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可愛い子を十人集めたいだけだったのに、なぜか帝国を救うことになりました  作者: ごまだんご
第4章 神のイタズラ編

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第59話 「救助隊結成」

帝都へ戻って三日後。リリアたちは再び帝国軍本部へ呼ばれていた。


「嫌な予感がする」

フィアナが言う。

「分かる」


ミレーユも頷いた。最近呼ばれる時は、ろくなことがない。リリアだけは違った。


「お菓子あるかな」


緊張感がなかった。


---


会議室へ入る。そこには以前会った隊長もいた。そして、すでに何人かの軍人が待機している。今回はユナも呼ばれていた。まだ慣れない様子で、少し緊張した面持ちだった。


「よく来てくれた」

隊長が言った。

「どうも」


リリアは手を振る。軽い調子だった。隊長は苦笑する。どうやら慣れてきたらしい。


「今回呼んだのはお礼を言うためだ」


静かになる。


「橋の防衛」

「避難支援」

「回復水による医療支援」

「どれも期待以上だった」


みんな少し照れる。ルシェだけは報酬の話かと期待していた。少し残念そうだった。


---


「そこで提案がある」


隊長が地図を広げる。帝国各地に赤い印。かなり多い。


「現状、人手が足りない」

「各地で支援が必要だ」


その言葉に、全員真面目な顔になる。


「君たちに専属救助隊として協力してほしい」


沈黙。予想していなかった。


「救助隊?」

ユナが聞く。

「そうだ」

「討伐隊ではない」

「支援と救助を優先する」


フィアナが頷く。今の自分たちには合っている。


ミレーユが聞く。


「私たちにできるんですか?」


隊長は即答した。


「もうやっている」


誰も言い返せなかった。橋を守った。人を助けた。避難活動も行った。確かに、もう救助隊のようなものだった。


「それと」


隊長がユナへ視線を向ける。


「今回から、君にも正式に加わってもらう」


ユナが目を丸くした。


「私もですか」

「これまでの働きぶりを見ていた。補助役として、十分やっていけるはずだ」


言われて、ユナは一瞬言葉を失った。それから、勢いよく頭を下げる。


「頑張ります!」


隣でリリアが微笑ましそうに見ていた。


---


その後、役割分担が説明される。


セリナ。前衛警護担当。

ノア。索敵担当。

ティア。装備整備。

ルシェ。補給と物資管理。

フィアナ。連絡調整。

エレノア。各地の貴族対応。

カレン。状況分析。

ユナ。補助全般。

ミレーユ。全体のまとめ役。


「装備整備、任せてくれ」

ティアが腕を組んで頷く。

「壊れた物は、その場で直せる範囲で直す」


「貴族対応でしたら、慣れておりますわ」

エレノアも自信ありげに言う。

「話し方一つで、話がまとまることも多いですもの」


「ふむ」


ノアが短く頷いた。それだけだった。だが、その一言で十分に納得している様子が伝わった。


カレンは手帳に何やら書き込みながら言う。


「状況分析、任せてください。被害の傾向を数値化して、事前に優先順位をつけられるようにします」


理屈っぽい言い方だったが、頼もしさもあった。


そして、「リリア」隊長が言う。


「回復担当だ」


リリアは少し考えた。


「分かった」


珍しく素直だった。


---


「あの」


ミレーユが手を挙げる。


「もう一人、いるんですけど」


隊長が首を傾げる。全員の視線が、いつの間にか部屋の隅で書類を眺めていたルナへ向かった。


「私?」

「あなたも一緒に来るんでしょう」

「うん、暇だから」


隊長は少し戸惑った顔をしたが、すぐに頷いた。


「では、神には、全体の助言役をお願いしたい」

「助言役かぁ」


ルナは気の抜けた返事をした。だが、まんざらでもなさそうだった。


---


会議が終わる。帰り道。


「救助隊か」

セリナが呟く。

「なんだか実感ないですね」

ユナが言う。

「私もです」


ルシェも同意した。


その時、「みんな助かる?」リリアが聞く。


ミレーユが見る。リリアは真面目だった。珍しく。


「少しでも多くは助かると思う」


その答えに、リリアは笑った。


「じゃあ頑張る」


単純だった。だが、それがリリアだった。


こうして十人の少女達は、帝国公認の救助隊として動き出すことになった。そのことが、やがて帝国の未来を変えるとは、まだ誰も知らなかった。

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