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BLUE ROSE  作者: うさぎさん⭐︎
第一章 君が大空を羽ばたけるように

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四. アンキ



「まぁ、よくお似合いですわ、勇者様」

 部屋に再び入ってきた姫は、猿を見て胸の前で指を組む。

「そ、そうかな?」

「えぇ、とてもすてきですわ」

「あ、あはは、いやぁ、照れるなぁ」

 目を細くし、嬉しげに笑う獏に、少女は歩み寄る。

「え、えっと、ここは姫の離宮なんだよね?

 え、えぇとこれからどうするの?

 やっぱり王宮に行って王様とご対面かなぁ?」

 彼女の葡萄色の瞳から表情が消える。

「…………お逢いしてくれるはずがない」

「え? どうして?」

「いくら勇者様を召還しても……。あの方はお逢いしてはくれない……」

「あ、え、え?」

 嘘のように明るく、彼女は笑った。

「忙しい方なのですわ」

「ど、どうして? だって、君のお父さんだろ?」

「…………忙しい方なのですわ」

「う、うん……。でも……」

 なんだか納得できない。

「お父様はお父様のやり方で、ラフが姫を捜索しております。

 捜索隊を出したり、情報を収集したり。ことを公にはできませんので、極秘裏にですが。

 勇者様……」

 彼女は毅然とした瞳で獏を見上げる。

「わたくしたちは、わたくしたちのやり方で、姫君を捜しましょう」「う、うん……。あ、そうだ。肝心なこと聞き忘れてた。

 君の名前は?」

「え……」

 少女はなぜか俯いた。

「…………アンキ……」

「アンキ? 変わった名前だね。あ、ボクは日向《ひゅうが》獏っていうんだ」


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