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Lost in space. 少年達の思い 2

 挿絵(By みてみん)

 姫専用 ピンクレモネード 

 悠那の搭乗するソフィアのジェネシスシステムが搭載されていないバージョンの人形兵器。

 外欄は海賊らしく禍々しい作りに変更され、各部のスラスターなどが大型化されているが、其れはあくまでも見た目だけで性能自体はソフィアと全く同じ。

 シールドのドクロは先陣の百合のマーク。



 強い衝撃が体を襲い僕は目を覚ました。

「此処は ?」

 ぼんやりとする脳を必死に働かせ乍周りを見やる。小綺麗な床の上にある見慣れぬ機械にベッドの足 ? 足 ? と僕はその上を見上げる。どうやら僕は体を襲った衝撃でベッドから落ちたようだ。

 そうだ…。僕は医療室で治療を受けていたんだ…。と、僕は腰をあげる。グラリト視界が歪みすぐに腰を落とした。

 頭がクラクラする…。頭を押さえながら少し頭が落ち着くのを待つ。その間に僕は嫌な夢を思い出す。先ほどまで見ていた夢だ…。

 それは昔の自分。

 中学の時の思い出だ…。

 今更…。そう、今更思い出したくもない過去。自分がこの世に必要のない人間だと烙印を押された日の夢。

 最悪だ…。どうせならもっと良い夢の方が良かった。沙也と出会った時の夢とか。沙也…。生きているのだろうか。僕は急に泣きそうになる。

 泣かないと決めたのに泣きたくて泣きてくて仕様がない。此れは夢の所為だ。嫌な夢を見たから急に辛くなったんだ。

 否、辛いのはあの日からずっとだ。辛くて辛くて悲しくて情けなくて。其れでも僕たちは生きていかなければいけなくて…。

 何が職業適性試験だ。

 バカバカしい。そんな物で僕の何が分かるって言うんだよ。僕はボソリト呟く。そしてまたゆっくりと腰を上げる。今度は視界は歪まない。僕は立ち上がると周りを見やった。

 ベッドの横にギルフィッテさんが倒れている。余程衝撃が強かったのだろう。僕はギルフィッテさんを抱きかかえるとベッドの上に下ろした。ギルフィッテさんは、お腹の子供は無事だろうか ?不安に思うが僕にできることはこれ以上何もない。だけど其れ以外になら出来る事はある。

 この衝撃はおそらく敵の攻撃によるもの…。

 だったら僕は寝ている暇などない。

 そうだ、僕は兵士だ。そして自分の身は自分で守らなければいけない。と、僕は生体認証カードを取り出しマギーナが送ってくれた艦内マップを広げた。

 思った通り艦内マップがボーンバルドル仕様のマップに変更されていた。僕はそのマップを頼りにソフィアの格納庫を調べる。

 偶然か其れとも偶々か此処からそう遠くない。僕はギルフィッテさんを後ろ手に医療室から出て行った。

 医療室を出て廊下を右に進んで行く。相変わらず気分は重い。嫌な夢が頭から離れないからだ。僕はあの時のお母さんの言葉も、お父さんの言葉も鮮明に覚えている。否、あの時の出来事自体を僕は一生忘れないだろう。

 2167年に発表された火星採掘計画。2199年に完成した人類史上初の軌道エレベーター。其れを境に人類は津波のように宇宙に上がって行った。其れから293年が経った現在。宇宙に上がった人類の成長は著しく低下し平均寿命は140歳になった。

 60歳で老人扱いされていた新人類と違い宇宙人類は60歳でも未だ若者だ。勿論見た目も十分に若いし元気だ。昔の年齢で言えば30歳前後らしい。

 そして、狭い地球から出た人類は無限の増殖を始め、今では宇宙人口1455億人にまで増えた。その中で真面な就職を勝ち取るのは至難の技。

 そのためにできた職業適性検査…。

 検査と行っても試験があるわけじゃない。DNAを検査して誰が何の職業に向いているのかを調べるのだ。そしてスポーツ団体や1流と呼ばれる企業がダイヤの原石を求めスカウトにやってくる。其れが中学の3年の時に行われる。

 ある人は弁護士に、エンジニアに、テニス選手、学校の先生に…。多くの人がその人材を求めやってくる。で、僕はと言うとそのどれにも該当しなかった。

 勿論お母さんやお父さんは大いに期待していた。そりゃそうだ。お父さんは世界最大級の証券会社日英証券の部長。お母さんは学校の教師。その二人の間から生まれた僕はサラブレッドだったはず…。だからだ。其れがどうだ見事に全てのランクが最低ランクのEかDだった。そして運命のあの日、お母さんが疎開先の僕の所に電話を掛けてきた。

「悠君どうだった ? まぁ、悠君なら間違いないと思うけど。やっぱり将来はエンジニアになるのかなぁ。」

 お母さんの言葉に僕は言葉を見つけられなかった。自分の将来に対しての不安と言うよりは、お母さんをガッカリさせたく無いと言う気持ちの方が強かった。だから僕は泣きそうだった。

「う、うん…。」

「で、何処の企業のオファーがあったの ? ん、あ、そうか其れはまだ早いよね。あーんもうごめんお母さんフライング。」

「え、う、うん。そうだね。」

「ん、どうしたの。元気無いじゃ無い。」

「べ、別に…。」

「あ、あぁぁぁ。お母さんわかっちゃった。希望してた適性がAかBだったのね。でも良いじゃない他のが全部Sなら。別にお母さんと同じ教師でも良いし。お父さんと一緒の証券マンってのも良いわよ。」

「え、いや…。そうじゃなくて。」

「そうじゃない ? あ、わかった。お母さん分かっちゃったわよ。彼女に振られたんでしょ。」「か、彼女なんていないから。」

「あらそうだった。じゃぁ、これもフライングね。あ、じゃぁ、じゃぁねぇ。あ、お母さんわかったわよ。今からコッソリエッチなことしようとしてたでしょ。」

「そ、そんなわけ無いだろ。」

「あらそうお。んぅぅぅ、ひょっとして全ての適性がEだったとかぁぁ。なんちゃってねぇ。悠君に限ってそんなこと無いか…。」

「…。」

「って、悠君。…。悠君 ?」

 生体認証カードの向こうにいるお母さんの声のトーンが変わった。体がブルブルと震える。涙がポロポロと零れ落ちてくる。

「悠君。悠君…。」

「ご、ごめん。」

「ちょ、ちょっと悠君。何言ってるのよ。ねぇ、悠君。」

「だから、ごめん。」

「ちょ、ちょっと悠君。嘘でしょ。ねぇ、嘘でしょ。」

 お母さんが必死に問い詰める。僕はそれ以上何も言えず口を噤む。そしてしばらくして母の生体認証カードが鳴った。

 恐らくメールだろう。その音に僕の心臓は張り裂けそうになる。何故なら適性の結果はお父さんとお母さんの生体認証カードにも送られるからだ。そして案の定その次の瞬間お母さんのヒステリックながなり声が僕の耳に響いた。

「ちょっと何よこれ !! 全部Dじゃない !! ねぇ、ちょっと悠君これどう言う事よ !!」

 お母さんが言った。でも、むしろ聞きたいのは僕の方だ。適性検査で全てのランクがE、Dになる事なんて殆ど無い。確かにSやAを取るのも難しいがどれか一つにB所謂平均ランクぐらいはあるものだ。だけど其れが無い。其れが無い僕は一体なんなんだろう ?

 其れからしばらくお母さんは僕をがなり立てた。僕は何も言えず只適性検査の結果を見ていた。そして言うだけ言ったお母さんは少し落ち着いたのか、お母さんは冷たい口調で最後の言葉を発した。最後に言ったお母さんの言葉を僕は今でも忘れ無い。 

「あんた、本当に私達の子供 ?」

 そう、其れはとても冷ややかでキツイ言葉だった。そして、僕の中で衝撃が走った。正直その言葉に涙が止まらなかった。悲しくて、悲しくて…。やりきれなかった。

 誰よりも辛くて悲しくて不安なのは僕なのに…。

 そう、誰よりも辛いのは僕なのに…。僕はそう言いたかった。だけど其れは言葉に出なかった。だから、僕は何も言わず電話を切った。

 その日を境にお母さんとは話してい無い。勿論お父さんとも話してい無い。そして僕は知った。この世界、評価が全てなんだと。隠された才能も、能力もそんなものはどうでも良いのだと。評価外のものは安い賃金で使い捨ての道具にされるか、奴隷にされるか兵士になるしか無いのだ。だから、評価外の人間は親にも見捨てられるのだと…。

 だから僕は自分の意思で兵士になった。勿論戦争が起こるなんて事は考えもせずに。そして、開戦。気がつけば海賊船の中で生死を彷徨っている。

 全く…。僕の人生は何なんだよ。

 やっと巡り合えた沙也とも…。

 ポロリとまた涙が零れ落ちる。

 これが現実…。

 そう、これが現実なんだ。

 評価外の人間は何やってもダメなんだ。だから評価外なんだ。分かってる。分かってるよそんな事…。

 だからって…。

 だからって…。

 悔しいよ。

 めちゃくちゃ悔しいよ。

 このまま何も出来ずに。

 何も手に入れられずに。

 沙也も助けられずに。

 僕は…。

 僕は…。

 このままじゃ死ね無いんだ。

 そして僕は立ち止まる。マップが示す場所がここだからだ。格納庫の扉を試しに動かしてみる。やはりロックがかかっていて開か無い。僕は生体認証カードに表示されているマップの格納庫の部分を指で触れる。拡大表示されロック番号が表示された。 マギーナが持っていたマップだからまさかとは思ったが上手くいった。

 ロック番号を入力すると扉が自動でスライドした。

 そして僕は格納庫の中に入る。以前来た時と全く一緒のレイアウトだ。其れはそうだ。ボーンバルドルとarchⅡ遺跡は同じだったのだから…。だから、迷うことなく僕は更衣室に向かった。更衣室に入り服を脱ぐとバトルスーツを選ぶ。否、もぅ、決まっている。シルバーメタリックのバトルスーツだ。

 そう、僕は僕だ。

 そして、いつまでも守られる側じゃダメなんだ。

「そうでしょ、日比野大尉…。きっと生きてますよね。奈菜さんも沙也も…。もう一度、もう一度…。だから、会いに行きます。僕は生きて鬼神丸に戻ります。」

 そして僕はシルバーメタルのスーツに着替えると更衣室を後にした。

「悠那…。」

 更衣室を出てすぐにマギーナが僕を呼んだ。僕は首を左に向ける。

「マギーナさん。」

「マギーナじゃないわよ。何してるのよ。」

「何って…。」

「あんた、死ぬ気 ?」

 後ろから花蓮が言った。

「え ? あ、花蓮じゃない。ついてきてたの。」

 マギーナが返す。

「当然でしょ。悠那少尉の行くところなんて此処しかないんだから。」

「悠那少尉…。何する気なの ? 君は未だ治療中よ。」

 今度はギルフィッテさんが言った。どうやら気がついたらしい。

「戦いに行くんだよ。」

「戦いにって君の脳はシステムに犯されてるのよ。今又あれに乗ったら…。」

「そうよ。廃人になるつもりならいいけど。」

「廃人になる前にこのままじゃ死人になるよ。」

「まぁ、確かにそうだけど。だったら私の兵器に乗りなさい。」

「マギーナさんの ?」

「そうよ。嫌だけど貸してあげる。」

「ちょ、ちょっと待って。マギーナのってペイタルローテーションの事 ?」

「ペイタルローテーション ? 違うわよ。ピンクレモネードの事よ。」

「だから、あれはペイタルローテーションって名前なの。まぁ、そんな事はどうでもいいけど。あれはダメよ。」

「ダメ ? 又そうやってすぐに意地悪をする。」

「じゃなくて整備中でバラバラにしてるのよ。」

「だったら組み立てればいいじゃない。」

「あんたねぇ、簡単に言わないで。どんなに急いでも5分は掛かるわよ。」

「5分 ? だったらすぐに始めなさい。ね、5分なら待てるでしょ…。て、ちょっと悠那。」

 彼女達の話は長い。真面に聞いていたら僕達は死んでしまっているだろう。だから僕は何も言わずにソフィアのもとに向かう。

「ちょ、ちょっと悠那。5分ぐらい待ちなさいよ。」

 マギーナが言った。

「5分も待ったら終わってしまうよ。其れに此れは僕の運命なんだ。」

「運命 ? 何言ってんのよ。偶々偶然よ。」

 花蓮が言う。

「違うよ。此れは運命なんだ。」

「何バカな事言ってんの。偶々偶然拾われて、偶々偶然戦闘に巻き込まれて、仕方なくコングコックパンドーラを貸しただけよ。良い。運命ってのはね…。」

「花蓮さん。」

 僕は少し大きめの声で言った。

「な、なに…。」

「僕のお父さんは日英証券の部長です。お母さんは私立白虫食い草学園の教師をしています。本当なら僕の人生は悠々自適だった。だけど何故か僕の適正評価は全てEとDで。其れで仕方なく兵士の道を選んだけど、戦争なんて考えてもいなかったんです。兵士になる理由なんて考えてもみなかった。だけど戦争になって、此処でみんなと出会って。なんとなく分かった気がするんです。」

「何よ、何が分かったって言うのよ。」

「これが僕の進むべき運命なんだって。僕はきっとこの戦争で英雄になるべき人間なんだって。…ね。」

「な、何、あんた何真顔でバカな事言ってんのよ。」

「まぁ、其れは冗談だけど。自分の運命に逆らってみたいんですよ。だって、このままじゃぁ死ねませんよ。僕にだって意地があるんだ。」

 強い眼差しで言えたかどうかはわからないが、僕は僕の思っている事を言った。

「偉いよ悠那。よく言った。許可するよ。」

 そしてそれにマギーナが答えた。

「ちょ、ちょっとマギーナ。」

 ギルフィッテが言う。

「そうよ。何バカな事言ってんのよ。」

「責任は私が取る。悠那の命も私が守る。其れで良いでしょ。」

「良いでしょって、あなたには司令官見習いが…。」

「いぃぃぃぃぃぃぃやぁだ。あれはむぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅりぃぃぃでぇすぅ。」

 大きな声でマギーナが叫ぶ。

「もぅ、知らないんだから。」

「それじゃ、組み立てよろしく。」

 ペロリとマギーナが下を出す。そして、”悠那すぐに準備しなさい。ボーンバルドルは風前の灯よ”と言った。

 風前の灯火ね…。その割には随分と楽しげだったけど。と、思いながら僕はソフィアの頭部に向かう。一度乗っているから勝手は分かる。だから何とも言えない驚きも少ないだろうが楽しんでいる暇はなさそうだ。何と言ってもボーンバルドルは風前の灯なんだから。 

 ヘルメットを被りシステムを起動させる。一瞬格納庫がグニャッと歪み僕はソフィアになる。

「悠那少尉…。気分はどう ?」

 前回と違い今回のオペレーターはギルフィッテさんだった。

「良好です。」

「良い。君は未だ治療中だって事忘れないでよ。」

「分かってます。」

「絶対に無理はしないようにね。」

「分かってます。戻ったら又治療の続きお願いします。」

「うん。分かった…。それじゃぁ、ハッチ開けるよ。」

「お願いします !!」

 そして、10枚のハッチが一気に開く、同時にソフィアが力一杯其れを抜けていく。一気に跳ね上がるスピードはゆうに300kmを超える。その中で装備の確認をするが無駄な操作は一切必要としない。思えば全てが表示され、思うように動かせる。

 目前に表示される装備一式。前回と何も変わらない。

 キャノンライフル 2

 アトミックソード 4

 ギガントシールド 2

 キングスパイラル 2

 装備場所は前回と同じでいいのだろうか ? 否、考えている暇はない。僕は背中のアームにシールドを握らせ両腕のアームにライフルを持たせた。そして両手にアトミックソードを握りしめる。

「悠那少尉…。」

 第一艦橋のオペレーターから通信が入る。

「君は…。えーと。」

「ヴィヴィアーネです。」

「ヴィヴィアーネか…。ごめん。」

「良いですよ。各戦況の情報を送ります。」

「ありがとう。助かるよ。」

「いえ。あ、できればハエを落としてから前線に向かってもらえれば嬉しいです。」

「了解した。」

 そして、ヴィヴィアーネから送られてくる情報が瞬時に僕の脳に飛び込んでくる。前線のオビー大尉の状況そしてボーンバルドルの状況だ。

 成る程…。マジで風前の灯のようだ。

 否、それよりも見慣れぬフェネックが1機…。アメイジング機か ? と思うがすぐに違うと気づく。なぜならそれは一度見た気がするからだ。そう、最初の戦場で見た…。そうだ、あれは総部隊長機だ。

 なぁんだ。だったらあれをやれば後は総崩れじゃないか。

 と、俺は滑走路から一気に宇宙に飛び出た。

 その情報は瞬時にムラームの宇宙にも表示される。

「何だ ? 何かくるのか。」

 と、ムラームはその表示方向を見やる。漆黒の宇宙の中に無駄にはっきりと映る金色の光。

「真逆…。今更かよ。だが、これで貴様を打てる !!」

 ムラームは追撃してくるレーザー機銃、レールガンを避けながら悠那のもとに向かう。

「きさまぁ !! 部下の仇。打たせてもらう。」

「はん。総部隊長自らお出迎えかよ。さっさと死にさらせボケがぁ。」

 そう言ってお互いの剣が混じり合う。強烈なプラズマの光。強烈な振動。されどその振動はソフィアにはない。耐衝撃バトルスーツのおかげだ。向かうムラームはノーマルバトルスーツ。ムラームは歯を食いしばりながらその衝撃に耐える。

 そうだ、ムラームは負けるわけにいかない。

 勝ってリミリッタに…。

 そうリミリッタに告白するのだ。

 家柄という垣根を越え。

 学に嫉妬する事のない様に…。

 そうだ、ムラームが学を嫌っていた理由は学に対しする嫉妬もあった。常にリミリッタと過ごし姉の様に慕い。

 奴隷のくせに…。

 奴隷のくせに生意気なんだ…。

 そう思い続け気がつけばセコい男になっていた。

「でもよ俺が、俺が先に好きになったんだ…。」

「はん ? 何言ってんだお前。良いからさっさと死ね。」

 そう言ってソフィアがスパイラルで腹を蹴りつける。強烈な衝撃と共にムラームのフェネックが後方に飛ばされる。其れをソフィアが追いかけアトミックソードを振り下ろす。ムラームはすんでの所で避けるが左肩からバッサリと腕を切り落とされた。その衝撃で今度は右横に飛ばされる。其れをすかさずソフィが左腕に持つアトミックソードでフェネックの頭部を破壊した。頭部を破壊されたフェネックはクルクルと回転しながら宇宙の彼方に飛ばされて行く。

「真逆…。総部隊長。」

 其れを目撃した部下が言った。

「冗談だろ…。隊長があんなにあっさりやられるなんて。」

「隊長 !! 返事をして下さい。隊長 !!」

「はん、お前ら…。何仲良しごっこしてんだ ? 頭部を破壊したんだ、生きてるわけないだろ。で、総部隊長は戦死したぜ。お前らはどうするんだ ?」

 ニヤリと笑みを浮かべ残る雑魚を見やる。

「貴様ぁぁ !! 殺してやる !!」

 そう言って部下たちが一斉に襲いかかって来る。

「上等だよ。そうこなくちゃぁな。」

 そう言ってソフィアも向かってくる敵に突っ込んでいく。が、そこにファイターが追撃を掛けてくる。そして其れを防ぐ様にボーンバルドルから支援射撃が飛んでくる。ファイターは追撃を止め回避行動を取る。

 その隙にソフィアが圧倒的な強さで3機のフェネックを破壊した。

「ふん。余裕だな…。」

 そして残るファイター12機。

「潰した方がいいか ?」

 オペレーターに問うた。

「はい。お願いします。」

 ヴィヴィアーネが言った。そして、ソフィアは面倒臭そうに残りのファイターを破壊した。

「艦長…。」

 バニングが言った。

「どうした ?」

「悠那少尉口調が変じゃなかったですか。」

「あぁぁ、そう長くは持たんだろうな。」

「ですよね。」

「後は姫様と佐々木女子に任せるしかあるまい。」

 そう言ってギュネルは格納庫に通信を入れた。

「はい。花蓮です。」

「佐々木女子…。ピンクカーディガンの状態は ?」

「ピンクカーディガン ? 何ですかそれ ?」

「姫様の兵器ですよ。」

「あぁぁ、ペイタルローテーションの事ですか。後、1、2分で終わります。」

「あ、あの、悠那少尉に何かあったんですか ?」

 ギルフィッテが割って入ってきた。

「いや、少し言動が荒々しくなっていたのでね。」

「それはこちらで確認しています。」

「それなら結構。」

「心配しないでギュネルは艦長を全うしなさい。」

 マギーナが言った。

「姫様…。」

「これは全て私の我儘だから。私が責任を取ります。」

「いえ、そう言う訳には…。」

「心配いらないわよ。私だって処女のままは死ねないわ。」

 そう言ってマギーナはヘルメットを被った。

「マギーナ聞こえる。」

 ヘルメットを被って直ぐに花蓮から通信が入る。

「聞こえるわ…。」

「コクピットで待機。システム復旧後すぐに発進OKよ。」

「了解…。」

 そう言ってニタリ。マギーナが笑みを浮かべる。

 ウフ…。やっと乗れるわね。ほんと、久しぶりの戦闘ね。わくわくするぅぅぅぅぅ。と、ブツブツ言い乍マギーナはコクピットに乗り込んだ。


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