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第23話

「できるだけ早く向かった方がいいと思う」

「そうか、皆行くぞ!」


ベルゲたちはすぐさま地面を蹴って目的地へと駆け出した。

その速さは、景色が0.1秒ごとに変わるような感覚だった。


「お前たち、こんなに速かったのか?」

「ああ、俺たちは魔法が使えないから日頃からこうして鍛えているのさ」

「今回は格好いいところを見せたくてな、ハッハッ」


目的地に着いた俺たちは、近くの茂みに隠れて様子を見ることにした。

止まっている馬車、荷物を積み込む人々、そして怯えて座り込んでいる二人の男。


「運が悪かったな、ヒッヒッヒ……」


その口調だけで悪党と分かる。賊は15人ほどいるようだった。


「ど、どうか命だけは……私たちはただの行商人なんです……」


ふくよかな男が青ざめた表情で、目の前の剣先を見つめながら頭を振っていた。


「まぁ、お前たち次第だな。おい、荷物は全部積んだのか!」

「はい、これで最後です!」

「そうか……」


剣を突きつけていた盗賊が不敵な笑みを浮かべながら、その剣を大きく振り上げた。


「悪いが、俺たちの顔を見た以上、生かして帰すわけにはいかねぇ!」


「ひ、ひぃぃっ……!」


その刹那、盗賊は二度と喋ることはなかった。

最初に動いたセトレルの盾がその胸に深々と突き刺さったのだ。


「なんだ貴様らは!?」


ベルゲたちは無言で盗賊たちと向き合う。


「やっちまえ!」


叫ぶ盗賊の声が終わるよりも早く、仲間たちは一斉にベルゲたちに襲いかかる。

ベルゲは素早く体を動かし、大剣を縦に振る。

2人の盗賊の手首が野菜のように切り落とされ、地面に転がった。


「ぎゃああああっ!」


盗賊たちは切り落とされた自分の手首を見て絶叫し、地面をのたうち回った。


「すごい腕前だね、ベルゲ」

「褒めてもらって嬉しいよ。他の仲間たちも健闘しているようだ」


見渡せば、皆がそれぞれのやり方で盗賊たちを制圧していた。


スピルロは槍で肩と膝を突いて2人を無力化し、ユルロウンは鎌の背で膝を砕いて2人を倒した。


「可能なら殺すな。生け捕りの方が懸賞金が高い」

「もちろんさ、ベルゲ!」


メンデインとラルフェイルは行商人たちの護衛に徹し、モレスは双剣で足首だけを切って動きを封じた。

スレインは槍を回転させ、接近すら許さなかった。


「この程度かよ!」


ホレイルは斧で膝下を切断し、パンテエルはアイアンナックルで盗賊たちの顔面を叩き潰していた。


15人の盗賊は、瞬く間に制圧された。

この人たち、実はとんでもなく強いんじゃ……

逆に言えば、魔物ってどれだけ強いんだ……

でも、彼らと一緒なら安心だ。


「本当にありがとうございます、エルフの方々!」


盗賊たちを縄で縛り終えたベルゲに、行商人たちが深く頭を下げた。


「たまたま通りがかったら盗賊が見えてな。退治しただけさ」

「そ、そうでしたか! 感謝してもしきれません……!」

「君たち、行商人だと言ったね?」

「はい、そうですが……?」

「村から持ってきた果物がある。これを買ってもらえないか。盗賊を運ぶ分だけ荷物が増えて困ってたんだ」


行商人たちは喜んで果物を市場価格の2倍で買い取ってくれ、さらに護衛の依頼として報酬も上乗せされた。


その結果──


俺たちは無事にフェレオラの町へと到着し、村に持ち帰る物資を買うための資金に加えて、余裕資金まで得ることができた。

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