九話
「…さい」
「…ください」
声が聞こえる。なんだ、俺はいつのまにか寝てたのか?
「…起きてください!タルスさん!」
「…もう、朝か?」
重い目蓋を開けると、まだ空が暗い。
「まだ夜か。おやすみ」
そう言って俺は再び眠りに…。
「ふざけてないで起きてください!タルスさん!」
「ごはっ!?」
いきなり腹をぶっ叩かれ、急いで飛び起きた。
「痛ぁ…」
周りを見渡すと、そこは森の中だった。少し遠くには焚き火があり、ごうごうと燃えている。
「起きたんですね!?よかった…!」
「ミトか…俺はなんでこんなところで寝てるんだ…?」
「覚えてないんですか!?あんな無茶したっていうのに…!あなた魔力の使いすぎで倒れたんですよ!」
「…あー、うん。そうだったな…」
そう言われて、倒れる直前の記憶が蘇る。…うん、確かにあれは無茶だったな。
「悪かった」
「わかってくれたならいいんです。歩けますか?」
「よっと…よし、歩ける。大丈夫だ」
「なら早く行きましょう。コルネイアさんとサギリさんは、宮殿に向かっています」
「そうか…やっぱ何かあったのか?」
「まだわかりませんが…急いだほうがいいと思います」
「了解」
そして俺たちは、焚き火の後始末をしてから宮殿に向かった。
俺たちは、コルネイアたちと城下町で落ち合った。
「コルネイアさーん!」
「ミトか。…無事ならよかった」
「それより、どうしてそんなに早く宮殿に帰りたかったんですか?王子の行方を探すならさっきのデーモンを追ったほうが…」
「それに関しては…こっちで話そう」
そう言って、コルネイアは俺たちを路地裏に案内する。
「さて、まずは…タルス」
突然、コルネイアが俺の名を呼ぶ。
「なんだ?」
「お前の今までの行動を見て…俺はお前を信用することにした。だからこそ、お前にこのことを話す」
「…俺を?」
「…そうだ」
何故かはわからんが…まあ、信用における人物になれているなら嬉しいことだ。
「話についてだが…結論から言おう。俺は、この宮殿に裏切り者が潜んでいると思っている」
「…!」
「それって…!」
「ああ。誰かが手引きをして、王子を砦に連れ去ったように見せて、別の場所に幽閉した。…意図まではわからんがな」
「つまり、早く王宮に戻りたがっていたのも…」
「そうだ。その裏切り者が動くことを警戒していた。そして…さっきあのトレジャーハンターが王宮で情報を手に入れてくれた」
「やっほー。いやー大変だったよー」
サギリが手にしているのは、大臣の写真だ。
「多分こいつで間違いない。襲撃のタイミングで王子と一緒にいたのは大臣だけだった。ちゃんと証拠の裏も取ってある」
「…お前、結構すごいんだな」
「へへーん。見直した?私だってやればできるんだよ」
「それで…どうするんだ?証拠があったところで大臣を襲撃するわけにはいかないだろ?」
「そこは考えがある。任せておけ」
そうして、自信満々なコルネイアを先頭に、俺たちは宮殿へと乗り込んだ…!




