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可変の探偵  作者: 羽月to
才貌両全の彩色
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9/11

知らざるを知らずとせよ是知るなり

今宵の【探偵』は思いを凝らす。



「い、犬飼!!」





俺はすぐさま犬飼に駆け寄った




俺の心は気持ちは乱れていた。





『と、、永和か、、なんだよ、、そんな顔しやがって、、俺は、、大丈夫だから、』





そう小さな勇気を振り絞るかのように犬飼は語り掛ける。






「犬飼、、」






そのとき、すぐにでもなにか声をかけてやりたかったのに、そのときの俺には何もできなかった。






そうしていると、







「碧山くん!!」







そんな少し大人びた女性の声が聞こえた。




足音も、息ずかいもともに、





「あぁ、誰の、声だ。」






すでに俺のメンタルは体同様に壊れる寸前だった。






そのせいか、その時はその声の主が誰かはわからなかった。







俺も、そろそろ、限界...........。







目の前の犬飼がだんだん消えていく。



まだ、眠りたくないのに、



意識が、途絶えていく。






「え、碧山くん。しっかりして、それに、、い、犬飼くん、、、、」




私は絶句した。あまりにもその状況は私には刺激が強すぎる光景だったから





でも、ダメだ。





今は私が何とかしないと、じゃないと、犬飼くんは、、、それに碧山くんも、





「二人とも、大丈夫だからね。」





すると私はすぐさまスマホを取り出し、黒咲家の病院に輸送してもらうように手配した。



2人を通行の邪魔にならないように道の横際まで運んで、



「きっと、なにかこの二人には、事情があるのよね。」






そう考えた私は少しお節介かもしれないが、匿名で病院に輸送してもらった。




事は私が思っているより深刻かもしれない。







――あれから1か月が早くももう、立とうとしていた。







碧山くんはあの事件から大体4週間ほどで学校に来るようになっていた。





2人のことは私の家の病院だから知っていたけど、





いまだに精神が安定していないらしい。病院からはかなりの錠剤の支給と、カウンセラーが行われているようだ。






でも、目覚めたときよりかはまだ、幾分かマシになったようだけど。







そして犬飼くんは、まだ目を覚ましていない。



病院のベッドに寝たきりのままだ。




「本当は事情を伺いたいところだけど、今はやめておこう。」







まだだ。そう、()()()()()()()()()()()()()()






だから、今度はあの二人が私を助けてくれたように、私もあの二人に何か出来ることをやってあげたい。





でも、私に何が出来るのだろう。






私が出来ることなんて、、、、、






思考盗聴(しこうとうちょう)】 







そうだ。






あのことを、碧山くんに伝えないと、でも、どうやって、あれから私たちは一言すらも話していない、さすがにここでいきなり話しかけるのはよくないだろう。






だったら、





「先生」





廊下を歩いている次の授業の先生にそう声をかけた、





「なんだ、黒咲か、どうした?」



少し焦り気味の私は先生をせかすようにしてしまった。



「確か、次の授業で必要な教科書を先生が預かっていましたよね。」



クラスの人がそう言っていたから言ってみたがあっていたらしい。



「ああ、そうだったな。」






「それ、私が教室まで運んでもいいですか、」





「いいぞ。でも、さすがに一人じゃあの量は重くないか」





「大丈夫です。もう一人、男子を連れて行くので、」





「そうか、なら、よろしく頼んだよ。」





「はい。」




先生にお辞儀をして私はすぐさま碧山君を探そうと校内を少し小走りで回り始めた。




よし。これで碧山くんと話す口実が出来た。






次は、碧山くんにいいか聞かないと。





でも、それから私は碧山くんを探したが、一向に姿が見えない。






「どこに行ったの、碧山くん。」






もしかして.........。






一通り教科書を頑張って一人で運んだ私は、体調がすぐれないと、早退をさせてもらった。




教科書は教科書というよりパンフレットに近いものだったので私でも運ぶことが出来た。





そのとき、保健室の先生に聞いたが、碧山くんも今さっき早退して出ていったらしい。






「でも、どうして......。まさか、」






多分彼は心配だったのだろう。





あの、【たった一人の親友】が、





そこから私は、犬飼くんがいる病院まで急いで向かった。






病院につき、そして息を整えて。





「犬飼くんの病室はここだったかしら、」






私は彼のことは全くと言っていいほど知らない。






犬飼くんのことはもともと知っていた。






あの学校にイケメンの子がいるってことも、






でも、その犬飼くんが彼と【親友】だってことは知らなかった。






というか校内で彼と同じクラスの子くらいしか知らないのではないのだろうか。






「一体どうやってあの二人は出会って、親友までになったの。」





そんな疑問を抱えながら、病室の扉を開ける。





そこには私の知っている男の子が二人いた。





でも、片方は何かをぼそぼそつぶやきながら、もう一方の男の子の手を握っている。






「碧山くん..........。」






その姿を見て、彼は本当に親友のことが大切なのだと改めてわかってしまった。






いや、わからさせられた。





だってこんな姿を見たら、




誰でも思ってしまう。




願ってしまう。




言いたくなってしまう。






「あなたの親友は絶対に目覚めると、」







でも、そんな一言が、願いが、思いが、叶わないと知ってしまったら人間は、人は..........。






でも、







だからこそ、言わないといけない、








こんなにも小さな小さな思いをたった一人の親友にぶつけている彼に、言わなければいけない。







「碧山くん。いえ、永和!」







たった一言でいいから、







「君に言わないといけないことがある。」






彼に希望という、






「この事件は、まだ終わってない。だから、、。」






真実を






「君に依頼したい、このどうしようもない依頼を引き受けてくれないか。」






その時の私は必死だった。





でも、彼の顔を見るとそんな焦りは一瞬にして吹き飛んだ。





だって、彼はもう、覚悟を決めた顔をしていたのだから。






「ああ、わかった。その依頼、【探偵】として引き受ける。」






「覚悟が決まったんだね。」







「そうかもな。でも、まだまだ中途半端だ。だから、まずはこいつを起こす。」








そんな不可能に近いことを、言葉を、彼は真剣に言うのだ。






「でも、どうやって。」






「そんなの簡単だ。信じて待つんだよ」





「え?」






そんな的外れな、こんな時に現実味があるようなことを、






「だって、」






その時の彼はもう、憎しみや、悲しみにとらわれることなく笑っていた。






()()()()()()()()()()()()()()














――それからはすぐだった。







俺が悩んでいることを察して、黒咲が何かと学園でつるんできたことと、【親友】がいないことを除けばいつも通りの日常だった。







そしてこの間に学校ではたくさんの行事が行われた。







3月に入り、3年生の卒業式、俺たちは進級。




桜の木が満開に咲いている。最近は気温もぽかぽかとした気温に変わってきた。




そして俺たちはこれで中学3年生というわけだ。






他には、そうだな。とにかくたくさんの本を読み漁ったってところだろうか、最近はラノベにはまっている。







そして、今日は春休みに入って、3日目、そして、犬飼が目覚めた日だ。








毎日のように通う病院。

今日は春休みに入って3日目だった。







そして俺はいつも通り病院に通っては今日も今日とて近場の本屋さんで、最近ハマっている探偵と助手のラノベを買って家で読んでは、また買って読むの繰り返しだった。







でも、今日は違った。






病院に向かう前、少し家でゆっくりとしていると、黒咲からなんだか怪しげなメールが届いた。






「なんだこれ?」





そのメールの文面はこうだ。






「犬飼君が目を醒ましたって」





メールを見て俺は少し頭の中で整理して冷静に、こうツッコむ。





「なんだこれ?醒ました?覚醒でもしたのか?」






そしてまた少ししたら、再度またメールが送られてきた。






「犬飼くんが目覚めたらしいよ!私も病院に向かうから、碧山くんも早く!」






そのメールを見た瞬間、俺は全身の力が抜けて思わず倒れこんでしまった。






「やっとかよ。遅いんだよ目覚めるのが。」






そう言いながらも、目から涙がこぼれた。




部屋の中で少しの間。涙を流した後に俺は、




「急いで行かないとな。」



そう独り言をつぶやいた。




素早く準備をした俺は、家の鍵を閉め、いつも通学で使っている自転車を走らせた。






それから大体10分で病院についた。ちなみになぜか黒咲には遅いと言われた。






どうやらGoo●leの地図での参考到着時間の表示よりも、だいたい8分も遅く俺は病院についたらしい。






いや俺遅すぎじゃね。






そんなバカバカしいことを思っていると、すぐにいつもの病室についた。






その間に黒咲とも落ち合った






「じゃあ、開けるね。」






「よ、よよよ、よし。あああああけtっていいぞ。」






「緊張しすぎじゃない」






「いや、そそそそんなことないぞ。」






「あるでしょ。はあ、もう、しょうがないな。」





そういった黒咲は俺に駆け寄って、俺の顔の近くまで近寄り耳に向かって囁いた。






「頑張って、」



やる気出てきたかも、



「よし!頑張るぞ。」






「切り替え早、きも。」



心に刺さるな、思っていたより結構。



「じゃあ、開けるよ。」



「よし」そう俺は覚悟を決めた。




黒咲はそう言って病室の扉を開けた。






『おお!永和じゃん!久しぶりだな。元気だった?ちゃんと飯は食ってるか?風呂は?もちろん睡眠はとってるよな?』






「お前は俺の母親かよ。」






こんなバカバカしい会話もいつ振りか、






「ほんと心配させやがって」






『なんだよ。どうなってるんだよ。黒咲。永和が変だ。あのいっつもツンツンしている永和がデレデレしてる。あのツンデレの永和がだぞ。』




いつにもなく犬飼もテンションが高い。




いや、いつもか。




「知らないし、それに、犬飼くんが寝ている間、毎日碧山くんは病院に通っていたんだよ。」




おいおい黒咲、それは言っちゃだめなやつだろ。




そう、言えたらいいものの、さすがにかかわりが薄い黒咲には言えない。



『なんだよ永和、風邪か?』



さす犬。すべての物事を簡潔にまとめるための言葉が風邪という言葉になってしまう。




いやぁ、あっぱれだ。




「お前、マジで言ってんの?頭もついでに病院で直してもらった方がいいんじゃないか」







「もし、直すのなら今の倍の額を犬飼くんに要求することになるけどどうする?少しは頭よくなるかもよ。」






『お前ら俺のこと本当なんだと思ってるんだよ。俺起きたばかりなのに対応があまりにもひど過ぎじゃない!』






「いや、、、、、」





「「お前が悪いだろ」」




俺と黒咲は同時に冷徹な声で犬飼に向かって言う。





『やっぱひどい!!』




犬飼は半泣きになりながらも、案外その会話を楽しんでいた。






そしてそんな会話をした後に、俺たちは今後についての話をすることになった。






「それで犬飼。お前あの力は何なんだ?」




あの能力、それはこいつが呪いとか言ってたあれだな。俺も詳細は知らないが、多分何かこいつとかかわりがあるのかもな




『あの力って?』



キョトンとした顔で犬飼が言葉を返す。




「あのお前が【呪い】とか言ってた力だよ」




飽きえた声で俺はそう返す。




『ああ、あれな。あれは俺の能力だよ。』






「そんなあっさり。お前、前まで能力なんて中二病的なものもってなかっただろ。なのになんで能力持ってるんだよ」







『さあ?俺が聞きたいくらいだね、』




なんで、こいつ自身がわかってないんだよ。




「それで聞きたいんだが、あの能力はどんな力があるんだ?」




淡々と会話を進めているが、そうえばこれって黒咲に聞かせていい内容だっけ?




まあ、いまはいいか、




『まだはっきりとはわからないけど、わかることもある。あの能力の名前は【可変(変更事項)】だ。』




「可変?」




俺のときにもあったが、多分犬飼も頭の中に能力の名前が思い浮かんできたんだろうな。







『あるいで呪いだ。俺の能力はどうやら生と死の呪いを扱えるみたいで、実戦で試したのはあの爆弾を操る能力者との戦闘が初めてだ』





爆弾魔との交戦の時も使っていたよな。




「その生と死の呪いってのは、どういうもんなんだ?」







『永和も実際にかかっただろ。生の呪いに。』






「は?いつだ?」






『あの爆弾男に顔を吹き飛ばされそうになってたときだよ。』





「は?でも、あのときお前、間に合ったって言ってなかったか?」





『いやー。実は間に合ってなくてさ、とっさに呪いをかけたんだよ。』






「じゃあ、あのとき俺の頭って、、、」



考えたくもない妄想が頭を過る。



『実際は吹き飛んでいたけど、それを修復したんだな。つまり、永和の頭はもう、一回吹き飛んでるってことだな』







「知りたくなかった事実が.....。」




でも、こいつがいないと俺の頭なかったってことだよな、



助かったのか?




「まあ、もう今更そんなことはいい。だったら、お前が血を出して倒れたのはなんでだ?」



あのときは俺もやばかったが、おそらく客観的にみれば犬飼の方がやばい感じになっていただろう。



だって体からずっと血が出続けているんだぞ。やばいだろ。




『それはおそらく代償だな』







「どんなだ?」




そう即座に俺は返す。




『まず、あの戦闘で分かったのは今の俺だと死の呪いを使っても、1分持たないってことだな。多分代償は、死の呪いを使うと自分に生の呪いが、生の呪いを使うと自分に死の呪いがかかるようになっているみたいだ。』



俺のように代償までしっかりとあるのか、不便だな。




『でも、あのときの戦闘は永和のちぎれた頭を直すので、どうやら能力がオーバーヒートして、最後代償が返ってきたみたいだ。流石に今の俺にちぎれた頭を直す力はないらしい。あのときは無理やりだったんだろうな。』



あのとき、こいつはオーバーヒートだったのか、、、、




「ごめんな。犬飼、俺のせいでお前が倒れて............。」




そう頭を下げて謝る。




『いいよ別に。俺は俺がしたいことをしただけなんだから。それにあのときも言っただろ。俺はあいつが嫌いで、ぶっ飛ばしたかっただけだ。だから、気にすんな。』




そこ言葉を聞けただけで俺はもう、いっぱい、いっぱい、だった。



「でも、ありがとな。」







でもやっとお礼が言えた。







言えてよかった。







『でも、多分今の俺は限界ギリギリだと思う。いくら代償を俺自身が受けたとしても、蓄積された死の呪いはまだ俺のなかに溜まっている。だから、今後はその許容量を増やしていかないといけないと俺は思う』








「それは、具体的に増やす方法とかあるのか?」



考えてみれば、能力には使用上限があるのだろうか.......。




『一応ある。でも、これはできればやりたくない』




嫌な予感がする。



犬飼の顔は少し曇っていた。でも、言おうと口を動かす。




「言ってみろよ。お前がおかしくなったら今度は俺が止めてやる。」





犬飼にきっと勇気を与えるほどの言葉じゃない、でも、こいつのことは俺が一番知っている。





『そこまで言われたらしょうがないなぁ。その方法は、わざと許容量を超えるって方法だ。つまり、わざと生の呪いを使って、死の呪いを蓄積させ、わざと暴走させることだな。』




やっぱ前言撤回。こいつに勇気とかいらなかった。




「確かに、誰かが止めないとまずいことになりそうな案だな。でも、わかった。やってみろ。俺が必ず止めて見せるから」




決意を込めて言う。




『でも、さすがに生の呪いを使うには、人前じゃまずいんじゃないか?』




犬飼もちゃんと悩むんだな。関心感心。




「確かにそうだな。どうしたもんか、、、。」




俺も悩む。





「だったら私の行きつけの喫茶店のマスターに頼んでいっそ探偵事務所でも構えてみたら?」




なかなか自分がしゃべる出番がなかったせいか、黒咲は勢いよくそう言う。





「そんなことできるのか?」




その言葉に俺は疑問符を浮かべる。




「ええ、私のお父さん。知っての通り、学園長はそこのマスターと親友でね。頼めば貸してくれるはずよ」




やっぱ令嬢すげえ。あれ?立場的に黒咲ってどうなるんだ?




『だったらそうするか、名前は、なずけて、イッヌなんでも解決探偵事務所だ。』



俺と黒咲は速攻でこう答える。



「「うん。却下」」





本編8話読んでいただきありがとうございました。

今回は永和の本当の想いや、気持ちについてが中心となって描かれていました。その中でのやはり、犬飼は異様な雰囲気を漂わせていますね。これからも永和、犬飼、黒咲をお願いします!

そして今後も可変の探偵のことをどうぞよろしくお願いします。

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