飛ばして壁に激突させる。

大蜘蛛を吹き飛ばすとシンはアラストルの身体を包む糸を引き千切る。

「大丈夫か?」

シンが訊ねるとアラストルは頷く。

「無事で良かった。悪かったな。隙を作ってくれてありがとう」

シンが礼を述べるとアラストルは首を横に振る。

「おのれぇぇ!!」

壁に激突していた大蜘蛛がシンたちの方を向いて唸るとシンは右腕をライフルに変えて大蜘蛛を狙撃する。

大蜘蛛が魔弾で怯むとシンは大蜘蛛に駆け寄って殴りかかるが、大蜘蛛に前顎で反撃されて吹き飛んでしまう。

大蜘蛛がシンを追いかけようとするとアラストルは剣を握って大蜘蛛の前顎に突きを打ち込む。

「おのれ。小娘が!邪魔をするな!!」

大蜘蛛が前顎でアラストルを突き倒そうとするが、アラストルは前顎を避ける。

「おのれ、小癪なぁ!」

大蜘蛛は2つの前顎を何度もアラストルに振り下ろすが、アラストルはその全てを避ける。

大蜘蛛が躍起になってアラストルを追いかけていると大蜘蛛の身体に巨大な漆黒の刃が落ちて来たかと思うとその直後に真横に振り払われた刃で大蜘蛛は吹き飛ぶ。

「だから、お前の相手は俺だっての」

シンはそう言うと剣の刀身を元に戻してから背中に収めると大蜘蛛に駆け寄り、動かない大蜘蛛を蹴り上げる。

アラストルは蹴り上げられた大蜘蛛に狙いを定めると蒼剣に祈りを込めてから突きを打ち込む。

当然、アラストルは大蜘蛛と距離が離れているので突きは当たらないのだが、光り輝く蒼剣から雷が撃ち出されたかと思うと宙に打ち上げられた大蜘蛛に雷が命中する。

それを見たシンが拍手すると蒼炎に包まれた大蜘蛛が落ちてくる。

アラストルは大蜘蛛に駆け寄ると剣を振り上げて大蜘蛛を斬り上げる。

「おぉ。アラストルは力持ちだな」

シンが感心する様に言うとアラストルは首を横に振る。

「私じゃないの。この剣が力をくれたんだ。私じゃ傷一つ付けられなかったよ」

アラストルが寂しそうに言うと大蜘蛛が落ちてきて礼拝堂に激震が走る。

「アラストル自身の力じゃなくても驕ったり、慢心したり、油断しなければアラストルが強いって事で良いと思うぜ?」

シンはそう言うと背中の剣を抜くと魔力を込めて刀身を伸ばし、大蜘蛛に漆黒の刃を振り下ろす。

アラストルがその間に青剣に祈りを込めると蒼剣は光り輝く。

アラストルが祈りの言葉と共に振り上げた剣を振り下ろすとシンに斬り裂かれた大蜘蛛に雷が落ちる。

シンは大蜘蛛に斬りかかるが、、大蜘蛛は近づいてきたシンに喰らいついて飲み込んでしまう。

「シン!!?」

アラストルが叫ぶと大蜘蛛は笑いだす。

「クハハハハハ。安心しろ。お前も食ってやる。俺の腹の中で二人で仲良くすると良い!」

大蜘蛛は叫ぶとアラストルも食らおうと飛びかかるが、アラストルはそれを避けると大蜘蛛を斬り上げる。

斬り上げられた大蜘蛛の腹からシンンが飛び出すと大蜘蛛の巨体とシンが共に礼拝堂に落ちてくる。

「シン!無事だったのね!?」

アラストルが驚きながらも嬉しそうに言うとシンはサムズアップをしながら立ち上がる。

「俺は不死身だ。勝手に殺すな」

そう言うとシンは大蜘蛛に歩み寄り、手に持った大剣で息も絶え絶えの大蜘蛛を斬り上げたかと思うと即座に剣を振り下ろして大蜘蛛を斬り伏せる。

大蜘蛛の全ての眼から光が消えるとシンは剣を振り払ってから背中に収める。

「……死んだの?」

恐る恐るシンに近づいてきたアラストルが訊ねるとシンは肩を竦める。

「さぁな。まぁ、言えるのは俺たちはもうここに用は無いって事だ」

シンはそう言うと入って来た扉を開ける。

「あ。ブラックの事を聞くの忘れてたな」

シンはそう呟くと廊下を歩き出すのだった。

 はい。16話読了感謝です。

全快の投稿から1か月近くかかった事をこの場にてお詫びいたします。

公私共に忙しく、なかなか執筆の時間が取れなかったのですが

台風休暇の間に執筆を進めたいと思っているのでお付き合い頂けると幸いです。

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