五話
デーモンの本拠地は、川に囲まれた砦らしい。…なんで都合よくそんなところに砦があるのかとか置いといて。
「…っ!敵、来ます!」
「構えろ、戦闘準備!」
「了解。行きますか」
空からはデーモン。地中から土竜。近くの茂みから骸骨が飛び出す。
「クケケ!」
「モグー!」
「カラカラ」
まずは近接しかない土竜を落とす!
「土竜は俺がー」
「弓技…シルバーショット!」
俺の宣言も聞かず、コルネイアが矢を乱れ打つ。
「グガッ!」
しかし、矢を高速で乱れ打つために狙いが定まらないシルバーショットは、デーモンにしか命中しなかった。
「モッグ!」
「うおっ!?」
土竜の爪を、剣の腹で受け止める。
「くっ…!」
「カラカラ…!」
ビュン!と骸骨が矢を放つ。
「クッソ!おりゃ!」
爪を腕力で思いっきり弾き飛ばし、矢を返しの刃で打ち落とす。
「ー氷刃よ、乱れ舞えー!」
ミトの放った氷刃が、敵達に襲い掛かる。
「モッ!モグウッ!」
「グギャッ!」
「グ、グケケケ…!」
「…邪魔だ!」
虫の息の土竜を蹴り上げ、成美の中に落とす。
「弓技…スナイプショット!」
コルネイアが、デーモンを狙って矢を放つ。
「グケケ…射線から避ければ…グゲッ!?」
その矢は、まるで敵を追尾でもするかのようにデーモンの心臓を貫いた。
「うおおおおっ!」
そして俺は骸骨に突撃…!
「カラカラ…!」
ビュン!ガッ!
飛んできた矢を剣で弾き、そのままの勢いで思いっきりぶった斬る…!
「剣技…ソニックブレイド!」
振り下ろした剣で、頭蓋骨を叩き割る。
…戦闘終了だ。
夕方、砦まで残り少しというところで、私はコルネイアさんに話しかけた。
戦利品を漁っているタルスさんには聞こえないように。
「こんな調子でいいんですか?」
「…何がだ?」
「いや、だから…あの、私たちは罪人さんと…」
「悪いがそうはいかない」
協力するべき。そう言おうとしたら、コルネイアさんが食い気味に言いました。
「…どれだけ有用だろうと、奴は罪人だ。…俺はこの制度も、罪人も、嫌いなんだよ」
吐き捨てるように、そう言うコルネイアさんは、少し悲しそうな目をしていました。
「…わかりました。無理に協力しろとは言いません」
「わかればいい」
そう言って、先へ急ぐコルネイアさんに対して、私はこう言いました。
「…彼は、我々を裏切ると思いますか?」
「…そうはあまり思えない。だが、警戒するに越したことはない…」
振り返ることもなく、コルネイアさんは歩いて行きました。
「タルスさん…」
「ん?どうかしたか、ミト」
「い、いえ!なんでもありません!」
悩んでいても仕方がない。今はとにかく、タルスさんが裏切り者でないと祈るしかないのだから。




