包帯
今日も鉄のぶつかる音が緑溢れる屋敷から聞こえてくる――。
あの連れ去られてしまった事件もあってのことだろう。
温花お嬢様は自分自身で力をつけたいと力が入ること親しい人たちは分かっていた。
2人はいつも楽しそうで、真剣。
お嬢様お気に入りの客家でいつも剣術の動きについて話し合いを辞めない。
汗を拭き、崩れるように座り込む温花お嬢様に釘を指してくれるのは红京様。
红京「あなたはお妃様だと言うこと忘れないでください。怪我でもされたら……困りますよ」
温花「剣技と言っても、楊兎将軍のようなことはできないし!」
女性の剣技は美しく舞うことが主で、男性は本当の闘いを想定した動きをする。
だから大丈夫だと温花お嬢様は笑っている。
红京「でもその刀は本物なんでしょう?おもちゃではありませんよ?」
温花「知ってる……、だから楊兎将軍の凄さが今痛感してるところではあるよ。魅せながら戦える人って存在するのかな〜……(笑)」
楊兎「魅せながら戦える人もいたけどなぁ……俺は力で押すしかないからなあ」
红京「それは闘い方が違うのですよ。楊兎将軍の剣技も群を抜いていますから、楊兎将軍の正解だと思います」
温花「楊兎将軍が魅せながら闘えると思っている人がいるって……すごいね!」
楊兎「会いて〜な〜」
楊兎将軍は魅せながら戦うことができる人物に会ったことがあるのか――。
珍しく楊兎将軍が悲しそうな表情を見せた。
温花様はその様子を見て話題を変えた。
温花「痛い、刀が重たい〜」
红京「しなくてもいいんですよ」
红京様は温花お嬢様が剣技の練習で怪我をしてしまったところの手当てをしている。
弱音を吐く温花お嬢様に红京は冷静だ。
温花「――红京は剣を握ったことはないの」
红京「俺は医者ですよ……?」
温花「うん、知ってる。红京は奪わなくていい――」
红京様は手当している、手を止めた――。
红京「それは温花もです」
ぎゅっと包帯を締めたのか、温花お嬢様は固すぎると文句を言う。
あのお嬢様の言葉に込められた思いがまるで「红京の代わりに奪う方へ回ってもいい」覚悟の声にも聞こえた――。




