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三十三話



「……?朝……か?」


目を覚ます。窓から外を見ると、どうやらもう昼のようだ。


「俺は、いつ寝たんだったか……うっ!?」


突然頭に鈍痛が走る。……二日酔いの頭痛(俺自身はそこまで飲んだことはないが多分そう)のような痛みは、魔力を限界まで使い果たした時と同じ。


「……そうだった。俺は、夜に港で戦闘をして、それで……魔力切れで倒れた。それじゃ誰かがここに運んでくれたのか……礼を言わないとな」


現状の把握も終わった俺は、ゆっくりと腰を上げて、その辺にまとめてあった荷物を持って部屋を出る。










「……!タルスさーん!」


街を歩いていると、ミトと出会した。


「ミト、おはよう。……今はこんにちはかな?」


「どこほっつき歩いてたんですかぁ!?」


いきなり肩を掴まれ、前後にブンブンと揺すられる。


「うおいちょっと待てこれには理由が……」


「なら言ってみてくださいよ!朝になって姿が見えないから街中走って探したんですからねー!?」


「わ、悪かった悪かった今話すから離して……」


そう懇願すると、離してくれた。


「……それで、理由ってなんです?」


「えっとな…………」


〜〜〜〜


「……なるほど。魔物の襲撃から、海賊と共に港を守って。それで魔力切れで気絶……ですか」


「そういうことだ」


「そういうことだ。じゃないですっ!何危険なことに首突っ込んでるんですか!?」


「……悪かった」


「とりあえずさっき言った通り、出航は明日です。サンブラに早く帰らなければいけないのですから」


「わかった。準備してー」


「やめときな。今はこの海域から出ちゃダメだ」


「……なんだって?」


……後ろから声をかけてきたのは、昨日一緒に戦った船長。確か名前は……。


「デザイカ。それはどういうことだ?」


「……タルスさん。知り合いですか?」


「そこの嬢ちゃんは知らないみたいだね。アタシは海賊「銀龍」の船長、デザイカ。この海域を牛耳ってる者さ」


「海賊。でも、このように街を歩けるなら、悪いことはしてないんですよね?」


「さあね」


「それより、どういうことだ?この海域から出ちゃダメって……」


「最近、海域を出ようとしてる船にいつも以上に激しい魔物からの襲撃報告がある。そして、それを指揮してる魔物がいるってこともね。だからアタシ達銀龍がその魔物なんとかするまで、大人しくしときな」


「……そうか」


「わかりました。それなら……足手まといでなければ、私も助力させていただいてもよろしいでしょうか?」


ミトが、デザイカに思わぬ提案をする。


「……嬢ちゃんが?何ができるのさ?」


「治癒と氷結系の魔術ができます」


「採用」


「速いな!?」


「だって欲しい戦力だから。よろしくね、ええっと……」


「ミト、と申します。よろしくお願いします」


「よろしくね、ミト」


「……俺も協力するよ」


「お、助かるよタルス」


「それでは、私はコルネイアさんにこのことを伝えてきます。頑張りましょう!」


「今日の夜、南の港に集合してくれ。それじゃ解散!」


そうして、俺たちは一旦別れた。







そして夜。


「サンブラ王国第十二弓兵兵士長、コルネイアだ。よろしく頼む」

「私はサギリ。よろしくねー」

「アリスです。よろしくお願いします」

「僕はオリュシオンだ」


……どうやら、ミトがこいつらにも応援を頼んだらしい。


「私は王子守るから、あんま戦闘には助力できない。そのかわり…….よろしく。ベルレ」


「はいよー。海上戦ならウチの得意分野だからね」


「……結構、頼もしい仲間達がいるじゃないか。タルス」


「俺が仕切ってるわけじゃないけどな」


「それじゃ、出航しようか。全員船に乗り込め!」


「「「おおーーーー!!!!」」」


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