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欠落女子と高嶺の花  作者: 古宮ふえ
第一章 人生を謳歌する手前
7/12

ズル休み

「ねー、悠音ちゃーん! 次どこ行く?」

「どこがいい? 莉羽の行きたいところ行こう」


 私は、学校を休んで、莉羽と外に出ていた。莉羽といるほうが気楽で、ずっと自然体でいられる。莉羽は、不思議な娘だった。

 カフェでパフェを食べたあと、お菓子屋さんでマカロンを買った。今は、マカロンを食べながら、雑貨店に向かっている。


「んー、じゃああそこの、みのこまち行きたいなぁ」


 みのこまちとは、ここらで人気の個人営雑貨店だ。仕入れたものもあるが、手作りのものも多く、人気が凄まじい。


「わかった。ね、そういえば莉羽はどこ高校?」

「えー、私立だよ? 私立智見学園。結構有名だと思うけど」


 「名門校だ……」と、思わずつぶやいてしまう。私立智見学園は、偏差値81の進学校なのだ。


「ふふっ! ありがと! 家族を見返したかったの。ところで、悠音は?」

「私は、国立御嵩林高校。そこそこ頭いいと思ってる」


 「え! 御嵩林って国立の中の神校でしょ? 偏差値79あるんだよね。すごっ」


 莉羽のオーバーな反応に、苦笑しながら礼をいう。多分、莉羽のこういうところが、親しみやすいんだろう。

 靴で歩きながら雑談していると、いつの間にか、みのこまちについていた。


「みのこまち着いたー! 悠音ちゃん、お揃いの物買おーよ」

「買おう」


 莉羽の提案で、お揃いのキーホルダーを買うことになった。

 しばらく、みのこまち店内をうろうろしながら、見ていると、莉羽がハイテンションで声をかけてきた。


「ね、悠音ちゃん! 見て。これさ、ここでしか売ってない、代々受け継がれてきた伝統的な飾りなんだって! 超可愛くない?」

 

 そう言って見せてきたのは、よくある鈴の下についている、布とガラスのような透明なものを使ったキーホルダーだった。


「あ、可愛い。すごいね。店員さんに聞いたの?」

「うん。これ、お揃いにしよう」

「そうしよっか」


 私達は、キーホルダー2つを会計し、みのこまちを出た。


◆◆◆


 みのこまちをでて、またカフェでゆっくりしていると、いつの間にか夕方になっていた。今日は、全部があっという間で。初めて、時間の流れが速いなと感じた。


「今日はありがと。駅まで、一緒に行かない?」


 私は、駅を通って家に帰れるので、莉羽と共に駅まで一緒に帰ることにした。  


 莉羽は、本当にいい子で、耳のスピーカーも脳の氷も絆してくれる。一緒にいると、心臓の負担が楽になる。

 今日一日の思い出は忘れることはないはずだ。

 買ったばかりのキーホールダーを握りしめながら、駅に向かって歩き出す。


「今日は晴れだねー。昨日、夕日きれいだったもんね」

「ほんとだね。明日も晴れかな。天気予報見よ」

 

 帰る頃には、昨日よりも茜色に染まった空があった。私達は、個人営多めの商店街らしきものを通り抜け、いつも、登下校時に使っていたところまで歩いていた。 


「ねー、聞いてよ。うちの家猫飼ってるんだけどね? 自分のこと人間だと思ってるの。だからね、ご飯食べるとき、クッションとかじゃなくて、普段使ってる椅子ちょうだいって。にゃーって鳴くの」

「ふふっ。なにそれっ」


 何気ない会話でいい。後ろがない会話でいい。その会話が幸せで、楽しくて、わだかまりが絆されるなら。


鳥のさえずりが妙に心地よくて。いつまでも、この空間に入り浸っていたい。


◆◆◆


 悠音が休んだ今日。帰り道、悠音は知らない女子と歩いていた。

 茜色の空にうつる夕日が、二人を包み込むようにして。

 俺には、見せたことのないような顔で微笑みながら。相手の子を呼び捨てで。

俺だってまだ、呼び捨てじゃないのに。まだ、一度も微笑んでもらってないのに。

 ⋯⋯あの顔を、自分だけに向けて欲しかった、なんて思うのは欲張りだろう。


 でも、それでも。澄んだ空気に妙に響く鳥の鳴き声は。

ネタが……!!次話から、文字数が戻ってきます!!投稿遅れました!感想やアドバイス等を頂ければ!!最後まで読んでくれてありがとうございます!!次回もぜひ読んでください!!

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