魔王の調理師
魔王の左手が地に落ち、黒い霧となって消えた。
「俺のスキルに隠された効果が発動した」
『虚言を……! 我は痛みを感じていない。
斬撃の軌跡も、魔力の乱れもなかった。
それなのに、なぜ我の手が──』
「引き延ばしたところでわかるはずはないだろう
俺のスキル、調理師の効果」
『……調理師だと…そのような非戦闘スキルで
何ができるというのか。』
「俺も最初はただの料理の味が思った通りになるだけの
外れスキルだと思った。発動するタイミングもまちまちだっだしよ」
『?』
スバルは静かに頷く。
「だがな、しばらくこの味付けをしてたら
ふとハンバーガーが食べたくなってな」
『だから何だというのか』
「その時に作ろうとしていたものは
ルームメイトに作っていたのはラーメンだった
……それがどうなったと思う」
魔王の背筋に、冷たいものが走った。
『ま…まさか』
「貴様が何を想像したかは知らないが
手順を終えた後に出てきたのはハンバーガーだった
仕込みからラーメンを作っていたのにだ」
『事象の書き換え…だと』
「最初は何が起こったのかわからなかった
頭がどうにかなりそうだった。寝ぼけてたとかドッキリされたとか
そんなちっちぇえことじゃない。
俺はそれから数日かけて調理師のスキルを調べつくした
アイの手も借りて、かつて読み耽けていた
聖書の知識も総動員してな」
スバルは淡々と語る
「俺は今まで包丁やらナイフは購入してこなかった
なぜなら、使い勝手がよくて形の変形ができる武器、
魔王の大剣が底にあったからだ。
そして神殺しのスキルと調理師の効果が
何らかの化学反応を起こしたんだろうよ
その結果、世界の理も無視するようになっちまった」
『そのようなチートが許されるものか!
幻影の剣!』
伸びた影から黒く鋭い刃がスバルめがけて射出される
一瞬のうちに放たれた刃はスバルの動きを止める
『これで貴様は何もできまい
その減らず口、開けぬようにしてくれるわ!』
突き刺さった刃は形を変え
スバルに巻き付き収縮する
(ダメージはないが、確かに何もできないな)
『このまま仕留めてくれるわ!』
焦ってる魔王(概念)おもろい
ということでまた次回、サラダバー




