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武将 古田織部 第54話 反乱の知らせ

早朝の冷えが残る刻限、

上久世荘の門前に馬の蹄の音が響いた。

使者は馬を降りると、そのまま重然の前に進み出た。

「荒木村重、謀反。

ただちに兵を率い、摂津国・高槻の中川清秀陣へ参集せよ。」

短い言葉だったが、

その場の空気が一気に張りつめた。

重然は書状を受け取り、文面を確かめる。

重然はすぐに名主たちへ使いを走らせた。

呼ばれた名主たちは、前回の出兵のときとは違い、

慌てることなく代官所に集まった。

100貫で整えた武具がすでに揃えられ、

槍の穂先は新しく、鎧の紐も締まり、

馬が二頭、荷を積むために繋がれていた。

「兵三十名。前と同じ割り振りで出す。」

重然の声は落ち着いていた。

名主たちはうなずき、

必要な人数と家ごとの負担をすぐに確認し合った。

庭では若者たちが槍を手に集まり始めていた。

前回よりも表情に落ち着きがあり、

歩き方にも無駄がない。

草鞋は十分に揃い、兵糧俵も整然と積まれている。

荘園全体が、戦の支度に慣れ始めているのが分かった。

重然は一人ひとりの装備を見て回り、

槍の持ち方、鎧の締まり具合、

荷を積んだ馬の様子を確かめた。

前回の初陣とは違う、

整った軍役の姿がそこにあった。

準備が整うと、

兵たちは道の端に並び、

村人たちがその脇に立って見送った。

不安と期待が入り混じった表情が並ぶ。

重然は馬に乗り、手綱を握った。

摂津へ向かう道に入ると、

風の向きが変わり、

どこか胸の奥に重いものが残った。

高槻には中川清秀の陣が置かれている。

清秀がどう動くのか──

その問いが、重然の中に静かに生まれた。

兵の列はゆっくりと進み、

上久世荘は背後に遠ざかっていった。


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