↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『可憐な公爵令嬢(物理最強)ですが、森で助けた冷酷な第二王子に正体を暴かれて激重ヤンデレ化されました』  作者: CASCADE


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

11/18

第10話:密室の絵画レッスンと、溢れ出るヤンデレ執着


「さあ、リリアーナ嬢。まずはそちらのソファに腰掛けていただけますか?」

レオン王子は優雅に絵の具を混ぜ合わせながら、一切のスキがない完璧な動作でキャンバスをセットした。

(やばいやばいやばい!! 逃げ場ゼロの密室で二人きり!? 侍女たちも『王子殿下のお邪魔になっては』って気を利かせて外に出ていっちゃったし!!)

心の中で冷や汗をダラダラと流しながら、私は引きつりそうな頬をなんとか固定し、可憐なお嬢様らしく優雅にソファへ腰を下ろした。

「ほ、本日描いていただくのは……どのような絵でしょうか、レオン殿下?」

「もちろん、あなたですよ」

レオン王子は筆の手を止め、流れるような銀髪の間から、ぞくっとするほど美しく重い視線をまっすぐに私へ向けた。

「可憐で、儚げで……けれどその内側に、巨大な魔物をボコボコに殴り倒すほどの圧倒的な強さを秘めた、僕の特別な愛しいお嬢さん。そのすべてを、このキャンバスに刻み込みたいのです」

(隠す気ゼロじゃん!! 完全にバレてる前提で話してきてるじゃないの!!)

「で、殿下……お戯れを。わたくし、そのような野蛮な力などございませんわ……」

私は胸に手を当て、儚げに目を潤ませてみせる。

だが、レオン王子はクスクスと嬉しそうに小さく笑うと、すっと立ち上がり、静かな足取りでこちらへと歩み寄ってきた。

コトン、と靴の音が静寂なサロンに響く。

「ふふ、まだそうやって猫をかぶられるのですね。本当に可愛らしい……」

気がつけば、レオン王子は私のすぐ目の前に立ち、逃げ場を塞ぐようにソファの背もたれに手をついていた。

目の前には、息をのむほど整った銀髪の麗人。ふわりと漂う上質な香水の香りと、手袋越しでも伝わってくる圧倒的な体温に、私の心臓が「ドクン!」と跳ね上がる。

(近い近い近い!! 顔が良すぎて直視できない!!)

「ですが、お忘れですか? あなたのその華奢な指先も、細い手首も……あの日、僕の命を救ってくれた感触を、僕の体がすべて覚えているのです」

レオン王子はそっと手を伸ばし、私の頬に触れるか触れないかの距離で指先を滑らせた。

丁寧語のまま、けれどその瞳の奥には、ドロドロとした濃密な執着と独占欲が渦巻いている。

「あなたがどれほど多忙を装って逃げようと、僕はあなたの行く先すべてを買い取ります。ダンスの講師も、マナーの先生も、お茶会の主催者も……すべて僕が代わって差し上げますよ」

(外堀を埋める規模が国家レベルなんだけど!? 財力と権力の使いどころが完全に狂ってるーーー!!)

「僕から逃げようとすればするほど、僕はあなたを逃がさないための檻を強固にしていく……。ふふ、ですから諦めて、僕の腕の中に飛び込んできてくださいね?」

甘く、重く、逃げ場のない宣戦布告。

(ダメだ……!! このままじゃ私の『可憐でおしとやかな公爵令嬢ライフ』どころか、全身全霊で囲い込まれてヤンデレの飼い殺しルートに突入しちゃう!!)

冷酷王子の激重な執着に包まれながら、私は心の中で「次こそ絶対逃げ切ってみせる!!」と拳を握りしめるのだった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。