表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
68/121

第67話

あのとき、名前を何度か呼ばれた気がする。

まあ、興味のない人間なら覚えてすらいないだろう。


「こいつもあいつも俺の邪魔ばかりしやがって……」


こんな奴と会話を続けるのは全く無意味だと思う。

だからさっさと終わらせよう。


素早く背後に回り込み、左腕で首を絞め、右腕でしっかりと固定しながら頸動脈をゆっくりと締め上げた。


──スリーパー・ホールド。


彼は狂ったように暴れたが無駄だった。

これでも俺は精霊ともダークベアとも戦った身だ。


彼の耳元にそっと囁いた。


「酒場でも同じようにやられてたのに、まだ懲りてないのか……」

「な、なんでそれを……」


顔がさらに真っ赤になってうろたえる。


「よく聞け、寝て起きたらもうこんなことはやるな。わかったな?」

「ぐっ……」

「よし、わかったと受け取るぞ」

「は、離せ……」

「次またやったら、もっと酷い目に遭わせるからな」

「う、うぐ……」

「おやすみ」


男──ビッグは力が抜けて崩れ落ちた。

伝わったらいいが。


「眠ったようだな」


腕を解くと、ビッグは糸が切れた人形のように床に崩れ落ちた。

これでDランク?


「何だこいつ……」

「変な鎧の奴だけど、あのビッグを倒すとは……」


これで十分に自分を示せただろう。


「魔石の鑑定が終わりました!」


受付嬢が戻ってきた。


「素晴らしいです! これは間違いなくダークベアの魔石です! アイク、レイナ」


一息ついて、続けた。


「ホルダーの森の異変調査に加え、ダークベアを討伐したあなたたちをEランク冒険者に昇格します」

「え、本当ですか?」

「ちょっと待ってください、じゃあノベトさんも……」

「残念ですが、ノベトさんはギルドカードをお持ちでないため認定できません」

「そうか……なら、俺にも作ってくれないか?」

「はい、こちらへどうぞ」


受付嬢の案内でカウンターに向かう。

紙と羽ペンを手渡された。


「名前と職業を記入してください」


名前はノベト。

職業は……騎士と言ったけれど、鎧を着ていたからそう答えただけ。

なら何にするか。

安息の精霊なんて論外だ。


「おすすめ:武闘家。ノベト様の現在の状態を最大限に活かせます」


それがいいな。回復職や神官も気になるが、教会絡みや目立つのは面倒だ。

今でも十分目立ってるけど。

フルプレートの塊はどう見ても怪しい。

その他の細かい部分はテンの助言に従って記入し、

Fランクのギルドカードを受け取った。


「更新は3ヶ月ごとです。その間にクエストをこなして抹消されないようご注意ください」

「わかった」

「では、入会金として金貨一枚お願いします」

「えっ?」


入会金があるとは知らなかった。


「今は手持ちがないが、それだと無効になるのか?」

「いいえ、後日魔物を討伐して魔石や素材を売って補填していただければ大丈夫です」

「ふむ……そうか」

「そ、そんな……」


レイナが口を挟んできた。


「今回のクエスト報酬からノベトさんの入会金を差し引いていただけませんか?」

「確かに……今回の報酬は探索に加え魔物討伐も行っており、金貨21枚になります」

「21枚!?」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ