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可愛い子を十人集めたいだけだったのに、なぜか帝国を救うことになりました  作者: ごまだんご
第4章 神のイタズラ編

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第40話 「大体リリアのせい」

夜型取得から一週間後。帝都冒険者育成学校、女子寮の談話室。今日も被害者の会が開かれていた。定例会議である。誰も望んでいないが。


会長。ミレーユ。

副会長。セリナ。

書記。フィアナ。

会計。ルシェ。

相談役。エレノア。

無言担当。ノア。

名誉会員(欠席がち)。ティア。


「ティアは?」

リリアが聞いた。

「工房の仕事があるからって。伝言だけ預かってる」


ミレーユが紙切れを見せる。そこには、雑な字で「無事を祈る」とだけ書かれていた。


「薄情」

「向こうも被害者だから、仕方ないでしょ」


---


「なんでまだ続いてるの?」

リリアが聞いた。

「必要だからよ」


ミレーユが即答する。確かに必要だった。


「なんで?」

「分からないの?」

「うん」


本当に分からないらしい。全員が天を仰いだ。原因が原因を理解していない。かなりの重症だった。


---


ミレーユは机の上の紙を指差した。そこには会議記録がある。


第一回。夜型阻止作戦。失敗。

第二回。説得会議。失敗。

第三回。夜型取得。失敗。

第四回。朝6時対策。失敗。


「全部失敗してる」

リリアが言った。

「誰のせいだと思う?」


セリナが聞く。リリアは少し考える。かなり真面目に。十分ほど、長い沈黙だった。


そして、「ルナ?」


「違う!」


全員の声が揃った。ルナは笑っていた。


「あははは!」


楽しそうだった。他人事だからである。実際他人事だった。神様だから。


「じゃあミレーユ?」

「何でよ!」

「会議してるし」


意味が分からなかった。フィアナが頭を抱える。


「本当に天然よね」

「褒め言葉?」

「違う!」


即答だった。


---


その時、談話室の扉が開く。エリス教官だった。疲れた顔をしている。最近ずっとだった。少し可哀想だった。


「みんな揃ってるわね」

「どうしたんですか?」


エレノアが聞く。エリス教官は椅子へ座る。そして、深いため息をついた。


「隊長から伝言よ」


静かになる。帝国軍。つまり国家案件だった。最近多い。


「封印の調査が続いているわ」


空気が少し変わる。笑い話ではない。あの遺跡。ルナが目覚めた場所。そして、何かが目覚めようとしている場所。


「他の封印も?」

フィアナが聞く。

「反応が出てるらしいわ」


静かになる。リリアも珍しく真面目だった。ルナを見る。ルナも窓の外を見ていた。少しだけ。珍しく。神様らしい顔だった。


「面倒そう?」

リリアが聞く。


ルナは笑う。


「たぶん」


やっぱりだった。そこは変わらない。


---


セリナが腕を組む。


「結局何が出てくるんだ」

「分からない」


ルナが答える。


「でも」


少しだけ、表情が真面目になる。


「強いと思う」


静かになる。今までで一番神様らしい答えだった。だからこそ、少し怖かった。


---


その空気を壊したのは、当然、リリアだった。


ぐぅぅぅぅ。大きな音。お腹だった。全員が振り向く。


「お昼だ」


リリアが立ち上がる。


「さっき食べたでしょ!」

ミレーユが叫ぶ。

「三時間前」

「十分よ!」

「別腹」

「便利ね!」


フィアナが吹き出した。エレノアも笑う。ルシェも肩を震わせる。ノアも少しだけ笑った。セリナは呆れている。エリス教官まで苦笑していた。


ルナに至っては大爆笑だった。


「あははははは!」


神様らしからぬ笑い方だった。でも、少しだけ安心する。


---


封印、謎の存在、国家規模の問題。考えることは沢山ある。それでも今はまだ、こうして笑っていられる。


ミレーユは思う。神器を押したのも。夜型を選んだのも。被害者の会ができた原因も。ほとんど全部、リリアだった。本当に。ほとんど全部。


「結論」

フィアナが言う。

「なに?」

リリアが聞く。


フィアナはみんなを見る。そして、言った。


「大体リリアのせいね」


静かになる。数秒後、


「そうね」

ミレーユ。

「そうだな」

セリナ。

「そうですわね」

エレノア。

「そうですね」

ルシェ。


ノアも頷く。満場一致だった。


「ひどい」


リリアだけ不満そうだった。


ルナは笑う。とても楽しそうに。


「うん」


そして、神様までもが頷いた。


「大体リリアのせい」

「ルナまで!?」


談話室に笑い声が響く。問題は何も解決していない。封印は残っている。神様は居候中である。夜型も消えない。それでも、リリアたちは前へ進む。仲間と一緒に。笑いながら。

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