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五. バードケージ
獏は姫の後ろを歩いている。前を行く少女の長い黄緑色の髪や、通路の様子を見ながら。
くすんだ灰色の石でできた、大きな建物……
「君、この離宮に一人で住んでるの?
うわぁ、すごいなぁ。広いなあ。部屋いっぱいあるなぁ。お姫さまってすごいなぁ!」
「……ほとんどは、使っていない部屋です」
「ええ⁉︎ なんて勿体ない‼︎ ボクだったら速攻人に貸してお金にするよ! て、そんなわけにはいかないか。お姫様の住居だもんね。それに、お金には困らないか。
ふーん、じゃあ、ここには君と、君の侍従や侍女や小間使いなんかがたくさん住んでるんだ?」
「……いないわ」
「え?」
「ほとんどいませんわ。最小限の人数だけ」
「なんで?お姫様なのに。
あ、そういう国柄なのかな?」
「──ここは、バードケージですわ」
「バードケージ?」
「わたくしは、この離宮をそう呼んでいます」




