第8話 「お嬢様登場」
数日後、教室。リリアは眠そうだった。
「寝不足?」
ミレーユが聞く。
「木登りしてた」
「何で?」
「何でだろう」
本人も分かっていなかった。
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その時、教室の扉が開く。新しい生徒が入ってきた。長い金髪、青い瞳、完璧な立ち姿。教室が静かになる。誰が見ても美少女だった。
「本日から編入するエレノア・ローゼンベルクさんです」
教師が紹介する。ざわつく。ローゼンベルク、帝国有数の貴族家だった。
エレノアが一礼する。
「皆様、ごきげんよう」
完璧だった。声も綺麗だった。所作も美しかった。そして、リリアの目が輝いた。
「可愛い」
言った。即座に言った。教室中に聞こえる声量で。
エレノアが固まる。教師も固まる。ミレーユは頭を抱えた。もう慣れている。
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授業後、リリアは一直線に近付いた。
「こんにちは」
「ご、ごきげんよう」
「可愛いね」
「ありがとうございます?」
疑問形だった。
「友達になろう」
早かった。また早かった。エレノアは戸惑う。貴族として育てられてきた。こういう人間は初めてだった。
「その……」
「駄目?」
「いえ!」
慌てて否定する。リリアが笑う。
「やった」
成立したらしい。本人の中では。
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数日後、リリアとミレーユは寮へ向かっていた。すると、噴水の前に人だかりができていた。見に行く。中心にいたのはエレノアだった。
「どうしましたの!?」
必死だった。噴水へ落ちた猫を助けようとしている。しかし、泳げなかった。
「……」
リリアが見る。
「入ればいいのに」
「それが苦手みたい」
ミレーユが言う。
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次の瞬間、ざばーん。リリアが飛び込んだ。迷いゼロだった。
数秒後、猫ごと出てくる。
「救出」
「早いですわ!?」
エレノアが驚く。猫も無事だった。
「大丈夫?」
リリアが聞く。
エレノアは笑った。
「ありがとうございます」
そこだけは、作った笑顔ではなかった。自然な笑顔だった。
そしてリリアは気付く。
「やっぱり可愛い」
「またですの!?」
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夕暮れ、三人で帰る。ミレーユ。リリア。エレノア。少し賑やかになった。
可愛い子リスト、三人目追加。リリアはとても満足そうだった。




