2-2 冒険者が冒険者を雇うストーリー
シター:どういう事情か、もうちょっと聞かせてもらってもいいですか。
ガルフネット(GM):「そりゃ、うちらが前から狙っとったアイテムや。横取りはやめてほしいんやが」
ベラ:先輩、どういうことですか?
ガルフネット(GM):「そいつは永遠に毒が出る盃やで。うちは2週間も前から、ずっと追っとったんや」
ヴロン:もうちょっと目的を聞きたいな。
ガルフネット(GM):「魔術師ギルドから盗まれたもんなんや。うちらは依頼を受けて調査しとった。盗んだ奴を捕まえようとしたんやが、この湖畔で戦いになって、聖杯が水の中に落ちてしまったんや。それで、先に進めんようになった」
シター:さすがに、こんな方法で聖杯を手に入れるとは思わなかったんだろう(笑)
ベラ:カッパさんありがとう!!
ガルフネット(GM):「ちゅうことで、そいつは返してもらおうか」
シター:えー。そんな口の利き方をしていいのかな? って、聖杯を湖の方へ投げようとするw
ガルフネット(GM):「やめんかい! それ、まだ毒が出続けとるやろ! キーワードを言わんと止まらんで!」
シター:じゃあ、キーワードを言ってもらって。
GM:ガルフネットが下位古代語で何かを呟くと、ボコボコと湧き出ていた毒が止まっていくね。
シター:今の言葉、聞こえました?
GM:聞こえたよ。それが毒を止める言葉らしい。
シター:じゃあ、出す言葉も教えてくださいよ、先輩!
ヴロン:アホなこと言うな。これで解決だろ! こっちとら仕事中なんだ。無駄な事するな。
シター:これ、1万ガメルの依頼にも関係するよな? 病気の原因だから。
ヴロン:そう。そっちの解決にもなったんで、我々が報酬を請求できる可能性はある。
ガルフネット(GM):「うちは、それを取り戻した報酬が欲しいだけや。せやから、くれ」
シター:せめて馬車代ぐらい、立て替えてくれればいいんだけど。
ガルフネット(GM):「500ガメルやったら出すで」
ベラ:先輩、500ガメルって…。
ヴロン:逆の立場だったらそれでいいと言うと思うか……?
GM:後ろの仲間からも「そんな金額で納得するわけないだろ」と言われてるね。でも、ガルフネットは「それ以上は出せん」と言っている。
シター:じゃあ、ちょっと聖杯を構えて…フリスビーに良さそうな形だなー(笑)
ガルフネット(GM):「あんたら、強欲やな!」
シター:噂だと、あなたが一番強欲だという……。
ガルフネット(GM):「わかった、わかった。もうちょっと考えよう。1000ガメルでどうや?」
ベラ:やだ。もうちょっと値上げして。
ヴロン:金も大事なんだが、金より実利を。お金だけじゃなくてもいいんじゃない?
シター:そうそう。
ベラ:この聖杯のせいで、南の村で病気が流行ってるんじゃないですか? そのことは知ってる?
ガルフネット(GM):「病気のことは知らんけど……そうやな。あんたらからうちらに何か依頼をして、その報酬として聖杯をうちらに返してもらう、っちゅうのはどうや?」
ベラ:あ、それはあり! 1万ガメルぶんの護衛だ!!
シター:正直、我々としては、これが病気の原因だったら1万ガメルの方が……。それで、盗んだ奴は何て名前なの?
ガルフネット(GM):「ザディウスというダークエルフや」
ヴロン:そいつ、魔術師ギルドに入ってきたってこと?
ガルフネット(GM):「ギルドのOBがマジックアイテムを直売しとる店があるんや」
ヴロン:何でそんな所に、こんな物を置いてあるんだよ!
ガルフネット(GM):「ほんまに頭おかしいババアが経営しとる店があるんや」
ヴロン:そういうNPCの店があるわけだな。状況はわかった。
ベラ:私はマーシュマンの話も聞きたいな。
シター:そういえばそうか。カッパ、何でここにいたんだっけ?
マーシュマン(GM):「この泉から流れている川の下流に、家族3人で住んでいたカッパ。ところが、急に腹痛を起こす液体が流れてきたカッパ。妻も子供も、沼から出て暮らさなければならなくなったカッパ」
GM:マーシュマンは上流を調べに来て、毒を出し続ける聖杯を見つけた。聖杯は何とかできたけれど、毒で狂ったウンディーネには何もできなかった、ということだね。なぜ何もできなかったのかは、モンスターデータを参照してくれ。精霊に対する対抗手段が無いんだ。
マーシュマン(GM):「ウンディーネを何とかしてあげたかったカッパ。でも、精霊界に帰す(滅ぼす)手段がないので、人間を探していたカッパ」
ヴロン:そこへ、この怖いハーフエルフが来て、爆散させてしまったw
シター:頭を弾き飛ばすとは思わんかった。
ヴロン:あれがシターの頭に当たってたらと思うと…いや魔法だから当たらんけれど。
ベラ:ごめんて!!
マーシュマン(GM):「よかったら、うちの住処まで来てほしいカッパ。お礼にあげられる物も、いくらかあるカッパ」
ベラ:尻子玉!? 行こう、行こう!
シター:マーシュマンからお礼をもらう機会なんて、そうそうないからね。行ってみようかな。
ベラ:先輩たちも行きます?
ガルフネット(GM):「まだ交渉が終わっとらんやろが!」
シター:一筆書いてくれるなら、聖杯を渡しちゃってもいいんじゃないか? 持ってても邪魔だし、最悪、不意打ちで奪われそうだし。
ガルフネット(GM):「返してくれるんやったら助かるな。あんたらの護衛をすればいいんか?」
ヴロン:その予定だが…そもそも聖杯を盗もうとしたダークエルフは何者なんだ?
シター:ザディウスは、まだ捕まってないんだよね。この聖杯で何かをしようとしてたんすか?
ガルフネット(GM):「グリーンレストの地下の浄水施設に、これを放り込もうとしとったんや。それは阻止した」
ヴロン:うお!? 危ねーよ! とんでもない被害が出るじゃないか。
ガルフネット(GM):「そこから追いかけて、奴が使役しとるゴブリンや妖魔とも戦って、この湖畔で聖杯が水に落ちた。奴は逃がしたが、大体の居場所には見当がついとる」
ヴロン:では、倒しに行くのか?
ガルフネット(GM):「聖杯を回収するのと犯人を何とかするのは別の依頼や。うちは聖杯だけ持って帰れば報酬をもらえる。それに、ぶっちゃけダークエルフ相手に、うちらだけではそこまで戦えん。けど…あんたらもおるっちゅうなら、話は変わってくるな」
シター:ダークエルフについてはおいおい考えるとして、とりあえず、マーシュマンからお礼をもらう所まで、一緒に行きませんか? そこで何か起こるかもしれないし。
ヴロン:じゃあ、ついてきてもらうか。
シター:リナはどうしよう?
ヴロン:一緒に来てもらうか? 指輪はマーシュマンから回収済みだよな。
ベラ:あ、指輪、調べてない!
シター:確かに。じゃあ、指輪を調べよう。
GM:宝物鑑定で目標値15だよ。
シター:(ころころ)15!!
GM:これはマジックアイテムだね。緑色に光っている指輪で、何かの場所を開けるための鍵になっている。それから、所持者の周りのものを指輪に記録させるような魔力があるっぽい事がわかった。
シター:……カメラ? 記録するんだ。
ガルフネット(GM):「お、それ、エイラの指輪やんか」
ベラ:知ってるんですか、先輩!
ガルフネット(GM):「そりゃ、うちも長いことあの街におるからな。エイラが若い頃に、昔の男からもらった指輪やろ」
シター:やっぱりそういうものだったのか。
ヴロン:指輪についてもわかったし、リナをどうするか考えたいな。
ガルフネット(GM):「ええこと思いついた。リナを街まで帰す護衛を、うちらに依頼したらええんちゃう? 報酬は聖杯で」
シター:聖杯は、そんな安売りしないですよ、先輩。
ヴロン:このままこちらが持って帰れば1万ガメルの報酬の品だからな。
ベラ:先輩たちは、魔法使いと戦士と神官の3人だよね。神官の人にリナさんを街に連れて帰ってもらえば?
GM:魔法使いガルフネット・戦士ガストン・神官のルカだね。ルカはファリスの神官。ラーダが大好きなファリス神官だね。
ベラ:ファリスの名にかけて、リナさんを街まで連れて帰ってもらおう。
ルカ(GM):「もちろん、いいですよ!」
ガルフネット(GM):「いや、ルカ、待ちや! あんたが抜けたら、ガストンが怪我した時、誰が治すんや!」
ベラ:私、ヒーリング持ってますよ。
ガルフネット(GM):「うちらは3人おるからバランスが取れとるんや。2人になって、あんたらに襲われたら、おしまいかもしれんやん!」
シター:俺達を盗賊か何かだと思ってるんですか、先輩!
GM:このクソエルフはあらゆる可能性を考えている。そうして出した結論らしい(笑)
ガルフネット(GM):「あかん。うちらとルカを離すのは考えられん」
シター:分割行動はなしか。じゃあ、リナさんにはもう少し人生経験を積んでもらおう。
ガルフネット(GM):「街に帰すんやなくて、移動中のリナの護衛をうちらに依頼したらええんちゃう? 優先して、しっかり守っとくわ」
シター:じゃあ、普通に我々についてきてくれるよう頼むわ。護衛の依頼を果たしたら、聖杯を渡すということで。
ガルフネット(GM):「それなら、ええで。あんたらのことは、依頼としてしっかり護衛する。裏切りもしない。その代わり、仕事を果たしたら聖杯は返してもらおうか」
シター:契約成立っぽいっすね。一筆書いてもらいやしょう。
GM:マーシュマンの家へ行って、最後には街に帰る、ということだね。リナを優先して護衛して、次点で君たち3人を護る。では、契約を交わそう。ガルフネットが、今までの話を用紙に書いていくよ。
ベラ:あと、馬車代も出して欲しいかな。
ガルフネット(GM):「えー!」
ベラ:500ガメルなんだから、いいじゃないですか! 先輩!!(エルフ語)
ガルフネット(GM):「……仕方ないわね。馬車代の500ガメルも、こっちが払ってあげるわよ」(エルフ語)
GM:期限も決めよう。最長でも1週間以内の護衛。グリーンレストの街に戻った時点で契約終了だ。
シター:契約書だから、そこはちゃんと決めておかないとね。
ガルフネット(GM):「街に戻るまで、うちらは必死に護衛する。その報酬として聖杯をもらう。馬車代もこっちで払う。以上や!」
ベラ:サインしてください。
GM:向こうはサラサラと署名したよ。
シター:じゃあ、リーダー。
ベラ:あ、私がリーダー? はい。(サインをサラサラ書くジェスチャー)
GM:ベラもサインして、契約成立。ガストンとルカも了承したね。なお、こっそりとガストンとルカは「えぇ…こんな依頼いいんですか?」「ひでぇ強欲さだぜ……」とか言ってクソエルフを批判している(笑)
ヴロン:リナに「すまんが、大所帯になってしまった」と、謝っておくか。予定外の事態だしな。
リナ(GM):「人がいっぱいいる方が、私も助かります。指輪も見つかりましたし、悪い人がいるなら何とかした方がいいと思います。それに、カッパさんのお家も気になります。一緒についていくのは構いません」
マーシュマン(GM):「こんなにいっぱいいると、渡せる物が足りるかわからないけれど、来てくれると嬉しいカッパ」
シター:何をお礼にもらえるのか、ちょっと気になってるだけだから。実際にもらえなくても、それはそれでいいんだけど。
ベラ:魚! 魚!!(笑)
GM:君たちは川を下流へ辿っていく。マーシュマンが聖杯を取り除いてくれたおかげで、水はだいぶ元に戻っているようだね。
ヴロン:よかった、よかった。
ベラ:ウンディーネも落ち着いてきてる?
GM:ウンディーネは「魚がいっぱい泳いでいて嬉しい」と言っているよ。
ベラ:「ウンディーネも平気そうですよ」って、みんなに伝える。
シター:平気じゃなかったら、また狂って出てきちゃうからな(笑)
GM:下流へ進むと、沼地に入っていく。馬車では難しいので、手前の木陰に置いて、馬を繋いでおこう。冒険者レベル+知力ボーナスで判定して。
シター:(ころころ)出目が10……16!
GM:10以上が出た人は気づいた。沼地に、二足歩行の生き物の足跡が大量についているね。
シター:ヒレじゃないだと。
GM:ゴブリンの足跡と、大人の人間ぐらいの大きさの靴の跡がある。それから、ベラは小さな子供の靴の跡も混じっていることに気づいたよ。
ベラ:みんな、子供サイズの足跡もあるよ。
シター:もしかして、誘拐じゃないか?
マーシュマン(GM):「こんな足跡、知らんカッパ」
ガルフネット(GM):「ゴブリンと一緒におる大人の足跡なら、ザディウスたちやろうな。子供の足跡まで見つけたんか。さすがやな、このハーフエルフは」
ベラ:先輩! 私、森生まれなんで♪
ガルフネット(GM):「偉いやん! そんで、子供は何人分おるんや?」
GM:小さな靴の跡を調べると、4人分ぐらいだね。足跡は新しい。
ベラ:子供は4人みたいです、先輩!!
シター:4人もいるのか。
ヴロン:生贄だろ……。
シター:その足跡、マーシュマンの住処に向かってるの?
GM:いや、そっちへ向かっているわけではないみたいだね。
ヴロン:よかった。マーシュマンが狙われてるわけじゃない。
マーシュマン(GM):「とりあえず、こっちカッパ」
GM:マーシュマンの住処の方へ歩いていくと、「キャー!」という女性の叫び声と、「助けて、助けて」という小さな声が聞こえる。
シター:カッパかな?
GM:声を聞いたマーシュマンの顔を見ればわかる。
マーシュマン(GM):「妻と子が!」
シター:急ごう!
ベラ:走れ、走れ!




