三十二話
「クケケケコケ!ほらほら当ててみろぉ!」
「クッソオ…!動くんじゃねえ!打てねえだろうが!」
「その命頂戴致す!」
「あっぶねえな…当たったら痛いだろうが!」
…戦況はなかなか厳しい。
むしろ20人程度の海賊が今までよくこの大群と戦っていたものだ。
「余所見厳禁!」
「当たるかよ、そんな攻撃!」
槍を避け、無防備な顎に一撃!
「オラッ!」
「グフっ!?」
そのまま回し蹴り…!
「セイッ!」
「うぎゃあっ!」
ザバアンッ!という大きな飛沫を上げ、魚人が海に落ちる。
「…次はどいつだ!」
「クケケケ!調子に乗りやがって!」
「これならどうだぁ?」
「「「ー宵闇よ、敵を砕けー!!!」」」
五体のデーモンが放った闇の球が集まり、一つの巨大な球となって襲いかかる…!
「こりゃ…多重詠唱か!?」
「おいおいどうするよ船長!?」
「俺に任せろ!」
「…タルス!?どうする気だ!」
「そうだ兄ちゃん!一人で何とかするなんざ無茶…!」
「この程度なら…いけるな」
「ー封魔の鉄壁、ここにありー!」
黒き巨大な球と、俺の障壁がぶつかる。
「…ッ!うおおおっ!」
その瞬間、障壁にさらなる魔力を込めて押し込む…!
「ー撥ね返れ、魔導の力ー!」
反射魔術。その名の通り、障壁や自分自身に来た魔術や物理攻撃をはね返す魔術。
撥ね返された黒の球は、そのままデーモンの群れに…!
「グゲゲッ!?」
「「「「グギャアアアアッ!???」」」」
デーモン達は、自らの力を受けて消滅。
「…戦力喪失。一時撤退」
「「「了解」」」
それを見た魚人達も、不利を悟ったのか帰っていく。
「…終わったな」
「お疲れ様、タルス。正直助かった。ありがと」
「いや、これくらいどうってこと…ねえ…」
…あ、やべえな…魔力を使い果たしたか…。
「タルス…?どうしたんだ?」
「………」
俺は港にへたれこみ、そのまま意識を失った…。




