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第27話

「ベルゲ、ここにどれだけいなきゃいけないか、確認してみたらどう?」

「おい看守さん、俺たちはあとどれくらいここにいなきゃならないんだ?」


看守はベルゲの問いに顎を撫でながら、少し考えた後、低く答えた。


「払えなかった金貨6枚分の労働だと……少なくとも3ヶ月はかかるな」

「……え?」

「不公平だーーっ!!!」

「これは不当だ!」

「俺たちがこうしてる間に村の皆が待ってるんだぞ! 看守さん、どうか慈悲を!」


エルフたちは鉄格子を掴み、地震のように揺さぶって抗議する。眠っていたホレイル以外全員で。

あまりに激しく揺するものだから、今にも格子が抜けそうな勢いだった。


「お、おい脅すなよ! やめないと3ヶ月で済まないぞ!」

「ん? 3ヶ月で済まないなら、1日に減る可能性も?」

「ベルゲ、それ違うから」

「ふざけたこと言うな! 増えるって話だ! 静かにしてろ!」


ようやく空気を読んだのか、エルフたちは肩を寄せ合ってまたしゃがみこんだ。

ホレイルはさっきの騒ぎで目を覚まし、話を聞いて頷いていた。


「じゃあ……脱獄しようか」

「やめろ、その“その手があったか”みたいな顔」


強くていい奴らだとは思っていたが、こういうとこが問題なんだよな……

とはいえ、いつまでもここにいるわけにはいかない。村の人々が困ってる。最悪、最終手段を使うしかない。


「おい、お前ら。面会だ」


面会? さっき店をめちゃくちゃにした不良の仲間か?

扉が開き、逆光で最初は分からなかったが、やがて姿がはっきり見えてきた。


「エルゼリア?」

「ベルゲ、ノベト!」

「うわっ、ちょっ、エルゼリア!」


俺は念話で「町では目立ちたくない」とだけ説明し、彼女もすぐに頷いた。

声はベルゲを通じて出すことにした。


「どうしてここに?」

「……村長さんには止められそうだったので、一人でこっそり……ノベ……じゃなくて、町を見てみたくて」

「ここまで来るのがどれだけ危険だったか分かってるのか!」

「でも……来て良かったと思ってます。来なければ、村に持ち帰るものがもっと遅れたはずですから」

「そうか……すぐに出してもらえそうか?」

「いえ、今はそれも難しいです。今から村に戻って状況を伝えるくらいしか……」


そうなるか……。なら、こうしよう。


「ベルゲ、これから言うことをそのまま伝えて」

「エルゼリア……」

「このペンダントを売って、お金を作ってくれ」

「このペンダントを売って……って、なにぃ!?」

「ベルゲ! いくらなんでもノベ──」

「仲間を売るなんて冗談じゃないぞ!」

「違う、違うんだスレイン! 俺じゃない、ノベトが──」

「うるさい! 面会終了するぞ!」


「全員静かにして! 説明するから!」


思わず念話で伝えることにした。

ベルゲにお願いして全員を黙らせてもらい、エルゼリア、ベルゲ、仲間たちだけが聞けるように話す。


「聞いて。今の俺たちは金がなくてここから出られないし、村に持ち帰る物も買えない、でしょ?」

『うむ』

「だから、俺を“魔導具”として売って、その金で罰金と物資を買う。村に帰るんだ」

『でも、ノベト……』

「今はこれが最善だよ。村のみんなを考えて」

『……どうして、そこまで』

「ただ、みんなが困ってるのを見るのが嫌なだけ。余裕ができたら迎えに来て」


ベルゲは目をつぶり、俺をエルゼリアに渡した。


「頼んだぞ、エルゼリア」

「はい……」

「じゃあ、みんな元気で。酒は控えめにな」


こうして俺はエルゼリアの首にぶら下がり、牢を後にした。

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