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三. 獏
黄緑色の髪の姫が用意してくれた服に袖を通す。
青色のチュニックにズボン。黄緑色のマント。
「あぁ、なんか益々ファンタジーゲームだよ」
目が自然に本棚に行ってしまう。参考書やテキストやノートや……そういう物を探してしまう。一冊適当に手に取ってみる。青いパラの描かれた表紙。援ると、どこか英字に似ているような、しかしもっと絵的な曲線の用いられた横文字が現れる。
「読めるわけないって……」
弱く笑い、貘は花瓶の青バラに手を伸ばす。
「……痛っ!」
手を引くと、指に血の球が浮く。
「そ、そうだよ、バラには刺があるに決まってるじゃなか……。何やってんだ……ボク」
傷に口を当て、その手を下ろし俯く。
「…………なに、やってるんだよ……」
かぶりを振る。
「なんで、ボクが、こんなところで、こんなこと……」
声がする。頭の中で……
『やっぱり、落ちたんだ』
『だから言ったでしょ、あんたには大学なんて無理だって』
『先生になんてなれるわけがない』
拳を握って、それを胸に寄せる。心音と息の音を感じながら、獏はしかし言う。
「……あきらめない」




