時と影の王VS拳の王
『食らうがいいわ!──デモンズクラッシュ!』
轟音とともに、黒紫の衝撃波が闘技場を薙ぎ払った。
トドロキの身体を包んでいた 鋼骨骸鎧 が、
まるで砂のように崩れ落ちていく。
「やれやれ……っ、なに!?」
鎧の破片が地面に散り、金属音が虚しく響いた。
『貴様の軟な防具程度で防げるとでも思ったか』
魔王は冷笑を浮かべ、黒い大剣を肩に担ぐ。
その眼光は、ただのNPCとは思えないほど知性を帯びていた。
「まさか、不死殺し《アンデッドキラー》 の属性攻撃まであるとはな」
『我は魔王ぞ。
魔を生きる者の頂点に立ち、魔を生きる者を統べる者。
低級のアンデッドごとき、一瞬である』
(……さっきから思ってたけど、こいつまぁまぁ賢いよな)
トドロキは内心で舌を巻きつつ、表情には出さない。
「お前のことを見くびっていた。評価を改めないとな」
『ふん。大人しく降伏するのであれば、いいようにはしよう』
「悪いが、勇者軍の一員として“世界の半分”と言われても譲らんぞ」
(聞いた話だと、世界の半分をもらった勇者は
“世界の半分”って書かれた部屋に
閉じ込められて精神崩壊したらしいしな……)
魔王は口角を吊り上げた。
『あくまでも反抗の意を示すと……それもまた僥倖』
「言ってろ。何でもかんでも思い通りになると思うなよ。
鬱陶しいったらありゃしない」
『我こそ頂点を生きる者。我の行末は世界の運命。
思い通りになることこそが宿命なのだ』
「やれやれ、その傲慢な思考もどうにかしてほしいものだ。
──【修羅連打】!」
拳が連続で叩き込まれ、魔王の身体が揺れる。
だが──倒れない。
『タフなのが貴様だけだと思うなよ。
世界の頂点に立つ者が我だ』
「なら……こっちも切り札を使うだけだ」
トドロキの手に、黒い光が集まる。
「テラハンマー(邪)モデルチェンジ──魔王の大剣Ⅲ!
【全身全霊切り】ッ! さらに【二刀流】……
モンスターハンティングで見た双剣術!」
『雰囲気が変わったな。
だが……動きが素人だ』
「余計なお世話だ」
魔王はため息をつく。
『つまらぬ。神聖なる聖戦の最中で手を抜くとは……所詮はヒトよ』
「ガッカリしてるところ悪いが──
貴様の傷、ふさがってないようだぞ?」
『笑止! 貴様ごときの扱う脆い刃で我に傷をつけられるとでも……ん?』
魔王は違和感に気づき、視線を落とした。
──左手が、ない。
⦅何が起こった⁉ 痛み《ダメージエフェクト》はなかったはず……!⦆
『……何をした』
「何も“してない”。
俺のスキル効果が引き起こした──結果に過ぎない」
トドロキは静かに、しかし確信を持って言い放つ。
「教えてやるよ。
俺のスキルには、まだ“誰にも知られていない効果”がある」
魔王の瞳が揺れた。
そして──
トドロキは、自身のスキルの“真の効果”を語り始めるのであった。
どうも、だいたい二か月ぶりくらいの脳筋です
いやはや、この二か月波乱も何もない
まったり…でもないか、結構資格取ったわな
ということで無駄話もほどほどにまた次回、
サラダバー!




