47/103
武将 古田織部 第47話 三木城下到着
三木城下に近づくにつれ、
道の両脇に張られた陣幕の数が増えていった。
重然は歩みを止めず、
兵三十名を率いて城下の喧噪の中へ入った。
馬のいななき、鉄の軋み、
兵たちのざわめきが重なり、
空気そのものが戦の匂いを帯びている。
「中川家の陣はあちらです」
家臣の一人が指さした先に、
中川家の旗が立っていた。
重然は深く息を吸い、陣所の前へ進む。
大きく声を張る。
「上久世荘代官、古田重然、参着仕りました!」
番兵がうなずき、
すぐに清秀の側近が姿を見せた。
「重然様、お通りください。
殿がお待ちです。」
案内に従い、
重然は清秀の幕舎へ入った。
清秀は地図の前に立ち、
振り返ると短くうなずいた。
重然は膝をつき、頭を下げる。
「兵三十名、ただいま三木城下へ参着いたしました。」
清秀は腕を組んだまま言った。
「よく来た。
まずは陣を張れ。
明朝、軍議がある。」
その一言に、
重然は静かにうなずいた。
代官としての務めではない。
ここからは、
武将としての重然の戦が始まる。




