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GMの想定外! 自由すぎる冒険者たち〜奇策で生き抜くTRPG戦記~ 第2話   作者: ごろちん
裏設定 50年前と500年前のおはなし。
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TRPGシナリオ「想いの果てに」

TRPGシナリオ『想いの果てに』


挿絵(By みてみん)


【シナリオ背景】50年前の悲劇と、交差する運命

■ かつての冒険者パーティー

•グレン(人間/22歳):ファイター4/レンジャー3。

正義感に溢れる若きリーダー。

•リック(人間/40歳):ソーサラー3/セージ5。

パーティーの知恵袋。

•エルザ(ハーフエルフ/年齢不詳):シーフ5。

復讐を誓う孤高の盗賊。

■ グリーンレストの神官

•エイラ(20歳):マーファ神殿のプリースト。

神殿の外の世界を知らない心優しい女性。


挿絵(By みてみん)


第1章:星空の約束

当時、神官を持たないグレンたちのパーティーは、怪我の回復に難儀していた。リーダーのグレンは、グリーンレストのマーファ神殿にいる神官・エイラに心を惹かれており、何度も冒険の旅へと誘っていた。

しかし、神殿から出たことのないエイラにとって、外の世界はあまりにも恐ろしかったため、その誘いは断られ続けていた。それでも、諦めずに誘ってくれるグレンの優しさに、エイラの心にも次第に淡い恋心が芽生え始めていた。

6月のある夜。グレンはエイラをグリーンレスト南東の湖畔へと連れ出し、満天の星空の下で彼女に告げた。


「俺の故郷で病気が流行っているらしい。少し様子を見てくる間、これを預かっていてくれないか。無事に帰ってきたら、この指輪にまつわる遺跡へ一緒に行こう! 一生の思い出になるはずだ。だから、絶対になくさないでくれ」


そう言って、グレンは淡く緑色に光る指輪をエイラに手渡した。



第2章:スプリガンの罠と、グレンの死

グレン、リック、エルザの3人は、故郷であるコカトリスの巣の近くの村へと急行した。しかし、到着した村は悲惨な状況だった。謎の激しい腹痛によって動ける者はほぼおらず、グレンの妹の姿もなかった。

村人の話によれば、ダークエルフが現れ「呪いを解いてほしければ、村の子供を全員差し出せ」と要求してきたという。その時、数日前に村で保護されていた身寄りのない子供が「自分が生贄になる」と名乗り出た。その健気な姿を見たダークエルフは「ならば子供は4人でいい」と譲歩し、保護された子供と仲の良かった3人の子供(グレンの妹を含む)が、生贄として連れ去られてしまったのだ。

3人は急いでダークエルフの後を追い、川の上流にある洞窟へと突入した。ゴブリンやコボルトの群れをかいくぐり、回復手段を持たない彼らが最奥の儀式の間へ辿り着いた時には、すでに全員が満身創痍であった。

激しい戦闘の最中、儀式の間の檻から一人の子供が抜け出し、グレンのもとへ駆け寄ってきた。村で保護されていた、あの子供だった。 グレンが安堵して子供を抱きしめた瞬間——子供の姿が巨大な怪物へと変貌し、鋭いカギヅメがグレンの腹部を無惨に貫いた。

その子供の正体は、人間の子供に化けることができる巨人族「スプリガン」。ダークエルフと結託し、村に毒を撒いた張本人だった。村の子供たちと仲良くしていたのも、生贄として誘い出し、真実を知って絶望する姿をあざ笑うためだけの、悪辣な罠だったのだ。

(※腹痛は呪いではなく、毒によるものであった)



第3章:悲劇の結末と、それぞれの道

グレンの凄惨な死を前に、体力も魔力も尽き果てたリックとエルザは、為す術もなくゴブリンたちに取り押さえられた。そして、グレンの妹を含む村の子供たちが、邪神ファラリスへの生贄としてダークエルフに虐殺される光景を、ただ見せつけられるしかなかった。 絶望と疲労の果てに気を失い、再び目を覚ました時、儀式の間には子供たちの無残な遺体だけが散乱していた。

悲劇を生き延びたリックとエルザは、グリーンレストに戻り、エイラにグレンの死を伝えた。こうして、3人のパーティーは解散した。

その後、エルザはダークエルフとスプリガンへの復讐を誓い、単身で修羅の道を歩み始めた。

一方、リックは冒険者を引退し、古代王国のマジックアイテムを鑑定する学者としての道を歩む。その過程で、彼は「親しい人の死の予兆を夢で見る」という不思議な指輪を手に入れることになる。



第4章:託された未来(40年後〜現在)

事件から40年後。80歳となったリックは、コカトリスの生態調査のためにある村を訪れ、そこで魔法の才能を持つ12歳の少女・リノと出会う。リックは彼女を弟子にとり、8年の歳月をかけて育て上げた。

そして事件から48年後(物語開始の2年前)。

88歳となったリックは、静かに老衰でこの世を去った。その際、20歳に成長したリノへ、形見としてあの「予知夢の指輪」が託された。


現在。

リノは22歳の魔術師として冒険を続け、妹の死の予兆を感じ取り、グリーンレストへ向かった。その手には、マーファ神殿への紹介状が握られていた。そしてエイラは70歳のマーファの高司祭として、身と心をマーファ神殿に縛り付けられていた——。(第1話へ)


挿絵(By みてみん)



【シナリオ背景】500年前の想いと、記憶の遺跡


■ 古代王国時代の夫婦

•アルテル:妻を深く愛する夫。二つの強力な魔法の指輪を作り出した。

•ヴェーナ:アルテルの最愛の妻。嫉妬深い暗黒神官により理不尽な呪いを受ける。


第1章:嫉妬の呪い

古代王国時代。アルテルとヴェーナは、誰もが羨むほど深い絆で結ばれた仲睦まじい夫婦だった。

しかし、二人の幸せな姿に激しい嫉妬を抱いた暗黒神官によって、ヴェーナは恐ろしい【カース(呪い)】をかけられてしまう。

それは、「直接的な死を与えるものではないが、二人の想いが強まれば強まるほど、ヴェーナに大きな不幸が降りかかる」という残酷な呪いであった。

アルテルは、次々とヴェーナを襲う災難や不幸から彼女を何度も救い出した。しかし、皮肉なことに、互いを想い合い助け合うたびに二人の愛はさらに深まり、それに比例して呪いの力も強大になっていった。



第2章:運命に抗う二つの指輪

呪いに抗うため、アルテルは持てる技術のすべてを注ぎ込み、対となる二つの魔法の指輪を創り出した。

一つは、「親しい人の死の予兆を夢で見る」青い指輪。

もう一つは、「所持している者の人生を、映像として空間に記録・再生する」緑の指輪。


アルテルは青い指輪を身に着け、ヴェーナに死の危険が迫るたびに駆けつけて彼女を救った。一方、ヴェーナは緑の指輪を身に着け、自分を必死に救ってくれる愛する夫の姿を記録し続けた。

だが、その記録を見返すたび、二人の愛は限界を超えて深まってしまい、同時に呪いもアルテルの手には負えないほど強大化してしまった。



第3章:愛ゆえの決別

暗黒神官の呪いを解く唯一の方法を、二人は知っていた。それは「二人が別れ、永遠に離れ離れになること」だった。

ついにヴェーナを助けきれないほどの事態が迫っていることを悟った二人は、深く愛しているからこそ、離れて暮らす決断を下す。

二人は湖畔に「緑の指輪の記録を再生できる特別な部屋(遺跡)」を造り、指輪を持つ者しかたどり着けないよう魔法で隠蔽した。

そして、一年にたった一度、7月7日にだけその部屋で落ち合い、それまでの人生の思い出の記録を再生して語り合うこと。それだけを心の支えにして生きていくことになった。



第4章:七月七日の悲劇

しかし、呪いは決して二人を逃がさなかった。

ある年の7月7日。ヴェーナが約束の部屋へ向かう道中、呪いによる「不幸」が連鎖する。突如として局地的な激しい嵐に見舞われ、彼女が渡ろうとした湖畔の橋が崩落してしまったのだ。

荒れ狂う湖に投げ出されたヴェーナ。青い指輪の予知夢を見て駆けつけたアルテルによって間一髪で引き上げられ、二人はなんとか約束の部屋へとたどり着く。

アルテルに引き上げられ、落下や溺死といった「直接的な死」は免れた。

しかし、濁流に飲まれた極限の疲労と、そこから発した急激な高熱という「間接的な要因」が彼女の命を奪っていく。

高熱に浮かされながらも、二人は緑の指輪が映し出す記憶を静かに見つめ、ヴェーナは愛する夫の腕の中で微笑みながら息を引き取った。



第5章:遺された想いと、未来への託宣

最愛の妻を失ったアルテルは、二人の思い出の品をその部屋の宝物庫に、二つに分けて封印した。

そして、「いつか、遠い未来の誰かが、自分たちの愛した日々の記憶を見てくれるかもしれない」という淡い願いを込め、部屋の鍵である二つの指輪を、無価値に等しい値段で手放した。


こうして指輪は歴史の波に飲まれた。

そして500年の時を経て、片方(青)はリックからリノへ。

もう片方(緑)はグレンからエイラの元へと辿り着くこととなる。




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