第43話「VS コカトリス」
ガシャーーーーーーン!!
「うわ! ぺっぺっぺ! な、なんや?」
「「──バックアタックッ?!」」
ちぃ!
後衛と前衛が入れ替わり、パーティの脆弱な部分を突かれる。
「きゃあ!」
「モーラ──後ろへ!」
さすがは元Sランクパーティというべきか。
誰よりも素早く反応したゲイルは、反射的にモーラと位置をスイッチすると、無意識に彼女を背後に庇う。
そして、流れるような動作で───投擲型呪具をモンスターにぶん投げる!
「らぁっぁあああ!」
緊急時用に袖の下に隠しておいたダーツ型の呪具だ!
───コ、コカァッァアアアア?!
まさか、反撃されるとはコカトリスにも思いもよらなかったのだろう。
今まさに、ゲイルを啄もうと大口を開けたそこをめがけて呪具が命中する。
「どんぴしゃぁぁ!」
……ガッツポーズのゲイル。
【麻痺】の状態異常付きの呪符付きダーツがコカトリスに深々と突き刺さったようだ。
すると、すぐに苦し気に悲鳴を上げるコカトリス!
『コァ、コカァァァアアア!!』
バタバタ!!
「ちょ?! な、なんやそれ?! な、なんでコカトリスに麻痺毒効いてんねん?! しかも、何で刺さるねん?!」
シャリナだって、コカトリスのことは知っている。
半鶏半蛇の化け物で、地方によっては災害種に指定されるほどのモンスターだ!
……当然、防御力も高く、ダーツくらいなら刺さるまでもなく跳ね返すだろう!
ましてや「毒」が効くはずもない!!
───なのに!!
「そ、そいつ普通のダンジョンなら、ボスモンスターやでぇ!? しかも、猛毒持ちやぞ───?!」
「そんなどうでもいいから! 早く攻撃を───長くはもたないよ!」
所詮は使い捨ての呪具だ。
よくあるやつで、【麻痺】の呪符を、【防御無視】を付呪しただけのお手軽ダーツだ。
効果時間もせいぜい数分といったところ───。
「ど、どうでもって───あぁ、もう、いったるわぁぁあ!!」
フンッ!!
気合一閃、シャリナが動きを止めたコカトリスの懐に肉薄すると、ハンマーを振りかぶって、
───おらっぁぁあああ!!
「『高速鍛錬』ッッ!!」
アッパー気味に、コカトリスを打ち上げる!!
『コカァァッァァァァァァァアア……!!』
その瞬間、猛烈なインパクトが連射されるようにしてコカトリスの頭部を吹き飛ばした!!
───ボォンン!!
く、空中でハンマーを数えで5連撃?!
すげぇ……!
「見たかぁ! ウチの雄姿──」
「ちょ!? シャリナさん、まだ終わってない!!」
空中に飛びあがったままブイサインを決めているシャリナにモーラが警告ッ!
───下からくるぞ、気を付けろ!!
「んあ?──────シィィィイイット!!」
『───シャァッァアアアアア!!』
頭をふッ飛ばされたコカトリスであったが、忘れるなかれ───コカトリスは半鶏半蛇の魔物!!
鶏の頭部を失っても、まだ脅威!!
蛇に部分はしつこく生き残っている!!
───グワバッ!!
着地するシャリナを一飲みにしてやろうと、大口を開けたコカトリスの蛇の頭が迫る。
「モーラ!」
「わかってるっ!……はぁっぁぁああああ─────! 筋力向上!!」
そこにモーラの支援魔法が間に合う!
カッ───……と、彼女の身体を中心として光があふれ、シャリナに直撃!!
その瞬間、
「ぬ、ぬぉぉぉおおお?! み、み、み、漲ってきたぁっぁああああ!!」
ムキムキィ!! と、見るからに膨張したシャリナの筋肉。
うっすい胸が筋肉の作用でボンッ! と膨らみ、普段から太い、二の腕が倍近くに膨れ上がる。
「筋力向上魔法は即効性重視───その分、効果時間は薄いわよッ」
「十分やでぇッ!!」
フンッ!!
がぶぅぅ……と、食らいつかれた刹那!
「こなくそぉぉぉぉおおおおおお!!」
シャリナがコカトリスの蛇の口の中で踏ん張り、巨大なハンマーをつっかえ棒にすると、そのまま、筋力だけでメリメリメリィ───と、上下に引き裂いた!!
「女は腕力じゃぁっぁああああ!!!」
───ボンッ!!
ついには、爆散するようにして、上顎と下顎で分かたれることになったコカトリス。
うわ、グッローーーーーー!!
「ニ、ニヒヒ───ら、楽勝……」




