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この異世界もう地球化してるんですけど……ぐあっ!右手がぁっ……!  作者: 濃縮原液
第1章 特定外来生物ウホゴリラ(地球名:ニホンザル)
14/42

14 アロちゃんとお風呂

「ち、違うのにゃっ! これには深いわけがあるのにゃ! アロはエッチな女の子なんかじゃないのにゃぁー!」


 なぜか僕ではなくアロちゃんが必死に弁明している。

 お尻触っているのは僕なのに。

 いや、アロちゃんも自らお尻を向けているのだから状況的にはまずいのか。


 アロちゃんにこんな迷惑までかけてしまうとはっ……。

 なんとかしなくては!


「違うんです瑛さん! アロちゃんは何も悪くありません! 僕がどうしても我慢できなくてお尻触らせてくれるようアロちゃんにお願いしたんです!」


 僕は瑛さんの方を向き必死に弁明をする。

 アロちゃんの名誉を守らなくてはならない。

 この際僕の名誉は仕方がない。

 というかもうどうしようもない。


 この怒りと言うか悲しみというかよく分からない感情は、遺跡に戻った際に全て性欲に変えてトキナさんにぶつけたいと思います。


『むしろご褒美じゃ!』


 うん、僕は結局トキナに嫌なことをするつもりはないですしね。

 ただし性的な意味で僕が大変なことになるのは覚悟しておいてほしいです。


『うむ、楽しみにしておこう。しかしお主、妾に対してだけは本当にエロエロじゃの。このムッツリめ』


 否定はしません。

 僕がトキナさんに対してエロエロなのは、色々な意味で相手がトキナさんだからというのもあるけれど、トキナさんへの言葉が全部念話で本心だだ漏れだからという面もある。

 実際言葉にしてここまでトキナさんに対してエロエロできるかは正直自信がない。


 ムッツリと言われてしまうのは仕方がないかも知れない。

 ただ、瑛さんやアロは僕をムッツリとは思わないだろう。

 だってエッチな言葉を口にするどころか行動起こしちゃってますもんね!


 ムッツリじゃなくてド変態です!


「うん……。印世君が本当にアロのお尻を触りたかったというのは分かった。分かったからそろそろその右手をどけようか」


 瑛さんに言われて気付いたけど、僕は瑛さんの方を向いたまま、右手はまだエロティックにアロちゃんのお尻をまさぐっていた。


『この手は死んでも離さん!』


 僕は左手でなんとか右手を引き剥がしました。



 その後は特に瑛さんの追撃が来ることもなく話は終わりました。

 ただし瑛さんの僕に対する評価が変態エロ少年になったのは確実だろう。

 もう瑛さんに抱きしめてもらえることはないかも知れない。


『自業自得じゃの』


 あんたのせいだよっ!


 トキナさんはもうどうしようもないので、この悶々とした気持ちは全部性欲に変えて後日トキナさんにお返しします。


 で、瑛さんも戻ってきたので買い物で買った荷物を3人で見ていました。

 服についている商品タグとか包装も取らないといけないしね。


 ちなみにスマホも充電させてもらっています。

 この世界の電気料金がどうなっているかは知らないけど、アロちゃんがいいと言うのでお言葉に甘えます。


 アロちゃんは本当に優しいな。

 嬉しくてつい頭をなでなでしてしまいました。


 瑛さんの目が生温かかったけど冷たい目じゃないので良かったです。

 今撫でたのはお尻じゃないので大丈夫なはずだし。


「師匠がうらやましそうな目でこっちを見ているにゃ」


 やめなさい。

 アロちゃんは可愛いけど礼儀とかは知らなさそうです。

 この世界には日本的な礼儀そのものが存在しないのかも知れないけど。


「服もけっこういいのが揃えられたね。せっかくだから着替えたらどうだ? 一度風呂にも入った方がいいだろうし」


 瑛さんに言われて気がついた。

 確かに風呂には入った方がいい。


 遺跡でも風呂には入っていたけど、さすがに石鹸やシャンプーは無理だった。

 服も魔法で綺麗にしているけどやはり劣化は否めない気もする。


 いや、トキナさんの魔法がすごいのか服の方は大丈夫そうだけど、でもお風呂で石鹸とか使えなかったのは事実だし風呂には入るべきだろう。

 せっかく服も選んでもらったのでそれも着るべきだろうしね。


「石鹸もシャンプーもあるから好きに使っていいのにゃ!」


 アロちゃんの許しも出たし、お言葉に甘えてお風呂を使わせてもらいたいと思います。


 服はどうしよう。

 服はトキナさんも含めると3人に選んでもらった。

 瑛さんが選んだのは普通な感じか、少し地味めで無難な感じだ。


 アロちゃんが選んだのは……痛い。痛い服だ。

 アロちゃんは中二病を発症している疑いがある。


 で、トキナさんのは……。

 買う時にはよく見てなかったけどこれ女物じゃないのかな?


『大丈夫じゃ! 主なら着れる!』


 トキナさんが選んだ服を瑛さんとアロに見せた時、僕は2人が感心していると思っていた。

 トキナさんはやっぱりセンスもいいのかなと。

 だがそれは大きな誤りだったようだ。


 トキナさんが選んだ服は、第三者から見れば僕自身が選んだということになる。

 つまり、僕は自ら女物の服を選んだと。

 完全に変態である。


 猫人のお尻を触りまくる女装癖の変態がここに誕生した。


 瑛さんとアロは今も何かを期待した目でこちらを見ている。

 女装はしませんよ?


 僕は一番まともな瑛さんの選んでくれた服を持って風呂場へと向かった。


「……今日はもう出かけないからな。印世君の女装は明日までおあずけか」


 瑛さんが何か不吉なことを言っていた気がする。


 聞かなかったことにして風呂場の中へと入ります。

 風呂の外は大理石とかが目について高級感ありすぎだったけど、風呂場の中は普通にタイル張りで日本と変わらない感じだ。

 ただちゃんとシャワーもついていて日本と変わらないというのもある意味すごい気もする。

 服を脱いでシャワーを浴びます。


『おお、上から水が降ってくるの。しかもお湯じゃ』


 トキナさんの時代から湯船はあったようだけどシャワーはなかったようだ。

 まあその湯船も魔法を使えるか貴族とかでないと入れないとも言っていたけど。

 トキナさんはもちろんその両方に合致していた。


 そのトキナさんが驚いているのだからこのシャワーも多分地球発の技術だ。

 僕はそのままシャンプーで頭を洗い、ヘアコンディショナーもつける。

 コンディショナーの方は僕には必要ないと思って買ってもなかったけど、トキナさんが興味があるようなので今回はつけた。

 トキナさんへのお土産にはコンディショナーも買うべきだろう。


 髪を洗い終え、次はタオルに石鹸をつけて体を洗う。


『こ、これは……』


 シャンプーの時には反応の薄かったトキナさんだが石鹸の泡には反応した。


『すごいうのぅ。つるつるすべすべで泡々じゃのぅ。この感触は、もう我慢できん!』


 また右手が勝手に動き出す。

 だがここには瑛さんもアロもいないので安心だ。

 と思ったらトキナさんの標的は僕だった。


『ふはははは。主も色々あって疲れたじゃろう。体は妾が洗ってやろうぞ』


 トキナさんのやたらエロい動きで全身を洗われる。

 くっ……。気持ちが良すぎる!


 トキナさんが手練てだれなのは遺跡で充分味わっていたけどまさかこれほどとは!

 石鹸の泡が加わることでトキナさんのテクニックの破壊力が増しててやばい!


 トキナさんへのお土産には初めから石鹸は持って行くつもりだったけど、そこにボディーソープも追加しようと思います。

 たくさんの種類を試してどれが一番気持ちいいかを調べる必要がある。

 僕はトキナさんのことをちゃんと尊敬してはいるので性的にご奉仕しなくてはいけません!


『実に良い心がけじゃ』


 トキナさんも喜んでくれたようでさらに右手の動きに熱が入りました。

 そうして僕が身悶みもだえているとアロちゃんが外から声をかけてきた。


「アロも一緒にお風呂入るにゃ!」


 爆弾発言!


『印世今すぐ扉を開けよ!』


 トキナさんはもちろん即答です。

 僕としてはどうか。

 僕的にはトキナさんにみさおを立てているつもりなのだけど。


「アロちゃん、一緒にお風呂はさすがにまずいんじゃないかな?」


『このバカちんがぁー!』


 無難な受け答えをしたらトキナさんに怒鳴られました。

 まあトキナさんはもういい。

 しかしアロちゃんも何を考えているのか。


「……印世は冷たいのにゃ」


 ん?


「アロは印世がお尻触りたいって言ったら触らせてあげたのに、アロが一緒にお風呂入りたいって言ったら印世は断ったのにゃぁー!」


 う……それを言われると心が痛みます。


『最低な男じゃ』


 トキナさんには言われたくないです。


『だいたいアロは一緒に風呂に入りたいと言っておるだけではないか。それなのに操がどうのというのは主に煩悩があるせいじゃ。アロにエッチな意思があると思うのか? アロはただ純粋に主と洗いっこをして仲良くなろうとしておるだけなのに、主がムッツリなせいで断られてしまうとは、アロがかわいそうじゃわい』


 う……。

 確かにアロちゃんは純粋な子だ。

 そんなアロちゃんが僕とお風呂に入って仲良くしようとしてくれているのに断るなんて僕はなんてひどい男なんだ。


 例えば、年の離れた妹がいればその子をお風呂に入れることもあるだろう。

 そんな時にその子に欲情などした日には、それはもう人間失格だ。

 純粋に仲良くなろうとしてくれているアロちゃんに欲情するのもそれと一緒じゃないか。


 アロちゃんは僕がエロ……変なことをしても怒らず受け入れてくれた。

 これも、僕との関係を壊さないようにというアロちゃんの優しい心があったからじゃないのか?

 それなのにそんなアロちゃんの仲良くなろうという気持ちを踏みにじるなんてできるわけがない!


『よし、ではドアを開けるぞ!』


 トキナさんの意思で伸ばされている右腕を見て僕は問題に気付いた。


 《獄炎紋》が丸見えだ。


『むっ』


 反応を見るにトキナさんも気付いてなかったな。

 エロに集中して周りが見えなくなっていたのだろう。


 僕はお風呂に入るまではずっと長袖を着ていた。

 獄炎紋の周りには包帯も巻いていたが、包帯自体が目立つのでその上からさらに制服のジャケットを着ていたのだ。

 だから今まで問題はなかった。


 だが、今は制服を着ていないどころか包帯まではずしてしまっている。

 アロちゃんの優しい気持ちには答えてあげたいけど獄炎紋を見せてしまうのは逆に迷惑になるだろう。


『ぐぬぬ……。ん?』


『そうじゃ! タオルで隠せばよいではないか!』


 トキナさんがまるで見事な解決策でも閃いたような声をあげる。

 かなりギリギリだと思うけど。

 だが僕もアロちゃんの気持ちには答えたい。

 これで行くしかないだろう。


「やっぱり……。印世はアロのこと嫌いにゃ? アロを虐めてただけなのにゃ?」


「そんなことあるわけないよ!」


 そういって僕は風呂場のドアを開ける。

 裸で体育座りをするアロちゃんがいた。


 ちなみに右手にはちゃんとタオルを巻いている。

 タオルは1枚しかなかったので他の場所には巻いていない。


 右手隠してあそこ隠さず。


 だがアロちゃんもどこも隠してないのでおあいこだ。

 そのアロちゃんはまた半泣きになっていた。


 くっ……。

 僕は本当に駄目な男だ。

 一度ならず二度までもアロちゃんを泣かせてしまうとは。


「ごめんね。アロちゃんのことはホントに大好きだから。一緒にお風呂入ろう」


 アロちゃんを風呂場の中へと招き入れる。


「ん? 印世右手はどうしたにゃ?」


 当然聞いてくるよね。


「これは……実は密林にいた時に怪我しちゃってね。できれば腕は見られたくないかな。いつもは包帯で隠してるんだけど……」


 怪我があることにしておきます。

 というかこれは元々そうする予定だった。そのための包帯だしね。

 その包帯も制服と一緒に外に出しているので言い訳はこれでいいはずだ。


「そ、そうだったのにゃ……」


 アロちゃんも納得してくれたようだ。


「……うっ。だから印世一緒にお風呂入るの嫌って言ったのにゃ? なのにアロがわがまま言うから、ホントは見せたくないのに一緒にお風呂入ってくれたのにゃ?」


「う……、うん。でもアロちゃんとお風呂に入るのが嫌なんてことは全然ないから。右手はあまり見て欲しくはないけどこうして隠せば大丈夫だし。隠す方法が思い付かなくて最初は断るようなこと言っちゃってごめんね」


「ううん、アロの方こそごめんなさいなのにゃ。印世はやっぱり優しいのにゃ」


 優しいのはアロちゃんの方だ。

 アロちゃんも僕に本当に良くしてくれている。

 買い物にも一緒に付き合ってくれたし、こうして家にも入れてくれた上、お風呂も使わせてくれている。


 それに元気いっぱいなアロちゃんには、いるだけで助けてもらっているようなものだ。

 アロちゃんを見ているだけでこっちまで元気になってくる。

 アロちゃんは本当に可愛い良い子だ。


 だから、僕はそんなアロちゃんを優しく丁寧に洗ってあげるつもり……でした。

 右手が荒ぶっていた。


「ひゃん……、あ……ん、す、すごいのにゃぁー! 印世の右手が凄すぎてアロ変な気持ちになっちゃうにゃぁ……」


『最高じゃぁ! やはり石鹸は最高じゃのぅ。泡々で可愛いアロの体を撫でまくるとぷりぷりがつるつるでぷりんっぷりんなのじゃぁぁーー!! アロの体も最高じゃぁー!』


 右手というかトキナさんが荒ぶっていた。


「あぅ……っと……アロちゃん? 嫌だったら言ってね?」


「ううん。全然嫌ではないにゃ。す、すごくいいのにゃぁ。アロこんなに気持ちいいの生まれて初めてなのにゃぁぁー」


 アロちゃんも気持ち良さそうだからいい……のかな?

 素手でアロちゃんの体を隅々まで触りまくっているし、あきらかにイケないことをしている気がするけど。


 いや、僕達はただ一緒にお風呂に入っているだけだし、一緒にお風呂に入ったら洗いっこするのは当然だし、その際にタオルを使わないのはアロちゃんの肌にも悪いことではないはずだ。

 どこにもやましい所はない。


 そうして、僕は左手も使ってアロちゃんの体を隅々まで優しく洗った。

 やばいくらいに気持ち良かったけどやましい所は何もない。

 お風呂に入るのは元々気持ちがいいものなのです。


 アロちゃんの猫耳や尻尾も優しく洗う。

 こっちはシャンプーを使って洗う。

 アロちゃん自身が髪に使うのと同じシャンプーでいいと言ったので問題はないだろう。


 もしかしたらこのシャンプー自体が猫人用だったかも知れない。

 と思ったらそうでもないとこれもアロちゃんが言っていた。

 ちなみにただの猫である愚礼斗君にはペット用のシャンプーを使うらしい。


 やっぱり猫人は人間だ。

 こんなにぷりぷりでぷにょぷにょで気持ちのいいアロちゃんが人間じゃないわけない!


 アロちゃんの尻尾も優しく洗う。

 尻尾はもちろん素手で優しく洗うので、その延長で他の部分も素手で洗うのは何もおかしな所はない。

 うん、やっぱり一つもやましい所なんてない。


 そうして、念入りかつ丁寧かつ多少のエロさも混じった感じでアロちゃんの体を洗い終える。

 アロちゃんがちょっとくてってなっていたけど特に問題はないようで良かった。


『実に充実した時間であったのじゃ』


 トキナさんも満足したようだ。

 トキナさんが満足するほどに隅々まで洗われてしまったアロちゃんが心配だったが、すぐに立ちあがったので大丈夫そうだ。


『所詮は右手だけじゃからの』


 なるほど、全身を使えればトキナさんはもっとすごいと。

 トキナさんのすごさは遺跡で十分味わっていたのでその通りだということが僕には分かった。

 トキナさんの100%を受けてはその後すぐに立ちあがることなど誰にも不可能だろう。

 僕にももちろん不可能だった。


「じゃあ次はアロが洗ってあげるにゃ!」


 優しいアロちゃんは僕のことを洗ってくれるようだ。

 僕の体はすでに身悶えるほどにトキナさんに洗われていたけれど、僕がアロちゃんの好意を断るわけがなかった。

 いっぱい洗ってもらいたいと思います。


 そう思っていると、アロちゃんが後ろから抱きついてきました。

 石鹸で泡々な体で。


「体で洗ってあげるにゃ! 体で洗った方がいっぱい洗えるのにゃ!」


 なるほど。

 確かに手よりも体の方が面積が広い。

 合理的だ。

 どこにもやましい所はない。


 アロちゃんの体の色々なところが当たってすごくやばいけど大丈夫。

 純粋なアロちゃんの心を踏みにじって僕がけだものになることなんてあるわけない。

 すごく気持ちいいけれど……!


 アロちゃんは僕の背中にくっついたまま両手を回して前も洗ってくれるようだ。


 助かった。

 背中にするように前も体で洗われたらやばかった。

 僕の理性が獣に負けてアニマルさんになってしまっていたかも知れない。


 アロちゃんはさらに両足も前に回してきた。

 もう背中にくっつくというよりしがみついている感じだ。


「この方が動きやすいのにゃ!」


 そうしてアロちゃんは僕の背中にしがみついたまま体を上下させて僕の背中を洗ってくれた。

 足を大きく開いて僕の背中にしがみついているので、さらに色んなところが当たって大変なことになっているけど大丈夫。

 僕の理性は思ったより頑丈だったようである。


『全く……いらぬところで意思の強い男なのじゃ』


 いいえ、ここは必要なところです。


 こうして僕はアニマルと化すこともなくアロちゃんの攻めを耐えきるのだった。

 もちろん気持ち良さは十二分に堪能させていただきました。


 その後はアロちゃんと一緒に湯船にかる。

 湯船では僕が後ろだから安心だ。

 と思ったらアロちゃんのお尻が僕にくっついてきました。


 湯船はそんなに広くはないので、僕の上にアロちゃんが座る形で入っている。

 アロちゃんのお尻がくっついてしまうのは考えなくても当然のことだった。


 アロちゃんは嫌がる様子もなく、ぐいぐいお尻を押しつけてくる。

 いや、これは僕から落ちないようにくっついてきているだけだ。

 やましい所はどこにもない。


「印世が硬くなってるにゃ!」


 ぶっ!!


 か、硬くなってるとか女の子が言っちゃいけません!

 いや、これは緊張で僕の体が硬くなっているということだ。

 それしかありえない!


 そしてそれはいけないことだ。

 せっかく一緒にお風呂に入ってこうして仲良くなろうとしているのに、僕がやましいことばかり考えて緊張していては本末転倒ではないか。


 僕はアロちゃんを優しく抱き寄せて精神を集中させる。

 こんな可愛くて優しいアロちゃんによこしまな気持ちを抱くなどあってはならないことなのだ。

 うん、全体的にちっちゃなアロちゃんをこうして抱きしめるとすごく幸せな気持ちになってくる。


 お尻も当たって気持ちがいいし。


 いけない。これがいけない。

 アロちゃんの気持ちいいお尻のことは忘れるのだ。


 アロちゃんをぎゅっと抱きしめているので当たっているのはお尻だけではない。

 だからこうやって他の場所へと意識を集中させれば煩悩を追い払えるはずである。


 胸に当たるアロちゃんの背中も気持ちいい。

 抱きしめた手に触れるアロちゃんのお腹も柔らかくてすごい気持ち良さだ。

 何もかもが気持ちいい。


 …………駄目じゃん。


 煩悩を追い払うどころかむしろ余計に気持ち良くなってしまった。

 少し離れるべきだろうか?


「すごい幸せ気分なのにゃ」


 手を離そうとしたらアロが話しかけてきた。


「アロはお姉ちゃんは2人いるけどお兄ちゃんはいないのにゃ。だからこんな風にお風呂に入るとお兄ちゃんができたみたいで嬉しいのにゃ」


 僕は手を離すのはやめてもう一度アロちゃんを抱きしめた。


 僕はアロと同い年だからお兄ちゃんかどうかは謎だけどね。


 そうして、しばらく湯船に浸かった後僕とアロは湯船を出た。

 先に風呂場を出たアロちゃんに新しい包帯を渡してもらう。

 予備の包帯は買い物の際にちゃんと買っていた。


 右手に包帯を巻いて、腰にバスタオルも巻いて僕も風呂場を出る。

 アロはバスタオルで尻尾を念入りに拭いていた。

 体には何も巻いてないので全てが丸見えである。


 先にバスタオルを巻いていて良かった。

 まあバスタオルの一部が盛り上がったりしてはいたかも知れないけど。


 そして色々と丸見えなアロが興味深そうに僕に話しかけてきた。


「おお。印世かっこいいにゃ! 包帯似合ってるのにゃ!」


 包帯が似合っていると言われたのは生れて初めてです。

 そういえばアロには中二病の疑いがあるのだった。


「くぅーーー! いいのにゃ! かっこいいのにゃ! アロもしたいのにゃ!」


 どうしてもやりたそうだったのでアロちゃんにも包帯を巻いてあげました。

 両腕に。


 なんの理由も無く両手に包帯を巻く痛い子が誕生した。


 アロに包帯を巻いた後2人とも服を着る。

 アロの服はTシャツに短パンだ。

 Tシャツは白の無地だけど、中に大きく漢字がかかれている。


 前の漢字は素手喧嘩すてごろで、背中の漢字は夜路死苦よろしくだ。

 漢字の意味は分からない。

 きっと意味などないだろう。


 最初に愚礼斗君の名前を聞いた時には、アロはギャル語に汚染されていると僕は思った。

 だが汚染源はギャル語ではなかったかも知れない。

 多分中二病だ。


 僕も服を着る。

 着るのは瑛さんが選んでくれた服だから安心だ。

 上は灰色のYシャツ、下は黒の長ズボンだ。


 ズボンはカーゴパンツと言う物だそうで生地が厚くてポケットが多い。

 ただそんなに動きにくくはない。

 これは生地が特殊だからと言っていたので地球のカーゴパンツも動きやすいかどうかは分からない。


 ちなみにYシャツの方も見た目は普通のYシャツだけど強度は高いらしい。

 アラミド繊維とかいう強靭な繊維などが混ざっているとのこと。

 少し厚みがある気もする。


『瑛は服に性能を求めすぎじゃの。印世ほどの魔力があれば武器はともかく防具の差など問題にならん。まあ瑛自身は戦闘能力が低いから防具の素材も良い方がいいのかも知れぬが』


 トキナさんが瑛さんにダメ出しした。

 ちょっと珍しいかも。

 武器はいい物を使った方が《属性武装》の効果も上がると言っていたけれど。


『《属性武装》そのものが基本的には攻撃に使うものじゃからの。防御のかなめは魔法障壁じゃ。こちらは属性にも触媒となる防具にもそれほどの影響は受けぬ』


 防御には《属性武装》はあまり使わないようだ。

 僕が《光武装》で光の鎧を着て戦うとかはないらしい。


 少し安心です。

 光の鎧とか中二病臭がやばすぎです。

 アロなら喜びそうな気もするけれど。


『ああ、一応妾を倒した勇者は光武装で鎧も作っておったが』


 うわ、さすが勇者だけあって光の鎧もやっていたようだ。

 でも僕はやらないけどね。

 トキナさんを倒した勇者とか僕から見れば仇のようなものだから、そんな人の真似をする理由は全くない。

 属性が同じなのは仕方ないとして、合わせる必要のないところまで真似する必要はない。


 なんと言っても恥ずかしいし。


 僕は瑛さんの選んでくれた服を着てアロと一緒にリビングに戻った。

 瑛さんの服は機能性を考えなくても一番恥ずかしくない服なのでこれを着ない理由はなかった。


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