変態
◇今作含めた残り2話でジロニア編終了となります。
◇第1話からお読みいただくと、物語に隠された「事実」を順を追って楽しんでいただける構成になっています。お時間のある時にぜひ遡ってみてください。
◇いつも見てくださる方、最新話から楽しんでくださる方も、本当にありがとうございます!
◇執筆・なろう共に初心者ですが、一話一話大切に書いております。温かい目で見守っていただけると嬉しいです。
宿に戻ると温花は一人寝台の上で横になっていた。温花も疲れ切っているのだろう。
瑠璃はどこだ――?
温花「え?!红京?」
红京「瑠璃はどこですか?」
温花「しばらく帰ってこないと思ってたのに……瑠璃は桃と金が連れて行っちゃった……」
红京「あのお二人元気ですね」
温花「妹ができたって喜んで(笑)――」
温花は持っている袋を見て固まる。中身はどんなものかわかっていないはず――。
红京「これですか、衣を買ったんです」
温花「――それ……」
温花に袋の中身を見せるわけにはいかない。なぜか温花はまた黙り込んだ。
温花「そ、それ!红京が買ってきてくれたの?!!あのキャラバンの衣!この袋そうだよね?!」
红京「ぇ……あ、はい」
袋を見ただけでどこで買ったのか分かるのか……。どこにでもあるこの袋だと思っていたけど。それに温花は喜んでいる――。
温花「みせて!みせて!何色にしたの?」
红京「色は――」
温花「ターコイズカラーだ!红京センスいいねっ!」
红京「あ、ありがとうございます……」
袋の中から衣……踊り子衣装を出すと温花はまた固まった。
红京「どうしたんですか?」
温花「――これってまさか――红京のじゃなくて……じょ、女性用……?」
红京「俺が踊り子衣装を着ると思ってたんですか……」
温花「うん……そう……红京の見れると思ってた……」
红京「変態ですね」
温花「女ものの買ってる红京のほうが変態じゃん――(笑)」
红京は頭のてっぺんから足の先まで真っ赤にして立ち尽くすしか出来なかった――。
温花はお腹を抱え笑い転げる。
红京「――っ……!だ……だって、温花が全然相手してくれないじゃないですか!瑠璃ばかり……で!」
温花は目をキョロっとさせ「だって」と言う红京の姿に、嬉しくて红京の体へ静かに寄る。
温花「红京……わがまま言えるようになったね……」
红京「――は、離れてください……!」
温花「構って欲しいのか構ってほしくないのかどっ――」
红京「かまいたいんです――」
どっち――?
その返事はかまいたい。
それは红京の静かで強い思い。
红京は笑っている温花の体を押し倒し、整わない息でなんとか酸素を取り込む。
温花は全身が一瞬で熱くなる――。
冷静なはずの红京の中が自分に対してここまで男になると、思っていなかった。
今までずっとただ優しい红京だったから――。
红京「――離れてください」
温花「ど……ど……どうやって……」
红京の大きな手は温花の腕を掴んで押さえ込んで、体は覆い被さって逃げ場などどこにもない――。
红京は眉間に皺を寄せ、奥歯を噛み締めこれ以上距離を縮めないように耐えている。
目の前で荒れた红京の息だけが抜けていく――。
温花「――ごめん……红京ってあんまり欲求みたいなのない人だと思ってた……んだけど……」
红京「……謝るのは俺のほうです……制御するべきなんです……わかっているんです――そんな笑顔向けられてしまったら――好きでたまらなくなるんです――もう勘弁してください――」
红京はこんな自分は情けないと頭を落とす――。
温花「――あたしはずっと红京のこと大好きだったんだと思う……」
红京「それも――知っています――わ、わかってしまったんです――。すいません、こんな状況だと俺がしたいために弁解しているようで――」
温花は红京の垂れ下がってしまった頭、頬に手を添える。
温花「そうだね……(笑)言葉で伝える暇もなくここまできちゃったよね、ごめん。红京大好きだよ」
言葉もいらないくらい、ここまで来てしまった。
红京「――温花、俺も――あぁあっ!だめです!だめです!このままだと温花をどうしてしまうか……わかりません!大好きです!離れてください!」
温花「やだ!(笑)」
红京「温花っ!」
温花「红京っ!(笑)」
红京は必死に甘くなりすぎた空気から離れようとするが、温花はその必死な姿に嬉しく、面白くなり红京から離れないように笑い声を響かせながら揶揄い続ける――(笑)
【 大切なお知らせ 】
『終わりと始まりの花』を訪れていただき、ありがとうございます✿
本作はジロニア編の終了をもって一度「完結」の形を取らせていただきます。それに伴い、5月中は新章に向けた加筆修正や改稿作業に集中させてもらいます。
✿合わせて読者の皆様にお願いです✿
「これまでの物語をどう感じたか」という皆様の評価や感想等をしていただけると嬉しいです。今後の改稿作業、新章において参考にさせていただきたいと思います。
今後のスケジュールについては活動報告または次の物語でお伝えさせていただきます。
ブックマークしてお待ちいただけると嬉しいです。
皆様の声とともに、最高の形で次のステージへ渡りたいと思っています。
よろしくお願いいたします✿はな




