東
斯くして、火蓋が切られ戦局が四つ。
西を見れば影糸の濁流、北を見れば焔氷の竜巻、一瞬だけ遅れて南からは空高く光線が撃ち上がる最中……────留守を預けられた、東にて。
「《連なる巨塔》」
大役、責任、向けられるは無数の視線と期待と信頼。並べ立てればキリがない『理由』によって最大限の集中を研ぎ澄ませていた少女は、対処する。
地に突き立つ剣の塔。三枚重ね高密度の防壁。正体不明の『作り物』から撃ち放たれた冗談のような光線は、撚り集う〝砂〟の壁に阻まれて────赤熱。
伝うエネルギーを熱と化して、堰き止める魔剣を壊し始め
「《双剣の円環》」
然して、少女は止まらない。
避け得ず緊張しているからこその、一生懸命。真面目だからこその、全力。健気だからこその、精一杯。そして……今や明確に自負するからこそ。
「《纏雷唯華》ッ!」
【星架】の相棒は、やると決めたら思い切り。
光の奔流が一枚目の剣壁を穿ち、二枚目を赤く染め始める最中。無数の極小雷剣を纏うソラの身体は空間を奔りて、その足を着けるは〝敵〟の直下。
「《神穿ノ────」
至近、ゼロ距離、抜き放つ指揮杖の延長が如く虚空から撚り撃つは、
「────弌塔》ッ‼︎」
機械仕掛けの巨体の縦も横も矮小と化す、先の剣塔に倍する巨塔の鋒。
然して、砂塵剣塔のアッパーカット。生物でいえば顎の部分、頭部フレーム下部を強かに殴り上げられ視線もとい射線を機械兵が上向ける。
そのまま、地から天へと迸る巨塔の馬鹿げた運動量に巨体が跳ね上がって
「《終幕》」
忽然。刹那、初めの三と次の弌、全ての〝砂〟が姿を消して。
「炎剣、雷剣────『魔剣融劫』」
少女が振るう指揮杖の先。新たに灯る光は……。
「《雷霆たる天墜の撚剣》」
鮮烈な、蒼────激光を散らす超圧縮電熱が、主の手中へ姿を成すと共に。
「いき、ますッ……‼︎」
その身に、雷の恩恵を従えるまま。
まさしく誰もが『誰かさん』を思い起こすような速度と挙動で以って、全力全開必死のソラは自らが宙に浮かせた不明存在へと挑み掛かり────
数秒後。
東陣地には複数物の落下音が響き渡り、それを最後に静寂が訪れた。
千文字が限界だった。
そりゃそうでしょライ〇セーバー持ち出されちゃ終わりだよ。




