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可変の探偵  作者: 羽月to
才貌両全の彩色
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8/11

【第8話】番外編1. 森の私者

今回は累計pv数1500突破記念の番外編です。ぜひ!楽しんでもらえると嬉しいです。



あの爆弾魔との交戦から大体約2か月がもう、早々と立とうとしていた雨の日のある日。






俺はいつも通り、病院へ犬飼の見舞いに来ていた。






「やっぱりこの病院すっごい広いな。エントランスの貼り付けられた地図を見ても初めは迷子になったもんだ。」






そんな独り言をつぶやいていると、もう何度目かもわからない犬飼の病室にたどり着いた。






先んじて面会の時間を病院に連絡したのちに予約を取って来たので、問題はないだろう。






そして、大きな鉄の扉をゆっくりと開ける。






「おお犬飼。どうだ?調子のほどは」






そこには爆弾魔との交戦の上で大量の出血により、倒れた。あの犬飼がベッドに横たわっていた。






『永和か、、。』






「なんだよ。なんか文句あるか」






『あるよ!お前もう何回目だよ!俺は前からずっと黒咲を連れてきてくれって言っているだろ。それなのになんでお前が来るんだよ!!』






「犬飼うるさい。ここ病院だぞ。少しは静かにしろ。それになんで黒咲じゃないとだめなんだ?」






『そんなの【犬飼くん。よく頑張ったね。えらい。えらい。よしよし。】って甘やかしてほしいからだよ。俺頑張ったはずだよな。なのになんだよこの仕打ちは、おかしいだろ!』






「知るか。というか、お前そんな気持ち悪いこと考えて俺に黒咲を連れてこいって言ってたのかよ。やっていることが【透明化のストーカー】と大して変わらないじゃねえか。」






『そんなこと、あんなかわいい子が目と鼻の先にいて、今、俺は、怪我をしていて、入院しているんだぞ。絶好の機会じゃないか。やらないわけないだろ。』






俺は、やはりこいつは馬鹿なのだと改めて思った。






『というか暇だ!とにかく暇すぎる!一日中ベッドに寝転んで、毎日なぜかお金のかかるテレビを見ては、あんまりおいしくない病院食だろ。それであとは寝るだけだ。しかもそれをもう、2か月だぞ!気が狂うわ!』






たしかにこいつは毎日、うるさいほど元気だもんな。






「そうえば、そろそろ夏だな。」






『そうだっけ?病院じゃ曜日感覚が狂っててわかんなかったな。もうそんな時期なのか。そういえば、夏と言えば、永和覚えてるか? 中1のときの夏休みのあの事件。』






「ん?事件?そんなことあったか?」






『あっただろ。ほら、あの確か、山に登ろうとか俺が言って、それを渋々受けた永和が嫌な顔してついてきたときのやつだよ。』






「そんなこともあったっけな。」






『あっただろ!』






「あったかもしれないな。俺にもそんな時期が。」






『誰目線だよ。』






「それで、あれは確か、真夏のめちゃくちゃ暑い日で、気温が35度とかで、熱中症注意報がでてた日だったな。」






『それで、俺が永和の家まで自転車で迎えに行ったんだったな。』






「ああそれで、俺のママチャリに対してお前のサイクリング用の高そうな自転車で、速度の違いで、俺がえらい目にあったんだったよな。あれは今でも思い返すたびにお前の自転車のタイヤをパンクさせて、走られなくしてやりたい気分になる。」






『やめろよ。マジで。』






「それでそのあと確か........。」





『無視かよ!!まあ、いいけど、』


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



確か、あれは本当に暑い日だった。





あの日は犬飼に誘われて嫌々(半ば無理やり)ついていかされたんだよな。





それで山を登っている最中に犬飼がいきなりトイレに行きたいとか言い出して、





『やばいって。ほんと。マジで。まじめにまずい。トイレは、トイレは近くにないのか!!』





「いっそ、そこら辺ですれば。」




『バカ!できるか!!』





「あ!あれは山にありがちな公園じゃないか。」





『よくやった。永和。俺、行ってくるわ。』





そう言った犬飼はものすごい速さでトイレめがけて飛んで行った。





「なんで山に登る前に行っておかないのかね。」





それから紆余曲折を得て、犬飼がトイレから戻ってきた。





『最高の気分だよ。いまなら何でも許せちゃいそう』





「お前がそんなこと言うと、めんどくさいフラグが立ちそうだな。」





そんなことを考えつつ、俺たちは、山登りをまたしても始めたのだが、






とにかく犬飼がうるさい。






本当にうるさい。






なんでこんなに元気なんだこいつ。






『おい、見ろよ永和!クワガタだ。虫取り網持ってきたから取ろうぜ!はい、これ虫取りかごな。持ってて。』







「は?なんで俺がそんなことを『まあまあ、いいだろ。せっかくだし。』






そして俺は促されるまま、犬飼の取った虫の数々を虫取りかごに入れていった。





『ふぅ、まあ、こんなところかな。』





「おい、山登りはどうした。山登りは」





『ん?初めから山の上にいい虫を取るスポットがあったから、山を登るって言っただけだけど』





「そういうことは、先に言えよ!!」





『へ?』






こいつはわかっていない。






虫取りというものをするために、山に登り、その上、俺に事情を知らせないとは、







なかなか問題だぞ。







「というか、なんやかんやしてたらもう、夕方じゃないか。それにここどこだよ」





『俺もわかんない』





「は?」






『イヤー。ソノーオレハ、トワガシラベテクレテイルモノダトバカリ、』






「お前、ふざけんなよ!!」






『ま、まあ、今日は楽しかったし、結果オーライっていうか、その、なんていうか』






俺は心底こいつのことを見損なった。






山に入るときに事前に調べてくるなんて基本中の基本だぞ。






それに誰でもわかることだろ。






「はあ、とりあえず、今さっきの公園まで戻ろう。話はそこからだ。」






『お、おう。』






そこからは俺たち二人とも黙って黙々と、もと来たと思う道を踏みしめ進んでいった。






「やっとだ。やっと公園を見つけたぞ。」



 



『やったな永和!』






「誰のせいだと思っているんだよ。犬飼。」






『俺のせい!!』






さす犬。自分のせいとわかっていても自信を持ってまるで名言のように言える。まったく流石だ。






というか、






「胸を張って言うな。もう少し反省をしろ。」






そんなバカバカしい会話をしていたせいか、辺りがもう、かなり暗くなっていることに俺たちは今頃気づいた。






「犬飼。親御さんに遺書の準備をするように連絡を入れておけ」






『は?何言ってんだ?』






「今日は野宿になる。だからそれも含めて連絡をしておけ」






『わ、わかった。』






今更ながら、俺たちは中学1年生なのに何をしているのやら。






そんなことが頭を過る。






「お前なんか、食べられるものとか持ってきてないか。」






『お菓子ならあるぞ。』






「もう、それでいいや。」






俺たちはそのお菓子を食べ、公園のそれぞれ違う滑り台のなかで寝た。






そして次の日になった。





その後は、何とかそこの公園に遊びに来た親子ずれの方に道を聞くことによって、山を下りることが出来た。





なんだか、次の日、犬飼の顔がやけにしょんぼりしているように見えたが、多分親にでも怒られたのだろう。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー





「ってこんな感じだった気がするんだが、どこに事件性があったんだ?」





『おいおい、永和。まだ思い出してない点があるぞ。』





「言ってみろよ」






「それはだな、ズバリ!初めに俺がトイレに行った公園じゃない公園に野宿したってことだ。ちなみに後から確認したんだが、あの公園、もともと俺たちが山に入った道と別の道の、初めに俺がトイレに行った公園と名前の同じ、別の場所にあった公園みたいだぞ。』






「つまり、元来た道の隣の道を進んでいて、そして、そこの道には元来た道にあった公園と同じ名前の公園があったってことだな。そして、そこで俺たちは野宿をしたと。じゃあ、あのとき、元の道を戻ろうと必死になんとなくで進んでいたが、案外ちゃんと戻れていたんだな。それは知らなかったな。」






『だろ。』






「てっきり俺はあっちの件かと思っていたんだがな」






『何の話だ?』






「たしか、あのとき、そう、あのときだ。」






『だからなんの話だよ?』






「あのときだよ。おかしいと思わないのか。あの虫取りをしている最中に見つけた小屋だよ。あのつるやツタが絡まっていて、完全にさび付いていた小屋だよ。」






『ああ、そんなのもあったな。』






「それでお前が面白そうだから、開けてみようぜって言って小屋を開けた瞬間、腐敗臭がしたやつ」






『でもあれは、結局確か、中に入っていたのは鳥の糞とか牛の糞とかの畑の肥料になるものだったよな。だから臭いんだって永和自身が言ってただろ』






「そうだな。でも今になって考えてみたら、おかしな点が何か所も出てきてな。」






『なんだよ。おかしな点って』






「いいぞ。説明も込みで俺の推理を教えてやる。」






『なんだか今日は上から目線だな』






「まあ、たまにはいいだろ。」






〈①そもそも肥料には特有の簡単な結び方があるんだ。【固め結び】っていってな。これには肥料の乾燥対策や、運搬上での肥料の漏れを防ぐ意味があるんだ。







つまり、普通なら、もっと漏れにくい結び方があるってことだな。なのに、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()







それに、能力の【探偵】であの山の私有地について調べたが、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()。これがまず、一点目だ。〉







〈②次にそんな誰も使っていない山になんで小屋があったのかというと、あの山はどうやらもともとロープウェイが通っていたらしく、その修理道具などを入れていたんだろうな。もともとあの山は紅葉で有名な山だったらしいからな。だが、森林伐採で木々の数が減り、それと同時に観光客も減り、ロープウェイが使われなくなり、危険性から撤去されたらしい。だが、()()()()()()()()()()()()()。〉







〈③これが決定的なんだが、最近あの頃のニュースを調べ直したんだが、どうやらあの、俺たちが虫取りに山に登った約2日前に殺人事件があったらしく、もう捕まっているが、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()







「まあ、どこの小屋とは記載文には書いていなかったがな」






『て、ことは、おい待てよ。永和。もしかしてあの時、あの山にはその殺人犯が逃げ隠れていた可能性があるってことじゃないのか』






「そこまではわからないが、その可能性は十二分にあっただろうな」






『マジかよ、、』







「ああ、おそらくな。」







『やべ。お前がそんなこと言うから怖くなってきたじゃん。』







「だからさ、犬飼」







『なんだよ~。永和ぁ』







「今年は楽しい、最高の思い出になるような夏休みにしような!」






『いや。こわいよ。』






「だったら合宿にしよう。みんなで行けば問題ないだろ。それに、別に今回は物騒なことは起きてないから大丈夫だ。お前が思っているより、日本の警察はすごいんだぞ。」






『なんで永和が自慢げなんだよ』






「探偵だから、かな?」






『そりゃ、違いないな、』







それから少しの間、犬飼と話をした俺はあらかじめ呼んでおいた黒咲に犬飼を甘やかしてもらえるように頼むのであった。






「まあ、今回は仕方ないな。」






そんな捨て台詞を吐いた後、俺は近辺の書店に好きな作家さんの新作の本を買いに行こうと思い、病院を出ると、もう雨は止んでおり、空には大きな虹がかかっていた。

今回はなんだか、ぞっとする話でしたが、番外編は2つ描くつもりなので、今回の番外編1含め、楽しんでもらえると光栄です。

今回の可変の探偵も面白かったと思った方は、ぜひ、これからの僕らの活動も気に留めてみてくださいね!

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