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魔眷のミナト  作者: 少佐
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絶望と希望

ーーー暗闇ーーー



「っ……は……」


 息が、苦しい。


 空気があるのかも分からないのに、呼吸だけが荒くなる。


 圧が、ある。


 見えない何かに、押し潰されている。



 あれから数分、状況はめまぐるしく変わる。



 覚悟をしたものの暗闇から逃げるすべはなく、恐らく、繰り返しの引き金である。


  死  を考え始めた矢先。


 内側から、外側から。


 ぐちゃぐちゃに、かき混ぜられるような感覚。


 胃がひっくり返る。


 吐き気が込み上げる。


 思考だけが、やけに冴えていく。


 嫌でも理解する。


 ここは――


 逃げ場がない。


「……もう、いい」


 ぽつりと、呟いた。


 終わらない。


 逃げられない。


 

 覚悟は絶望へと変わりはじめ




 なら――


 いっそ。死




 その瞬間だった。


 闇の奥に。


 小さな光が、灯る。


 微かに。


 けれど、確かに。


 救いのように。


 手を伸ばす。


 必死に。希望に。


 縋るように。


 光は、近づく。


 ――見えた。


 それは。


 黒猫の、目だった。


 吸い込まれるような、深い瞳。


「……あ」


 体が、止まる。


 動かない。


 動けない。


 視線を、逸らせない。


 そのとき。


 ――斬られた。


 どこからともなく。


 見えない何かに。


 体が、真っ二つに割れる。


 痛みすら、遅れてくる。


 理解だけが、先にあった。


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