揶揄い交渉
◇第1話からお読みいただくと、物語に隠された「事実」を順を追って楽しんでいただける構成になっています。お時間のある時にぜひ遡ってみてください。
◇いつも見てくださる方、最新話から楽しんでくださる方も、本当にありがとうございます!
◇執筆・なろう共に初心者ですが、一話一話大切に書いております。温かい目で見守っていただけると嬉しいです。
红京と温花は部屋に笑い声を響かせながら横に並び寝そべる――。
红京「――それで着てくれるんですか?」
温花「红京がキスしてくれたらね〜っ!」
红京「それで、いいんですか?」
今まで戯れあっていたはず――。
红京の瞼は少し閉じ、真っ直ぐにこちらを見ている――。
これは大まじめな顔だ。
温花「ぁ……」
红京「今度は俺が揶揄う番ですね」
红京は温花の腰を抱き寄せ、首元にキスを落とす――。
红京「――温花」
耳元で呟くと、红京にしがみつく。
自分だけにこの顔と姿をしてくれる。この幸せを噛み締めていたい――。
――春風の出発――。
皇帝陛下華辉は大きな階段を降りる。
広間の者は慌てて頭を下げ、膝をつく。
桜妃白蕾はその皇帝陛下華辉を静かに見上げる――。
華辉「――白蕾の意は皇帝華辉の意だ」
春風が通り抜けていく宮中の広間で皇帝華辉は桜妃白蕾の額にあまりに美しく唇を添えた――。
桜妃白蕾に逆らうことを許さないと、皇帝陛下からの無言の令である――。
そして最大限の愛と祈りが込められる――。
一国の王から寵愛を得ていた目の前のひと――。
宮中の大階段を春の風に乗ってきた「花」として、桜色の衣と幸せの色ターコイズで人々を温め、桜妃監軍としての命をこなしてしまったひと――。
この人に美しい唇が重なった瞬間をただの医者として、白飛営の一人の兵として見るしか出来なかった男――。
今、甘い声で名前を呼んでも、届かなかったあの時間が俺を締め付ける。目を焼きつけ、脳を痺れさせる。
温花「――红京どうしたの?」
红京「すいません……キスをしてください」
温花「えっ――?!」
红京「やっぱりだめです」
温花がしてくれるキスは俺で覚えたんじゃない――。誰かの上書きで――。
だけど温花が俺を見ていてくれて、俺だけを思ってくれているのか不安になる。
俺はキスの仕方ひとつ知らない――。
情けない男だ。
目の前にある愛しい人だけを見ればいいだけの話。溢れる感情に追いつけない。
俺が温花の人生のひとつになることに、恐れているのか――。
温花は俺の情けない感情を感じ取ったのか、恥ずかしくなったのか、動きを止めた。
俺の心の準備ができるまで、温花が心の奥まで俺を許してくれるまで――。
温花「红京(红京)また難しいこと考えてる?(笑)」
红京「温花のせいですよ――(笑)」
この重くなりすぎてしまったこの感情までこの人は温めてほぐしてくれる。
これまでの温花があったから今の温花が横に居てくれているのも頭では分かっているつもり――。
俺の情緒の変化はこどもより酷いかもしれない――(笑)
红京「――ふっ(笑)」
温花「また今度は笑うの?(笑)」
红京「色々考えること結構疲れます」
红京は頭の中の溢れかえった感情を温花の唇に乗せる――。
自分の中にあるオスが溢れ出すのは痛痒い、それでも――。
红京「――温花はこれからどうしたいですか?」
温花「ど、どうって――?!」
红京「あ、いやらしいほう考えていますか?(笑)――それも大事です。これからはこれからです。貴方は一人で、花街で剣握って舞っていたり、皇帝の横に立っていたり――これからは俺が横に居ます。なので一緒に考えませんか?」
温花「红京っ!――そのことなんだけど、あたしもそのこと考えてて――次に行く場所は二ホンかなって――!(笑)」
红京は温花の返事を待たずに手を腰紐で細く縛られた温花の腹にスルスルと添える――。それだけで目を回している温花は医者だけでなく白飛営の男、一人の女の男になった太い腕を掴んでそれ以上動かされないよう力を籠める。
红京「そうですね。今度は一緒に行きましょう――二ホンへ」
【 大切なお知らせ 】
本作はジロニア編「揶揄い交渉」をもって、一度「完結」とさせていただきます。
これまで『終わりと始まりの花』を読んでいただきありがとうございます✿
予告通り、5月中は新章に向けた加筆修正や改稿作業させていだきます。(あくまで予定です。進捗状況、新章再開時期については活動報告または新しい物語にてお知らせします)
✿読者の皆様にお願いがあります✿
「これまでの物語をどう感じたか」という皆様の評価や感想が、今後の改稿作業、新章において参考にさせていただきたいと思います。
または好きな人物の名前を教えていただけると嬉しいです!
本作、登場人物たちのこれからを続けて見守ってくださる方はブックマークをしてお待ちいただけると嬉しく思います。
皆様の声とともに、最高の形で次のステージへ渡りたいと思っています。
よろしくお願いいたします✿はな




