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この異世界もう地球化してるんですけど……ぐあっ!右手がぁっ……!  作者: 濃縮原液
第1章 特定外来生物ウホゴリラ(地球名:ニホンザル)
15/42

15 多夫多妻制

 リビングへと戻ると瑛さんがソファーの上で寝ていた。

 仰向けで。

 うーん、この人のリラックスぶりもはんぱないな。


「師匠はだらけすぎにゃ! 家事もできないし、師匠はホントにアロがいないと生活できない駄目人間なのにゃ!」


 瑛さん駄目人間だったのか。

 確かに仕事はできそうだけど家事とかは駄目そうだなこの人。

 僕的にはアロが家事をできるようなことを言っているのが驚きだが。


「師匠と旅する時は全部の家事をアロがやるからにゃ! さすがに上手くなったのにゃ!」


 アロちゃんも意外と苦労していたようだ。

 うん、アロちゃんが雇われているのは多分護衛のためじゃない。

 家事担当だろう。


 生温かい目で瑛さんを眺めていると、愚礼斗君がやってきて瑛さんの体の上に乗っていた。

 やっぱり猫も可愛いなと思って見ていると、愚礼斗君が前足をふみふみし始めた。

 瑛さんの胸の上で。


『うらやまけしからん!』


 本当にけしからんです。

 愚礼斗君もやっぱり男の子だったんだなぁ……。


『くっ……。こうなったら印世! 主も瑛の上にまたがってあの胸を手ならぬ前足でふみふみするのじゃ! グレイト! グレイト! と叫びつつ! 瑛なら分かってくれるはずじゃ!』


 絶対やりません。


 トキナさんがまたアホなことを言い始めたところで瑛さんが起きた。

 愚礼斗君も下りたので僕がグレイト! することももうない。


「お風呂は終わったみたいだね」


「すっごい気持ち良かったにゃ! あと印世が硬くなってたにゃ!」


 やめなさい。


「そっか、2人とも気持ち良かったなら良かったよ」


 瑛さんがスルーしてくれて良かった。

 瑛さんのスルースキルは高そうだ。

 アロちゃんと一緒に旅をしているようだから慣れているのかも知れないが。


「師匠も一緒に入れば良かったのに」


「あー、いいよいいよ。アロん家の湯船にさすがに3人は入れないだろうし」


 その言い方だと広ければ瑛さんも一緒に入ってくれたのだろうか?

 ハァハァします!


「さてと、じゃあお風呂も終わったし、後はどうしよっか?」


 その後は特にすることもなかったので3人でごろごろしていた。

 瑛さんが僕に聞きたいことはないかと言っていたけど大したことは聞いていない。

 へたに質問するとまたボロが出そうだったからだ。


 明日になれば異人会で歴史の講義を受けられる。

 瑛さんに何か聞くとしてもそれは色々な講座を受けた後でいい。

 僕から質問するのはリスクを伴う行為だ。


 僕から質問せずとも瑛さんは色々と話をしてくれた。


「さっきかかってた電話はウッホ村からだな。私は今日はこっちに来てるけど明日にはまたウッホ村に戻る。といっても午後からだけどね。良かったら印世君も一緒に来るかい?」


 異人会で講座があるのは基本的に午前中だけらしい。

 だから午後なら僕も時間がある。


 異人会に連れられた人は午後は他の地球人と交流したりするそうだけど、僕としては瑛さん達に着いて行きたい。


「ウッホ村ではアロにも働いてもらってるしね。ちょっと魔物が出て問題になってるけどアロ1人で対処できるレベルだ。傭兵の仕事ぶりを見るには丁度いいと思うよ」


 ウッホ村ではアロちゃんが傭兵的な仕事をしているようだ。

 やはり僕も着いて行くべきだろう。

 アロちゃんが本当に傭兵なのか確かめなくてはならない。


 明日の予定も決まり、後はたわいないおしゃべりなどをして過ごした。


 スマホの充電も終わったので番号交換もする。

 アロの携帯はこの世界で作られた物だが番号を登録する機能はちゃんとあった。

 そのために白黒だが液晶画面もついている。



 その後はアロの家族も帰って来て合計8人で夕御飯を御馳走になった。

 ちなみにその内訳は……。


 僕、瑛さん、アロで3人。

 アロの姉2人、アロの母親1人、……そしてアロの父親が2人だ。


 父親が2人いた。


 父親1号が茶トラ猫人、父親2号は青色の髪をした平人だった。

 母親は白猫人。


 で、長女が白猫人、次女が小さめの青い猫耳と尻尾を持った猫人と平人のハーフ、三女のアロが茶トラ猫人だ。


 猫の兄弟で毛色が違うのは見たことあるけど、まさにそんな感じ。

 兄弟で人種が全然違うとか。ザ・異世界!


『やはりこの世界は今でも多夫多妻制だったようじゃの』


 そういえばトキナさんは4人の美少女と5人でにゃんにゃんしていたと言う。

 多分家族の在り方そのものが根本的に日本と違う。


「アロ……3人目のお父さん欲しい?」


 夕食中にアロのお母さんが恐ろしいことを言い出した。


「だ、駄目にゃよ! パパは2人で充分なのにゃ! 印世はあげないにゃ!」


 アロのお母さんすごすぎです!

 旦那2人でも足りないとか。


「だって……パパ達2人で楽しんじゃってママが放置されちゃう日があるのだもの」


「何を言っているんだい。最初に見たいと言ったのは君の方じゃないか」


「印世君が増えるのは歓迎だがな。……俺はノンケも食っちまう男だぜ?」


 食われる。

 アロの姉ちゃん達とかお母さんとかでなく2人のパパに食べられる。


 みんないい人だし僕を歓迎してくれたけど、アロちゃんの家にはできるだけお世話にならないようにしようと思いました。




 その後はまた少し話をして、僕はアロの部屋で眠らせてもらった。

 他の部屋だと僕の貞操が危ないという理由で。

 なんだけど……アロちゃんの貞操が危ないとは誰も思わなかったのだろうか。


 結論から言うと、とうとう僕は理性が獣に負けて動物さんになってしまいました。


 アロちゃんはベッドの中で抱きついてきてとっても暖かかったしトキナさんが荒ぶらないわけがなかったし、僕だって可愛いアロちゃんとにゃんにゃんしたかったんだもん!


 とどめはアロちゃんの一言だった。


「避妊魔法は小学校の授業で習ったからアロはいつでもオッケーにゃんっ」



 僕はアロちゃんとにゃんにゃんしてしまいました。

 猫人ちゃんとにゃんにゃんにゃんっ!



『全てが最高であったのじゃ』


 僕はトキナさんに操を立てたつもりで密林を出たけど、その誓いは一夜も越すことなく破られました。

 僕の理性など、所詮吹けば飛ぶような軽いものだった。


 いや、アロちゃんもトキナさんもやる気まんまんなのに僕が理性を保ってもどうしようもなかったことだろう。


『まったくじゃ、アロのアタックをことごとくスルーしおって、あのまま何もしなければそれこそアロに失礼じゃろう』


 考えてみれば、僕は初めからアロにロックオンされていたのかも知れない。

 それに気付かなかった時点で僕の敗北は決定していたのだ。


『ふふ。これで主も少しはこの世界に馴染んできたというものじゃの』


 うん、アロのパパ達を見てもやっぱりこの世界自体がおかしいよ!

 最初はトキナさんがおかしいと思ったけどおかしいのは世界そのものだった。


『この世界から見れば主の方がおかしいということになるがのぉ』


 そういうことだ。

 瑛さんは僕のことをスルー力高く生温かい目で見ていたけど、こんな世界に4年も住んでれいばそりゃスルー力もあがるはずだ。


 そして僕もこの世界に少し染まってしまいました。


『地球に帰る手段も分からぬのじゃから、この世界に染まりきった方が楽じゃぞぉ』


 本当に染まってしまうかも知れません。

 僕が操を立てた人がこれだもん。

 操を立てたことそのものが間違いだったかも知れません。


『過ちは誰にでもある。これから生まれ変わって今夜のように励めばよい』


 うん、もう僕は駄目かも知れない。

 僕は色々と疲れたのでもう寝ることにした。

 今も抱きついているアロちゃんをぎゅっと抱きしめて眠ります。


『最高の抱き心地である』


 そうして僕は深い眠りに落ちた。




◆ ◆ ◆ ◆ ◆




 眠りが深かったためか、翌朝の目覚めは良かった。

 起きるとアロちゃんはまだ僕に抱きついていた。

 猫というかもうコアラみたいだ。


 僕はコアラなアロちゃんを抱っこしたまま部屋を出る。

 少し寝ぼけていたので洗面所で顔を洗っていたら白い方のお姉さんがやってきた。

 アロちゃんを抱っこしたままだったので色々やばいと思ったけどお姉さんのスルースキルも高かった。


「ゆうべはお楽しみでしたね」


 お約束の言葉を僕にプレゼントして通り過ぎていきました。


 顔を洗い終わった頃にアロは目を覚ました。


「おはようアロちゃん」


「うん……印世おはようにゃんっ」


 アロちゃんが昨日よりもちょっと女の子っぽく見えました。

 アロも目を覚ましたので朝食を食べに1階へと降りる。

 アロの家は部屋がけっこう多く、僕とアロ、瑛さんに2人のお姉さん達は2階、アロちゃんのママと2人のパパ達は1階で寝ていた。


 部屋はそんなに防音が効いているわけではないので、2階の人達は全員僕がアロとにゃんにゃんしちゃったことを気付いているかも知れない。


 で、階段の所で瑛さんにも会いました。


「2人ともなんかテカテカしてるな」


 瑛さんも昨夜のことは知っているだろう。

 元々瑛さんの情報属性、サーチ能力はすごいらしいし。


「昨日、『アロはエッチな女の子なんかじゃないのにゃ』とか言ってたのは何だったんだろうね……」


「夜の間に印世にエッチな女の子にされちゃったのにゃ!」


 アロちゃんには隠す気が初めからないようだし。


 次に会った青い方のお姉ちゃんには抱っこについてつっこまれました。


「全く……朝から何やってんの」


「だいしゅきホールドにゃっ!」


 今やっているアロのポーズの名前らしい。




「もう印世はアロのだからパパ達もママもお姉ちゃん達も手を出したら駄目にゃよ!」


 結局朝ごはんを御馳走になるまでアロはだいしゅきホールドを僕に仕掛けたままだった。

 まあご両親も優しく流してくれたし、これで2人のパパ達に食べられる危険性も少しは減っただろう。


 結果的にはこれで良かったのかも知れない。


「師匠は特別に印世に手を出してもいいのにゃ」


 こらこら。


 瑛さんが微妙な笑顔でこっちを見ていた。


『これは瑛とにゃんにゃんする日も近そうじゃの』


 本当に……アロもトキナさんも瑛さんを何だと思っているのか。



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