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武将 古田織部 第6話 繰り返し

庭の砂は朝の光で白くなっていた。

重然は昨日習った足の運びをまねて、右足を前に出した。

砂がこすれ、細い線がひとつ伸びる。

左足を寄せようとしたとき、

縁側から父の声が落ちた。

「違う。」

重然は動きを止めた。

父は縁側から庭へ降り、重然の前に立った。

足跡が砂に深く残る。

「腰が浮いている。」

父は重然の腰に手を当て、ぐっと押し下げた。

重然の足裏に重さが落ちる。

砂がわずかに沈む。

「右を出せ。」

重然は右足を前に滑らせた。

つま先が少し外を向く。

父はその向きを見た。

「外だ。まっすぐ。」

父は重然の足を手で持ち、向きを直した。

足の裏が砂に沈み、線が短く伸びる。

「左。」

重然は左足を寄せた。

腰がまた少し浮く。

父の声がすぐに落ちた。

「浮くな。」

重然は腰を沈めた。

足裏に重さが戻る。

砂の上にできた線がまっすぐ続く。

父は重然の肩を軽く叩いた。

「止まれ。」

重然は動きを止めた。

肩の高さがわずかに揃う。

父はその位置を見て、短く言った。

「形が崩れるのが早い。」

重然は足元の線を見た。

右と左の跡が少しずれている。

父はそのずれを指でなぞった。

砂が指先で動き、線が消える。

「覚えろ。線は乱すな。」

父は背を向け、弓掛けのほうへ歩いた。

足跡が砂の上にまっすぐ残る。

重然はその跡を見た。

朝の光が足跡の縁に当たり、細い影ができていた。


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