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アルカディア ~サービス開始から三年、今更始める仮想世界攻略~  作者: 壬裕 祐
君がために在る世界、誰がために去る未来 第五節

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幕間:無間


 眩く激しい光が遠ざかり、砕けた身体をイドが満たす。


 守られ抱かれ連れられて。再び灯る意識のままに目を開けば……。


「────『一人目イオ』」


「……『七人目セプトラ』」


 月創世界の遍くが還る、無間の虚空なにもないばしょ。寂しく、穏やかで、空しく、温かかな世界の狭間にて、役割を果たした・・・・・・・後に帰還したイオを友の声が出迎えた。


「如何でしたか、四彩にて紡がれた『稀人』の輝きは」


 それぞれの認識が姿を生み、生じた瞳に互いが宿る。


 然して、その真白の瞳で友人の微笑を受け取りながら。刹那とさえ言えないような極僅かな時間のみ、たった三人だけを識るに終えたイオは────微笑みを。


「とても、目映く、眩かった。……震える心を、抑え付けるのが大変でした」


 不器用でも、不格好でもない。冷たさも硬さもない。────むしろソレらこそが纏っていた偽り・・・・・・・とでも言わんばかり、誰よりも優しげな色と声音で。


 どこまでも純粋で穏やかに喜びを示す友に、セプトラも目を細め笑声を零した。


「別に、無感情な怪物を演じる・・・必要までは無いのでは?」


「それを決めるのはわたくしではありません。厳かな〝鏡〟で在ればこそ得難い糧に成り得るのであれば……是非もなし、私は何者にでも成るべきなのです」


「あなたの十八番、ですか」


「はい。彼女が描いた、私ですから」


 交わされる言葉は、他愛無く。


 悠久の時を共に歩む存在同士、多くは確認めいた再演ばかり。


「この真白わたくしに、意味はなく……────写す輝きにこそ、意味がある。ならば輝きの到来こそが、漸く訪れた私の存在意義はじまり…………あぁ、セプトラ」


 けれども、永き時を彷徨い歩いた果て。


生命ヒトとは、斯くも素晴らしい。初めて此の身に、血潮を感じた思いです」


 辿り着いた今に、未知かがやきを見た。


 然して……最も無知で、最も賢く、誰より無力で誰より強い『一人目』にして真白ゼロの〝千憶〟が、永きを無彩と親しんだ頬に鮮やかな朱を差して笑み綻ぶ。


「私を退けた眩い黄金も、私を退けかけた・・・・・鮮やかで無垢な白も、まさしくは英雄の器。迫る〝決別の時〟に際して、彼らが世界に臨んでくれるのならば……」


「…………」


 まるで、全てに愛を手向ける聖人のように。



「────〝月〟の悲願は、必ずや」



 うたうように囁いたイオに、セプトラは再び優しい微笑を含みながら。



「勇名音高い【総大将】ゴルドウ様は、あなたの天敵といって差し支えない〝他を束ねる力〟の化身。ですから彼に退けられたのは必然として……ハル様も?」


「偽りでも間違いでもありません。黄金の御方が到来していなければ、私を討ったのは白の御方。()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()


 飽きず興じるのは、再演ではない新たな会話。


 連なり生まれた輩にして友の枝葉は、共に役割を終えて戦を退場した者同士。


「であればこそ……また、今一度。────いえ、これよりは何度でも、逢いにゆかねばならないでしょう。彼にも、その仲間たちにも……あぁ、待ち遠しいです」


あなたが楽しそうで、私も嬉しい。…………時にイオ、どの顔・・・で?」


「勿論、相応しい顔を作って参るべきでしょうね」


「…………あまりり過ぎて、稀人様方を怖がらせないように」


 誰も知らない戯れを以って、虚空を密やかに賑やかしていた。







匂わせ伏線アレコレ過多につき仕切りの短め幕間。


別に〝倒せ〟とは言われてないからね。あくまで〝星を落とせ〟という役割を拝命しただけだからね。つまるところ、とりあえず序列持ち一人を完封ボコにした時点で『お披露目はバッチリですね』と満足気なイオさん君ちゃん様でした。


かわいい。

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― 新着の感想 ―
上から目線でどこがかわいいのか全くわからないです
なんというか、記憶ではくて記録だったりするのかと予想。
>「とても、目映く、眩かった。……震える心を、抑え付けるのが大変でした」 ちょいちょいあったルビは抑えきれずに漏れ出た紛れもない本心だったか >「偽りでも間違いでもありません。黄金の御方が到来してい…
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