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不思議なカレラ @仮完結 只今最終校正中につき“ ν ”が付いてる話しのみをお読み下さい  作者: 酸化酸素
3章 Standard-edition G's world

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ソコハカトナクトウモノノナハ ν

「   「あなた」へ。


 突然ですがお変わりありませんか?

 (わたくし)(わたくし)達の娘に言われ、この手紙を書いています。


 でも、手紙を書くなんて、しかも「あなた」に手紙を書くなんて初めての事だし突然だったから、正直な話し何を書いていいか分からないの。

 だから、変な文章でも許してね。でも、あんまり笑わないで下さいね。恥ずかしいから……。



 あの()が今日、(わたくし)の所に来てくれて、色んな話しをしたわ。

 それに色んな話しを聞かせてくれたわ。


 「あなた」の事も、(わたくし)達の共通の友人の「あの人」の事も「あなた」が拾ってきた「キリク」って言う子の事も……。そして、「あなた」と同じハンターという仕事を頑張っている事も。


 あの()は本当に立派に成長したわね。

 (わたくし)がいなくなって、「あなた」に全て任せてしまったから心配だったけど、

 「あなた」に任せて良かったわって、今なら思えます。


 男手1つで育ててくれて、本当にありがとう。

 (わたくし)達の宝物を立派に育ててくれて、本当に本当にありがとう。


 「あなた」には感謝してもしきれない程、色々な物を(わたくし)は頂いたわ。

 だから……


 本当に本当にありがとうございます。



 今は遠く離れていて、逢いたくても逢えないし、寂しい事もあるけれど、(わたくし)は本当に幸せでした。

 そして、あの()がまた会いに来てくれると言ってくれたから、(わたくし)はこれからも幸せです。


 (わたくし)がこんな事を言ってしまうと、また怒られてしまうからあまり言いたくはないのだけど、出来る事なら親子3人で手を繋いで仲良く楽しくお散歩が出来たら、どんなに素晴らしいでしょうね?



 えっと、この手紙を「あなた」の所へ運んでくれるって言うから、あの()にお願いして運んでもらうわね。


 そして、「あなた」が手紙を書いてくれたら、(わたくし)の所に運んでくれるそうだから、

 (わたくし)は「あなた」の手紙と、(わたくし)達の宝物の事を気長に待っています。

 いつまでもいつまでも、いつまででも。

 でも、あんまり待たせると、温厚な(わたくし)でも多少は怒りますからね。えへへ。



追伸


 「あなた」のお仕事は忙しそうですが、あまり無理をし過ぎてお身体を壊しませんように……。

 今は遠いこの地から、いつまでも祈っています。

 愛しているわ「あなた」



「あなた」のアイリより   」




「うわッ!()っついわね。人間界は夏かぁ。「神界」は心地良い陽気だったのに、それに慣れてしまうと人間界のこの暑さは異常ね」


「ママ、暑いね。ママは大丈夫?頭からお水が出てるよ?いつの間に水浴びしたの?」


 人間界に降り立つと()だるような暑さが少女を襲って来ていた。少女が「神界」で過ごした期間、人間界も同じように時が流れているのは当然の事であり、夏真っ盛りの地上に少女は降り立ったのだが、穏やかな気候の「神界」とは比べる事の出来無いほど人間界は暑かったのだった。



「それにしても、ここはどこだろ?人間界側にポータルは見当たらないから、あのポータルは一方通行限定なのかしら?」


「ママは迷子なの?」


「大丈夫よ、フィオ。直ぐに場所が分かるから」


 少女は場所の特定の為にデバイスを開き、現在位置を把握していく。



「ここからなら、そう遠くは無いわね」

「ブーツオン」


 少女は空を駆けて帰る事にした。流石に茹だる程暑い空の下、歩いて帰る気はサラサラ無かったからだ。それに空を駆ければ風を浴びる事が出来る。その方が少しは暑さも紛れるだろう。

 だからそんな考えからブーツに火を(とも)し宙へと舞い上がった少女は、久し振りに人間界の自己主張が強い風に身を任せていった。



「ママ、フィオも飛んでいい?」


「えぇ、いいわよ。それじゃ一緒に風を浴びながら空から屋敷に帰りましょ!アタシが屋敷まで案内するわ。今日からフィオも一緒に住む屋敷よ、帰ったら屋敷のみんなをフィオに紹介してあげるわね」


 少女はフィオのスピードに合わせ空を駆けていく。フィオの速度はそれほど速くないし、初めて浴びる風にバランスを必死に取りながら羽ばたいていた。

 でもフィオは喜んでいる様子で少女の後に付いて空中散歩を楽しんでいた。




 今は中天に太陽があり、凶悪とも言える程の陽射しを大地に向けている。少女とフィオはそんな陽射しには負けじと、空を2人仲良く駆けていく。

 生温く南から吹き付けてくる湿度が高い風は、肌に張り付き少女のきめ細かい肌に汗を滲み出させ、風を浴びていてもじんわりと服を湿らせていた。

 そんな暑い真夏の空を、2人は屋敷に向かって空を楽しそうに駆けていった。




 少女の留守中、人間界では特に変わった事は起きていない様子だった。少女はその事を気にして、屋敷に戻るとミュステリオンのネットワークを介し各地の様子を調べていたが、特に大事になっている気配は無く安心していた。


 だが、一方で少女がフィオを連れて屋敷に戻った時には大事になったのだった。



 それはフィオが紹介された皆の前で、少女の事を「ママ」と呼んだ事を発端として起きた大事だった。

 この一件以降、度々フィオの「ママ」発言で一悶着(ひともんちゃく)二悶着(ふたもんちゃく)も少女の身の回りで起こる事になるのだが、それはまた別のお話しであり、今はまだ余談である。



 少女が人間界に帰って来てから数日経ったある日、少女は自室でデバイスの中身の整理をしていた。

 使う物使わない物、いる物いらない物をちゃんと分別しておかないと、「デバイス」と言う小空間の限られた中ではスグに物がいっぱいになってしまい、依頼(クエスト)に持って行きたい物が、持って行けなくなる事態が発生して困る事になる。


 特に1人で依頼(クエスト)に行く際は難易度によって必要な物が大幅に増える。

 従ってデバイスの中は整理整頓を心掛ける事が必要不可欠なのだが、「神界」に行っている間はデバイスの中の管理を怠っていた事も相俟って、中は相当ぐっちゃりとしていたのだった。

 流石に人間界に戻って来た以上、そんな自堕落なコトでは依頼(クエスト)に差し支えるので一念発起したのだが……。



「あっ!これッ!あちゃあ、うっかりしてたわ」


 少女は整理整頓の途中で、デバイスの中に埋もれていた一通の封書を見付けたのだ。

 それは「神界」のごたごたに巻き込まれたせいで、すっかり失念してしまっていた、母・ウェスタから父・ディグラスへと(したた)めてもらった手紙だった。



「急いで持って行かないとねッ!」


「あれ?ママ、お出掛け?」


 気付けばフィオが少女の部屋の中にいたのだった。フィオは少女と一緒に出掛けられると思ったらしく、はしゃぎながら飛び回っていた。



「フィオ、ごめんね。ちょっと急用なの。連れて行けなくてごめんね。良い子で待ってて貰える?帰って来たらいっぱい遊んであげるから」


「しょぼん。でも分かった、良い子で待ってる!サラとレミに遊んで貰って待ってるから、早く帰って来てね」


「それにしても、フィオはどこから入って来たのかしら?まぁ、いっかそれよりも早く父様のところに行かなくっちゃ」


 気を取り直した少女は大剣(グレートソード)ディオルゲートをその手に取ると、デバイスに命じてマモンとベルゼブブの魔石を愛剣に宿し、サークル(魔術陣)を展開させていった。


 こうして、少女は自室から……いや人間界から姿を消したのである。



 「ひゅうん」と言う音と共にサークル(魔術陣)が展開された場所はいつもの場所とは異なっていた。

 少女からしてみたらそこは見覚えのない場所であり、来た事のない場所に転移した事が不思議でしかなかった。

 少女の使っている転移のサークル(魔術陣)は見た事がある場所でなければ行く事が出来ないと考えていたからであり、その前提を遥かに超えた場所が目の前にあった。



「魔界ってコトで間違いはなさそうだけど、ここは、どこかしら?」

「それにしても参ったわね、「魔界」じゃデバイスの位置情報が探れないから見覚えのある風景まで自力で探すハメになるけど、それだと結構時間喰っちゃうわね」


 少女はいつものように魔王城へ転移先を指定していたハズなのだが、何故か転移した先は見覚えの無い風景だった。

 今までこんなコトはなかったので少なからず狼狽えていたが、こうなってしまった以上、自力で探す決意をしていた。

 まぁ、少なくとも誰かを見付けてその誰かに聞くのもアリだ。相手が好戦的じゃなければ……の話しだが。



「近くには誰もいない様子だから、これなら空から探した方が手っ取り早そうね」

「ブーツオンッ」


 少女はバイザーと睨めっこした結果を自問自答すると、空へと舞い上がっていった。久し振りの「魔界」のマナは凶暴な風を巻き起こしていたが、そんな事でめげるワケのない少女は空から探索していく。



 魔界に陽の光は無い。それ故に方向を掴むには見覚えのある風景が欠かせない。だが、少女から見える範囲にある、その全てがどれも見覚えのあるモノではなく、それは結構な確率で少女に対して手詰まり(チェックメイト)と告げていた。



「うーん、これは……ま、迷子ね。い、一回出直した方がいいかしら?でもなぁ、せっかく来たしなぁ、このまま帰るのも癪なのよねぇ」

「あれ?なんか今見えた気が……あっ!城がある!あれは誰かの城……かしら?知ってる人がいればいいけど、取り敢えず行ってみようかしら?」


 少女は独り言をボヤきながら空を駆けており、諦めようかとも思った矢先に見覚えのない城を発見したのだった。

 迷子な少女は藁にも縋る思いで、視界の中に入って来た「城」に向けて舵を切ると向かって行ったのである。



すちゃッ


「お邪魔しまぁす」


「貴女は一体誰ですか?ぼくの城に何か用ですか?」


「ひゃうッ」


 少女は城の中庭に降り立った直後に背後から声を掛けられ、可愛らしい悲鳴を漏らしていた。そんな少女が振り向くとそこには小さな男の子がいた。



「あっ、えっと、ごめんなさい。急にお邪魔してしまって。ちょっと迷子になってしまって、誰か道を聞ける人を探していたら、ここにお城が見えたから勝手に降りてしまったの」

「あれ?でも、この男の子どこかで見た感じがする……」


「迷子……ですか?どこへ行くつもりだったのです?」


「えっと、魔王城だけど、行き方分かる……かしら?」


「陛下のお知り合いの方ですか?」


「えぇ、まぁ」


「それでしたら、ぼくもこれから陛下の元に参りますので、一緒に行きますか?」


「お願いしていいなら、連れてって欲しいか……な」


「それではこちらにどうぞ」


 男の子はどこかへと歩いて行く。少女はその後ろを追い掛けていった。少女としてはどこか胡散臭い気がしなくもなかったが、縋りついた藁を手放す気はなかったし、万が一何かが起きたなら掛かる火の粉を全力で振り払う気持ちでいたのは確かだった。



 斯くして城の中にある1つの部屋の中に男の子は入って行き、少女はその後に付いていくが城の中では誰一人としてすれ違う者はいなかった。


 そして……少女が入ったその部屋の中には、ポータルが開かれていた。



「このポータルを(くぐ)れば陛下のいらっしゃる魔王城です。ですが、その前に1つ、応えて頂けますか?」


ごくりッ


「な、何かしら?」


「貴女は何故、()()()()()纏っておられるのです?」


 少女の耳には確かにそのように聞こえていた。そして、その一言を皮切りにその身から放たれ始めたプレッシャーは、ただの魔族(デモニア)の男の子と侮っていた少女の背中に一筋の汗を垂らしていった。




「よくぞ参った」


「はっ、陛下に於かれましてはご機嫌麗しゅう存じます」


「アヴァルティアよ、娘が世話を掛けたな」


 ディグラスは少女が出会った男の子を「アヴァルティア」と言っていた。その名前と顔が少女は一致していなかったから最初は分からなかったが、改めて思い返した結果、ヨルムンガンド討伐戦の時にいた1人だった事を漸く思い出していたのだった。



-・-・-・-・-・-・-



「貴女は何故、先代の力を纏っておられるのです?」


「先代?」


 目の前の男の子は明らかに敵意と殺気を自分に対して向けているのが分かった。だが一方で少女は男の子が紡いだ言葉の意味が分からなかったのだ。

 拠ってこのままでは自分に対して向けられている殺気は、自分に襲い掛かって来る事になると判断した事から、先ずは自分の形態(フォーム)を解いたのだった。



「えっ?!貴女、ヒト種なんですか?」


「えぇ、これが本来のアタシの姿よ。魔界に来る為にはさっきの姿に成らないと来れないから変身してたんだけど、貴方がさっき言ってたのは、このどちらか……マモンかベルゼブブの魔石の事であってるかしら?」


「何故、貴女がこれらの魔石を?この魔石は陛下が武勲報奨の際に……まさか、貴女……が?」


「ん?あぁ、そうね。貴方とはハジメマシテよね?貴方が「強欲」を継いだのね?こんなに若い当主とは思わなかったから、気付かなくてこめんなさい。貴方がアヴァルティアさんなのね」


 少女はそう言って微笑んでおり、アヴァルティアの殺気はみるみる内に萎んでいったのだった。




「それで何故、今回は直接魔王城(ここ)に来なかったのだ?」


 魔王ディグラスは少女の方を向き、言の葉を投げていた。今回はアヴァルティアがこの場にいるからだろうが、いつもの「優しさ」は影を潜めている様子だった。



「それはアタシが聞きたいわよ。ここに来るハズの座標が変わってたんだから。ねぇ父様、何か心当たりは無いかしら?「魔界」で何か変わったコトとか起きてたりするんじゃないの?」


「アヴァルティアよ、話してやれ。恐らくは、そなたの考えている事が起きている」


「はっ、畏まりました、陛下」


「王女殿下、申し上げます」


「ちょっと待て」 / 「ちょっと待って」


「は?どうされましたか?お2人ともお揃いで」


「そ、その「王女殿下」って何かしら?」


「娘は立太子していないので殿下ではない。それにそんなガラではないな、はっはっはっ」


「父様?それって、アタシがお淑やかじゃないって言ってるのかしら?」


「まぁまぁ、落ち着け。と、言う訳だアヴァルティア。誤解を生むような敬称は避けるべきだな」


「畏まりました、陛下。それと申し訳御座いませんでした、御子様」


「なんか、納得出来ないから、ちゃんと後でお話ししましょうね?ま・お・う・へ・い・か?ふんすッ」


「さ、さぁ、アヴァルティアよ、続きを頼む」


 魔王ディグラスはしどろもどろになっており、少女は鼻息を荒くしてジト目で睨んでいた。

 アヴァルティアは2人のギクシャク度合いに躊躇う事なく、魔王ディグラスに言われた通りに少女に伝えていくのだった。



「御子様、ぼくの観測の結果ですが、他の次元か世界で何かしらの問題が生じているものと思われます。今から約一月ほど前、次元の歪みが「魔界」全土に及びました。その余波があちらこちらに出ているものと考えております。恐らく転移術式の座標が変わっていた事もそれが原因だと思われます」


「あ、あああ、あの、ととと、父様?あわわわわ」


「はあぁぁぁぁぁ。お前が元凶なのか?」


 アヴァルティアの紡いだ報告は、少女の立ち居振る舞いを激変させていった。当の少女は、その背筋に大量に噴き出していった冷や汗と、自分の掌に握る脂汗が尋常じゃ無い事は流石に気付いていたし、心当たりがあり過ぎて足が平然とガクガク震え出していった。

 そしてその後の少女の言動は魔王ディグラスに深くて深く、余りにも深いため息を齎していった。拠って事の重大さに気付いた魔王ディグラスは、アヴァルティアを下がらせて少女を連れて自室へと向かう事にしたのである。




「で、今度は何を仕出かしたのだ?」


「「魔法」を、完成……させちゃったの」


がたッ

 ぱりんッ


「な……んだと」


 少女の口から小さな小さな声で呟かれた言の葉は、ディグラスの耳にしっかりと届いていた。そればかりか完全に動揺したディグラスは思わず手に持っていたカップを落とし、カップは床に落ちてものの見事に真っ二つになって割れていった。



「ま、「魔法」……だと?そんな大層なモノを完成させたのか?」


「う、うん。成り行きで……」


 ディグラスはわなわなと身体を震わせながら言の葉を紡いでいた。少女はこうなってしまっては全てを話さなければならないと悟り、「神界」で起きた「魔法」完成に至る出来事の終始を全て語る事にしたのである。




「そうか、そんな事があったとはな」


 魔王ディグラスといえど「魔法」については信じられるワケがなかった。だが少女が嘘を言っているとも思えずにいた。

 それくらいの大事であるが、今「魔界」に起きている現象がその話しに信憑性を持たしていた。



「今、聞いた話しから推察するとだな、消滅した「妖精界」は「魔界」の直下の次元にある世界だ。だから、その余波が出て入ると言う事になる。だがしかし、その話しを信じればこそ、最近魔界に起きている現象に対して信憑性(しんぴょうせい)が出ると言うものだ」


「な、何が一体起きているの?」


「先ず、第一に、この世界を取り巻く環境が変わって来ている」


 突如として「魔界」に齎された変化は些細な事とは言い切れなかった。だからこそ魔王ディグラスは重たい口を開いていくのだが、その些細な事ではない現象を齎した少女に対して本当に告げるべきなのかどうかも悩ましい点ではあった。



 ディグラスが話した「世界の変化」は以下のものだ。


・人間界との関係性が「()」の状態から、やや「(みつ)」になりつつある事

・「魔界」に於いて存在していなかった魔獣が見付かっている事

・「魔界」の世界線そのものが広がっている事

・「魔界」に時折、太陽が昇る事


「まだ他にも認識していないだけで起きているやもしれぬがな」


「えっ?「魔界」に太陽が昇るようになったの?」


「うむ。この世界に連れ戻されてから久しく見る事がなかった太陽を見た時は感動ものであったな。まぁ、初めて太陽を見る者達はそれはそれで大騒ぎだったがな」


「そっか、父様がこっちに来てからはそうだったハズよね。確かにアタシが「魔界」にいた時も一日中夜みたいに暗かったし」


「で、そろそろ本題に入ったらどうだ?それらの変化を確かめる為にわざわざ「魔界」に来たワケではないだろう?」


 ディグラスは優しい目に戻っていた。やはり先程の優しくなかった視線はアヴァルティアがいた事が原因だったようだ。



「あっ、そうだった!いけないいけない、忘れる所だったわ」


「まったく、お前というやつは……」


「はいッ、父様にお手紙よ」


 少女から差し出された物と紡がれた言の葉は魔王ディグラスに取って想定外でしかなかった。

 世界の趨勢(すうせい)に関する事を話していた矢先に、それとは全く関係の無い話しが本題だったと言われれば、誰しもがそのギャップに驚くのは当然とも言える。



「手紙?今、手紙と言ったのか?」


「えぇ、父様に宛てた手紙よ。受け取って」


(わたし)に手紙とはな、一体誰か……ッ!?こ、これは……まさかッ」


 少女は母であるウェスタから預かった手紙をディグラスに渡したが、誰が書いたとは一言も伝えなかった。

 だからこそディグラスは誰からの手紙か分からず、また、手紙を渡される(いわ)れも無かった事から(いぶか)しみながら受け取る事にしたのだ。

 しかし手紙を開いた途端に「驚愕」の二文字をその表情に浮かべるのだった。



「これは、アイリからの手紙……なのか?」


「ねぇ、父様、アイリって誰?」

「母様の名前はウェスタじゃないの?アイリなの?」


 少女は父・ディグラスに問い掛けるが、ディグラスは手紙を読み(ふけ)っており、少女の声は全く届いていない様子だった。

 少女はその光景に溜め息を付きながらも、「やれやれ」と心の中で呟いていた。



 魔王ディグラスは目尻を濡らしながらも手紙を一心不乱に読み耽っていく。文字を一言一句逃さず、全ての感覚を目だけに集中して耳に入ってくる音はただのノイズでしかないと言わんばかりだった。

 何度も何度も上から下へと視線を動かし、それは全ての文字を暗記するかの如くであって、流石の少女も閉口するしかなかった。

 そんな魔王ディグラスは恥も外聞(がいぶん)もへったくれも無い、ただ愛する妻への懐古(かいこ)の念に拠って突き動かされていたのである。



「父様の涙って、初めて見たかも……」


 少女は泣いている父親の姿を初めて見た気がしていた。でも、少女はそう思っても口からは絶対に出さず心の奥底へと仕舞(しま)っていった。




「ねぇ父様?母様って、偽名だったの?それとも、アイリって名前も持ってたの?」


 少女は読み耽っていた魔王ディグラスが落ち着きを取り戻す時まで空気を読んだ。いや、読む事しか出来なかった。何を言っても無駄だと感じたからだ。

 そして、どうしても聞きたかった質問を……、今か今かと待ち侘びた質問を、遂に投げる時が来た事を悟り、やっとの思いで紡ぎ出していった。



「アイリの名前は「神族(ガディア)」としての名前は有名過ぎたのだ。だからアイリ、(いや)、ウェスタは自分に仕えてくれていた者の名のアナグラムを用いて、自らの名とする事を受け入れてくれた。アイリ自身がヘスティアとして立てた誓いを破った事と、ウェスタとしての役目を放棄する事を、自身に仕えてくれていた者の名を名乗る事で償いの意を込めたのだ」


「なんか素敵ねッ!父様と母様って!」


 少女は素直な気持ちを……思うがままで思った通りの言の葉で紡ぎ、自分の父親に向けて、屈託の無い笑顔と共に声に出したのだった。

さて今回で三章が終わりましたので、恒例(?)本当に恒例(?)になっていると言うか、恒例になっていると勝手に感じ入っているユーザー情報に書いてた後書きモドキをここに掲載致します。



次からは三章なのです(*゜▽゜)ノ

そして、今回は2章のエピローグ部分なので非常に短いですが、お気になさらず(*゜▽゜)ノ

なのです(♡˙︶˙♡)



一話、、、第3章本日、開演なのです(*゜▽゜)ノ

今回の章は、1章と同じくタイトル縛りでふ(*゜▽゜)ノ

故に長かったり短かったりするかもしれませぬが、お気になさらず~なのです(<●>∀<●>)


二話、、、はい、やっとカレラの母親の正体に近付く事が出来ますた(`・ω・´)ゞ

いやぁ、神話って結構、奥が深いなぁ、、、と神話を読みながら思う今日この頃なのです(*゜▽゜)ノ


三話、、、ふぅ。原初の神々に近い存在ほど、スケール感が可怪しくなるなぁと思う今日この頃。次回もそれに準ずる神が出て来るとなると、: (((;"°;ω°;)):ガクガクガク

さて、改めて、読んで下さってる方に感謝を込めて。


四話、、、助平オヤジの登場回になりますた(笑)

うん、見た目はカッコイイけど残念な男と言うイメージを持って、生温い目で見守って上げて下さい( ´・ ֊ ・` )フッ

さて、次こそスケール感が違うお話しになる、、、のかな?(・・?


閑話、、、これで一章までのルビ振りが終わりました(*゜▽゜)ノ

三章からは難しい表現や単語が多いので、うpしてから直ぐにルビ振りをしているので、残りは二章後編のみと相成りました(*゜▽゜)ノ

中々にルビを振るのも面倒なのです……ミ(o_ _)oパタ


五話、、、いやぁ、全ての話しの内容は頭の中で過去に作ったモノを映像で記憶させていて、それをアウトプットしてるんですが、最近、思い返すと、三章って内容が違った希ガス、、、と(笑)

( ´・ ֊ ・` )フッ

過去に作った三章と現在の話しの三章って、形態が全く違う内容なんだけど、整合性を持たせるとなると今の内容になるから、結果論的には、おkなのかなって思いながら、書いている今日この頃なのです(*゜▽゜)ノ


閑話、、、とりま、今まで上げた分のルビ振り完了なのであります(`・ω・´)ゞ

次からは上げた直後にルビ振りが出来るので、タイムロスがあまり無く、表現が出来るかと……ミ(o_ _)oパタ


六話、、、やっと此処で、母親の名前が出せますた(*゜▽゜)ノ

何故、「ヘスティア」を使わなかったのか?(ΦωΦ)フフフ…

ちゃんと意味があるのです(*゜▽゜)ノ

それは、母親が人間界では「アイリ」と名乗っていたからなのです(*゜▽゜)ノ

では、お後が宜しいようで(((((っー_ー)っ ソロリ ソロリ


七話、、、さて、次回から3章の中編へと突入なのです(*゜▽゜)ノ

所で、1月から書き始めたこのお話しですが、気付けば40万文字を超えておりました(笑)

よく書いたなぁ、、、と自分の事を褒めてあげたい(笑)

まぁ、偏に読んで下さる方がいるから書いていけるんですけどね( ゜∀゜)アハハ八八ノヽノヽノヽノ \ \ \


八話、、、中編の最初の話しはアテナの退場と怪しいアフラ君の登場なのです(*゜▽゜)ノ

茶色の肌でスキンヘッドなのは、うん、分かる人にしか分からない表現ですが、まぁ、イメージは大事なのです(笑)

共通認識は大事なのです(*゜▽゜)ノ


九話、、、ε=( ̄。 ̄;)フゥ大分、短めでした。すんません(ó﹏ò。)

明日からのバトルシーンをちゃんと描けるかが、心配な今日この頃、、、(´-ι_-` )

読んで下さる方の為、がんがるのです(`・ω・´)ゞ


閑話、、、ふぅ、誤植がありました(ó﹏ò。)

何回も読み返してから、うpして、うpしてからも読み返して、ルビまで振ってたのに、誤植が(ó﹏ò。)

……ミ(o_ _)oパタ


十話、、、バトルシーンは中々に難しいのです( ´,_ゝ`)

まぁ、暫くは、のほほんムードとはオサラバなのですが(´-ι_-` )


十一話、、、後ろ脚の無い、キングギドラの登場回なのです(笑)まぁ、色も黒いからキングギドラには見えません、、、よね?(笑)

オリュンポス編と違い、暫く、むっさいモード突入の様な気がする今日この頃なのです( ´,_ゝ`)


十二話、、、むっさいモードの中の一条の光、アマテラス様が降臨したと思いきや、再びむっさいモード突入と言うね( ´,_ゝ`)

さて、今回の章はタイトル縛りですが、タイトルに少しだけ遊び心を交えているのです(*゜▽゜)ノ


十三話、、、今回は短いのです(ó﹏ò。)

何故なら、途中まで書いた内容を整合性の為に全て消し、書き直していたからなのです(ó﹏ò。)

3章って、あんまり印象が無くて、書き辛げふんげふn( ´・ ֊ ・` )フッ、ナンノコトカナ

でもま、むっさいモードが終了して良かったのです(*゜▽゜)ノ


十四話、、、3章の後編に向けての準備回なのです(*゜▽゜)ノ

ちょっと、ホラーな感じが漂っているのは、気のせいなのですよ、(ΦωΦ)フフフ…

お腹空いてる時にご飯の事を書いてると、ある意味飯テロなのです(ó﹏ò。)


十五話、、、二章であったトラウマ回と対を成すトラウマ劇場なのです(*゜▽゜)ノ

ホラーなのです: (((;"°;ω°;)):ガクガクガク

そして、スサノオ強過ぎません?(・・?

って感じなのですが|qд°`)))ブルブル


閑話、、、今まで書き終えていた部分の改行やら、誤植やらを再度チェックして、読みやすい様に仕様を変更していく事にしたのです(*゜▽゜)ノ

皆様、宜しくなのです_( _´ω`)_


十六話、、、ちょっと今回はおふざけモードだった様な、、、(´▽`*)アハハ

でもま、シリアスの合間におふざけは必要だよね?|•̀ω•́)✧チラッ


十七話、、、いやぁ、書いてて、あれ?スサノオさん死んだんじゃね?というシーンがあった気が(笑)

ただ、電気ビリビリになっても、ゼウスと違ってスサノオはギャグキャラにならない辺りが扱いの違いって事で(笑)


十八話、、、3章後半戦の開幕ですぬ(*゜▽゜)ノ

いやぁ、今回は艶めかしい表現がありました(♡ˊ艸ˋ)ムフフ

乙女なカレラなんですけどねぇ( ´・ ֊ ・` )フッ


十九話、、、今回は怒涛の展開(*•̀ω•́*)✧

そして、瞬間的に居なくなる重要人物(笑)

フリュムって、重要人物なのに、瞬殺されるどころか登場すらさせてもらえていないという(笑)

(。-人-。)ナムナム


二十話、、、カレラ言葉攻め回なのです( *´艸`)ムフフ

全年齢指定のストーリーなので、ばんされたらどうしよう(,,•﹏•,,)ドキドキ

とか、思ったりして無いんだからねッ!( • ̀ω•́ )


二十一話、、、急造のバトルシーンは、やっぱり表現がし難いのでふ(ó﹏ò。)

そして、そのせいで文字数が少ない: (((;"°;ω°;)):ガクガクガク

でもま、そろそろ文字切れ起こしそうなので、頑張って紡ぐのです(`・ω・´)ゞ


二十二話、、、迂闊にもカレラを殺してしまうトコでした(´▽`*)アハハ

いやまぁ、今回は死んでも生き返れないし、死ぬと話しが終わってしまうので、なんとかなって良かったと思いながら( ´・ ֊ ・` )フッ

いやぁ、所で神話の武器って強過ぎですね(´;ω;`)


二十三話、、、呆気無く死んでしまうウトガルザ(笑)

いやぁ、人生なんて呆気無いモンです( ´・ ֊ ・` )フッ

さてさて、3章はこれからどうなってしまうのでせう?(・・?

それは自分にも分かりません( ー̀֊ー́ )✧

えっ?(・・?


二十四話、、、ちょっと前にちょこっと出したアースガルズの最後と言う、呆気無い大国の滅亡(笑)

ラグナロクは北欧神話には必須だよね?(・・?

なので、ちょっと滅ぼしてみました(´▽`*)アハハ


二十五話、、、( ´・ ֊ ・` )フッ

気付けば50万文字にリーチしている状況でした(  ̄▽ ̄)

いやぁ、三ヶ月でこんなに文字数が行くとは思いませんでした。

偏に読んで下さる皆様が居てくれたからこそ、やってこれたのです: (_;´д`;) :_

本当にありがとうございます(ó﹏ò。)


二十六話、、、(*゜▽゜ノノ゛☆パチパチ

( *•○•)ア( *•罒•)リ( *•○•)ガ( *•0•)ト( *•з•)ウ

<(_ _*)< アリガトォ

50万文字達成なのです(`・ω・´)ゞ

長い様であっちゅう間でした(*゜▽゜)ノ

4月中に10万文字行けばいいなぁ~くらいで書き始めたストーリーなのに、気付けばその5倍(笑)

我ながら褒めてあげたいのです( ´,_ゝ`)


閑話、、、3章までの誤植修正と、改行とその他諸々が終わりますた……ミ(o_ _)oパタ

これで、少しは読み易くなったかと⊂⌒っ*-ω-)っ


二十七話、、、( ; ´ ₃ `)ふぅ…

フレイヤが出てくる度に、全年齢解除しなきゃ駄目かなぁ、、、等と考えてしまうのです(ó﹏ò。)

良い子のプレ○テ並に全年齢指定なのです(´;ω;`)


二十八話、、、そろそろ終盤の終わりが見えて来てもいい頃なのに、全く3章が終わる気配が無いと言う(笑)

さて、3章の黒幕が全員登場したので、そろそろ本気で終わらせに行かないと(笑)

ただ、戦力的にどうなの?って気はひしひしとしてますが(ΦωΦ)フフフ…


二十九話、、、( ´,_ゝ`)ふっ

こっちを書き忘れるトコだったのです(´-ι_-` )

後、最大でも13話以内に3章を終わらせないといけなくなりました(´▽`*)アハハ

そうじゃないと、タイトル縛りが意味を為さなく: (((;"°;ω°;)):ガクガクガク

それだから、今日は長かったワケじゃないんだからねッ(ó﹏ò。)


三十話、、、やっと、黒幕の一人が消えてくれそうなのです( ; ´ ₃ `)ふぅ…

ってか、詠唱を考えるのに凄い疲れたと言うね_:(´ω`」 ∠):_

今回は色々と考えながらの詠唱の文言だったので、色々と疲れたのですc⌒っ.ω.)っ


三十一話、、、今回は長めですぬ(*゜▽゜)ノ

最初のコンセプトは一話8000文字みたいな事を言ってたのに、、、(ΦωΦ)フフフ…

終盤に向けて走り始めた感じですが、妖精界が滅んでしまうとわ(笑)

書いててヤバい展開になったなぁ、、、とか、思ってないんだからねッ(´^`*)プイ


三十二話、、、呆気無い黒幕の死ってどうなの?ε٩(๑> <)۶з

ってか、これも腹上死と言えるのでせうか(´゜c_,゜` )

ばんされません様に*(๑¯人¯)ナムナム✧*

( ´・ ֊ ・` )フッ

所で、漫画あっぷ賞の結果は出るんでしょうか、、、(・・?


三十三話、、、今日は他の公募にも出したので、2話上げる事にしたのです(*゜▽゜)ノ

久々にまともなバトルシーンを描いている気がしたのは、気のせい、、、ですよぬ?(・・?


三十四話、、、さて、残す所、次回で3章が終わりなのです(*゜▽゜)ノ

今回のタイトル縛りがちゃんと結果を成せるかどうかは、次回で決まるのです(ΦωΦ)フフフ…

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