三十話
大きな船を手に入れた俺たちは、王子を探すために再び航海を始めた。
帆もあるため漕ぐ必要もなく、今までより遥かに楽に次の島に着いた。
「次の島はどういったところなんでしょうか、ベルレさん」
「次の島ー?大したところじゃないよー。でもー、船が壊れちゃったところから見るに大多数の人はそこに流れ着いてるかもねーって」
「本当か!?ならば王子も…!?」
「あくまで可能性高いだけだよコルさん」
「よおおおし急ぐぞおおお!」
「…聞いてないし」
「着いた!すぐに王子を探すぞ!」
「待ってくださいコルネイアさん!まずは上陸手続きが先です!」
「おっと…そうだったな」
「ウチが手続きやっておくから、みんなは街行ってていいよー。この島はそんなに大きくないしねー」
「わかった。頼んだベルレ」
「おまかせあれー」
ベルレに手続きを任せて、俺たちは聞き込みに。
そうすると…。
「流れ着いた人?いたぞ。今は町外れで薬草取りに行ってるはずだ」
「流れ着いた人…ねえ。いたけど…あなたたち知り合い?」
「どっかの兵士か水夫が数人流れ着いてきたんだ。結構な美人さんもそん中にいたけど…」
「…ええっと、話を聞く限りは多分ここにいるんですよね」
俺たちが辿り着いたのは、ある一軒の鍛冶屋。
ミトが扉を開け、中に入ると…。
「「「いらっしゃいませー!!!!」」」
…複数人の漢の挨拶。
「…!??こ、コルネイアさん!」
いや、こいつら全員あの時の水夫と兵士か!
「皆、生きていたか!」
「はい!我々は漂着後、ここの大将に拾われて…そのまま雑用する代わりに宿を提供してもらってたんです」
「…本当によかったよ。お前らが生きててくれて」
「うおおお!コルネイアさん!」
「我らが隊長おおおお!」
「給料上げてくださーい!」
「さいこおおおお!」
「…それで、ここからが重要なんだが。王子はいるか?」
「…それが」
「…!まさか、王子はいないのか!?」
「はい…残念ながら、今は」
「よしすぐに出航するぞ!王子をすぐに見つけ出す!」
「あ、あの、ですから…」
「王子が今も助けを待っているのかもしれないのだ!止まってなどいられるか!」
「い、いえ、その…王子はですね」
「どうした!」
…そんな言い争いをしていると、鍛冶屋のドアが開き、人が入ってきた。
「ただいまー。薬草取ってきましたよ親方」
「僕も取ってきた」
「敵もいなかったので平和でしたよ。今日は」
入ってきたのはアリス、サギリ、そして…王子。
「お、王子!ご無事でしたか!」
「こ、コルネイアか…!待て待て、肩をそんな力で揺らすな痛い…!」
「!タルスさん!無事でよかった…!」
「ミトも生きてたんだ、よかったよかった」
「なんとかな。さて…今日はここで休むか、コルネイア」
「…そうするか。王子に万全の準備が出来てから、王都に戻ろう」
「よろしく頼むぞ、コルネイア」
こうして仲間を見つけた俺たちは、宿を取って眠りについた。
明日からは王都に帰るのだ。それなりの準備をしなければ…。
「…船長、どうですかい?あの島」
船長と呼ばれた者が、双眼鏡を部下から奪い取り、部下の見ていた場所を見つめる。
「小さいが…狙うには絶好の場所だね。行こうか」
「おう!やってやりましょうぜ船長!」
「…さーて、いっちょ暴れますか!」




