二十話
鋼鉄の扉が、ギイ…という音を立てながら開く。
そこには、玉座に堂々と座る巨大なデーモン…セクターがいた。
「っ…セクター!」
「随分と速い到着だな。ほれ、もてなしてやろう。前菜は…王子の叫び声がいいか?アッハッハッハ!」
「っ!」
「おっと。血の気が多いねえ。こんなの俺様の軽ーいジョークよジョーク。それともおひねりの代わりか?随分と物騒な…」
「御託はいい!さっさと戦おうじゃないか」
「おやおや…よく見たらオリュシオンじゃないか。また俺様の部下になりにきたのか?」
「そんなわけがあるか!」
「まあいい…ここでもう一度洗脳してやれば済むことよ!」
「ー勇敢なるものよ、我が傀儡となれー!」
紫の鎖がオリュシオンを取り囲み、その体を締め付ける。
「うっ…ぐっ…うああ…!」
「オリュシオン!?」
「さあ…俺様に身を委ねろ…そこのネズミどもを殺せ…さあ、殺せぇ!」
「…言いなりになんて、なるかあっ!」
鎖が、オリュシオンの気魄に敗れ砕け散る。
「そうだ…そうでなくちゃなあ!さあ殺しあおう!貴様らの名を名乗れぇ!」
「貴様に名乗る名はない!」
「サギリだよー。今からあんたをぶっ倒すから!」
「いざ…勝負です!」
「さあ来い!我が眷属達よ!」
「お呼びですか」
「敵はどこだ!?殺す!」
「ニンゲン、ヤツザキ!」
「オリュシオンはセクターを抑えろ!サギリとタルスで雑魚は倒せ!アリスは回復!俺とミトでセクターを倒す!」
「「「了解!!」」」
俺は一番手近なデーモンのもとに向かう。
「貴様が敵か!殺す!」
普通のデーモンの二倍はある体躯。そして真紅に染まった三又の槍。
「行くぜ、デーモン…!」
「殺す!殺すうううう!」
デーモンが槍で俺を狙う。
すぐさま横に飛び、間合いを詰める…。
「ー旋風よ、吹き飛ばせー!」
「なっ!?」
突然の風魔法になすすべもなく吹っ飛ばされ、背中を壁に打つ。
「うぐっ!」
「好きありぃ!殺すぅ!」
「うおっ!?」
しゃがんだ俺の頭上を槍が通り抜け、そのまま壁に突き刺さり抜けなくなる。
「ぐっ…!」
「くらいやがれ!」
「剣技…クロスブレイド!」
デーモンの体を、X字に切り裂く。
「ぐあああっ!」
「これでトドメだっ!」
デーモンの後ろに回り、心臓を一突き。
「グギャアアア!」
「よし、次だっ!」
あたりを見渡すと…。
「よいしょ!」
「はあっ!」
サギリがデーモンの首を飛ばし、オリュシオンはセクターの魔法を盾で受け流す。
「…しぶといな」
「僕はそう簡単には倒れない。絶対にみんなを守り切る…!」
「そうか!なら守って見せろ!俺様の攻撃を全て耐えられるならなあっ!」
「ー氷刃よ、乱れ舞えー!」
「ー光矢よ、敵を貫けー!」
「弓技…シルバーショット!」
ミト、アリス、コルネイアの魔法と矢が、絶えることなくセクターを襲う。しかし、その一撃一撃には蚊ほども興味を示さず、その視線はオリュシオンにのみ注がれていた。
「フハハハ!さあ立っていられるか!?」
「ー深淵の闇、今地上に顕現し、全ての光を飲み込めー!」
セクターの掌から黒い弾が飛び出し、その弾が突然弾ける。
その弾から溢れ出した闇が、俺たち全員に襲いかかる…!
「ハッハッハ!逃げろ逃げろ!」
「くっ…!」
「ぐあああっ!」
「いたた…」
「さあ、この程度か!?もっと俺様を楽しませてくれよ!」




