Q&A そこはどうだったの?
シナリオの裏側 Q&A
今回の冒険で、プレイヤーたちが知らなかったシナリオの裏側を解説します。
Q. 雨が降って傘を買っただけで、GMの想定外ってどういうこと?
A. 実は、そこでシナリオの重要な分岐がなくなってしまいました。
このシナリオは、事前にAIを相手にテストプレイを行っています。テストプレイでは、エイラ様が倒れかけたところを助け起こしましたが、神殿まで送ることはせず、そのまま酔いどれ羊亭へ戻りました。そこで冒険者たちは、報酬1万ガメルという魔術師ギルドの依頼を発見。破格の報酬に大喜びし、すっかり受ける気満々になって、魔術師ギルドへ向かおうとします。その瞬間、雨に降られてびしょ濡れになったリナが現れ、報酬0で助けを求めてくる! 本来は、そんな展開を予定していました。
つまり、**「報酬1万ガメルの仕事」と「報酬0の人助け」**のどちらを選ぶのか、冒険者たちに判断してもらう場面だったんです。
ところが実際のセッションでは、リナが傘を買い、冒険者たちと依頼について話しながら帰ってくることに。まさか、あの重要な選択の場面が、傘を買っただけで消滅するなんて……!!
これだからTRPGは面白い(笑)。
Q. 魔術師ギルドの依頼を受けていたら、どうなっていたの?
A. 最大の変化は、リナが死んでしまうことです。
冒険者たちが魔術師ギルドの依頼を受けて南の村へ向かった場合、リナは一人で湖畔へ指輪を探しに行きます。そして、狂ったウンディーネに襲われ、命を落とす予定でした。
一方、南の村では病気の調査に加えて、「緑の髪をした怪しいハーフエルフの女がいる」という情報を追う、シティアドベンチャーが始まるはずでした。その怪しい女こそ、エルザです。村には、エルザについて悪い噂を広めている老人がいました。実はこの老人、50年前の事件の関係者です。
当時、彼はまだ少年でした。少年には、大好きな女の子がいました。しかし、その女の子はザディウスに生贄として殺されてしまいます。グレン、リック、エルザの3人が「子供たちを助ける」と言って洞窟へ向かった翌日、少年も洞窟へ向かいました。そこで彼が発見したのは、ザディウスたちがわざと生かしておいたリックとエルザ。
少年は二人を助け出しました。しかし、その際に、大好きだった女の子の、あまりにも惨たらしい遺体を目撃してしまったのです。少年は、その事件を忘れることができませんでした。そして50年が経った今でも、子供たちを助けられなかったエルザを恨み続けています。
本来は、この老人への聞き込みを通じて、50年前の事件とエルザの正体が少しずつ明らかになっていく予定でした。
Q. ガルフネット、強すぎない?
A. 彼女は2レベル冒険者です。
技能構成は以下のとおり。
ソーサラー:2レベル シャーマン:2レベル セージ:2レベル 以上。
まごうことなき、2レベル冒険者です。
ただし、魔力の計算が少々おかしなことになっています。
内訳 魔力への加算
ソーサラー技能レベル:+2
知力ボーナス:+4
魔力を高めるローブ:+1
知力ボーナスを高める指輪:+1
合計魔力:8
……魔力8あります。マーシュマンやエルザに使用した、達成値16の【スリープ・クラウド】。あれは、2D6で8を出しただけなんです。魔力が高いので、とんでもない達成値になっていますが、本人はあくまで2レベル冒険者。
当然、攻撃を受ければあっさり死にます。だからこそ、ガルフネットはザディウスの攻略方法を理解していたわけです。自分と同じようなタイプの相手なんだから!!(笑)
Q.ガルフネットの報酬6万ガメル??
A.はい。
聖杯を持ち帰ることで1万ガメルの報酬がある事は説明済みです。ザディウスの討伐でも報酬がある旨も説明済みです。…この報酬が5万ガメルであることを言っていないだけです。なので、作戦会議ではザディウスを倒す話になるように会話を誘導しています。読み直してみると面白いかもしれません。
>ベラ:今日は、がっぽがっぽだね。姉御には馬車代も出してもらえるし、ありがとう!
>GM:ガルフは「せやろ、がっぽがっぽやな! ギャハハ!!」と、お礼に応える。ガストンとルカはぎこちない笑顔でお礼に応える。では、マーシュマンの住処へ戻る。
Q. リナは、どうして神聖魔法が使えないの?
A. 実は、リナにはエイラ様と同等、あるいはそれ以上の才能があります。
それなのに神聖魔法を使えないのは、マーファ神があえて力を与えていないからです。これには、50年前のエイラ様の人生が関係しています。
若い頃のエイラ様は、神聖魔法の才能に満ちあふれた少女でした。マーファ神もその才能を認め、力を与えました。エイラ様は高レベルの神聖魔法を使えるようになり、幼い頃からグリーンレストの街で才女として崇められていたのです。しかし、それが彼女の人生を縛ることになりました。街の人々から期待され、頼られるエイラ様は、街の外へ出ることも、冒険することもなく育ちました。グレンから何度も冒険に誘われましたが、断り続けていました。
外の世界が怖かったのです。
そして何より、街の人々から崇められている自分が、個人的な恋心で街を離れ、万が一のことがあったら、皆に顔向けできないと考えていました。そうしてグレンの誘いを断り続けているうちに、グレンは帰らぬ人となってしまいます。エイラ様は深く悲しみ、嘆きました。
マーファ神は、この悲劇の一因が、才能を持つ少女に早くから大きな力を与えてしまったことにあると考えました。神の力を与えられたことで、エイラ様は人々の期待を一身に背負い、自分自身の人生を自由に選べなくなってしまったのではないか、と。
そして時が流れ、リナが生まれました。
リナにも、エイラ様と同等以上の神聖魔法の才能がありました。しかし、マーファ神は同じことを繰り返すまいと考えたのです。今度は、すぐに力を与えないことにしました。神聖魔法に頼らず、自分で考え、悩み、努力すること。自分の意志で神を求め、人と出会い、絆を深めていくこと。その経験を積んでから、神の力を授けようと考えているのです。
リナ自身は、神聖魔法が使えないことを、自分に才能がないからだと思っています。けれど、第2話の冒険で、リナは多くの人と出会い、助け合い、成長しました。そして最後には、神聖魔法を使えないまま、エイラ様の代わりに祭典の説法を務めることができました。神聖魔法が使えなくても、自分の力で誰かの役に立てるようになったのです。マーファ神が望んでいた成長は、まさにこういうことだったのでしょう。
リナが神聖魔法を使えるようになる日は、もう遠くないのかもしれません。




