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お釜大戦  作者: @FRON
第八章 ゼロの決死圏!!
363/368

∥008-D 閑話休題・触手+光線銃=異星人?

#前回のあらすじ:エイプリルフールって・・・何?



[マル視点]



「『古のもの(Old one)』、ですねぇ。恐らくは」


「それが、()()()()()()()・・・?」



前回に引き続き、某・喫茶軽食チェーン店の内部にて。


最初に注文したメニューもひととおり食べ終わり、テーブルの上はおしぼりとお冷のみ。

すっかり片付いた景色を前に、そろそろこの時間も切り上げようか、と考え始めた頃。


帰るついでとばかりに、口にした疑問の答えが先程のようなものであった。


去る先日、南極大陸における戦いのクライマックスにて。

不定形の怪物『ショゴス』は追い詰められた末に、()()()()()()()()()のようなフォルムへと変化したのだ。


それまでとは全く異なる姿に面食らったぼくらは、そいつが手にした()()()()()()()()()()を前に大苦戦を演じるハメになった。

結局、()()()()()()の末に討伐する事自体は出来たのだが、()()が何だったのかずっと気になっていたのだ。


太古の昔に実在した、名も知れぬ怪物の姿か?

はたまた、これまでに捕食した生物をでたらめに組み合わせた、()()()めいた生命体(クリーチャー)なのか?


ショゴスが擬態したものの『()()』、それは如何なる生命体だったのだろうか?


答えが得られるとは半ば期待せず発した疑問は、意外にもあっさりと()()する形となった。

オウム返しに()()()を呟きながら、ぼくは()()()()真調(ましら)のお猿めいた(ツラ)を見つめ返す。



「五つの頂点を持つ、海星(ヒトデ)めいた頭部。樽状の胴体、細く枝分かれしたしなやかな触腕・・・。()()の語った特徴は、『死霊秘法』(ネクロノミコン)に記された()()()()()と符号します」


「それが―――『()()()()』?」


「ですねぇ。かつて、太古の地球へと飛来した・・・いわゆる()()()()()()、というヤツですよ」


「まさか、実在する生き物―――それも()()()()()の姿だったなんて!」



老人が語る()()()()()()に、ぼくは小さく叫びをあげる。


奇怪な姿だとは思っていたが、それがまさか、異星人だなんて!

事実は小説よりも奇なり、とは正にこの事だろう。



「と、言うか・・・。『狂気(マウント・オブ・)山脈』(マッドネス)にあるっていう、異星文明の遺跡って・・・()()()?」


「その、()()()ですねぇ。かの都市遺構を築いた()()も、チミの見た()()()も、()()()()だった訳です。尤も―――当の『古のもの』は、とっくの昔に絶滅しているようですがねぇ。それも、他でもない()()()()()()()がきっかけとなって」


「そうだったんだ・・・」



―――かつて、南極大陸を支配したという、異星文明の主。


それこそが、ショゴスが最後に取った姿()の、正体であったのだという。

言われてみれば、触手を備えた奇怪なフォルムや、レトロSFめいた武器などは異星人に事欠かない()()だ。


予想だにしない事実を前に、ぼくは思わず嘆息を漏らすのだった。



「恐らくですが・・・。その個体は遥かな昔、()()()()()()()()()()()()()()のでは無いでしょうか?その姿だけではなく、()()まで模したとなれば、()()()()()()()()()()()()と考えたほうが妥当ですからねぇ」


「それって・・・どのくらい前の事なの?」


「南極大陸の気候が今のように、寒冷化した後だそうですから・・・。ざっと、()()()3()4()0()0()0()()()()()()()の出来事でしょうねぇ」


「さ、34000万年!?あの、()()()()()()()()()が、そんなに長生きだったっててコト・・・!?」


「少なくとも、『狂気山脈』の遺跡が荒廃するよりは前のことでしょうし、()()()()なのは間違いないでしょう。チミが遭遇した怪物はそれだけの年月、()()()()()()()()()()()()訳です。それを相手に、よくもまあ生還できたものですねぇ・・・()()()()()()!」


「ま、まあ・・・?主に敵を倒してくれたのは、我猛(ガモウ)さん達、基地の皆さんでしたけれどね!」



ジェスチャーを添えて、わざとらしく賞賛を送る怪しいジジイ。

そんな()()()に辟易しつつ、ぼくは酷寒の地における戦いへと思いを馳せる。


かの地においてぼくらは、未知の怪物『()()()()』、そして宿敵である【彼方より(シング フロム )のもの】(ザ ビヨンド)と相対した。


生きるだけでも大変な()()()()()()、雪と氷に閉ざされた荒廃した大地。

こいつに言われるのは少々()()()だが、あの窮地から生きて帰れたのはひとえに、幾つもの()()に恵まれたお陰だろう。



「ところで、ついでに疑問なんだけれど・・・。さっき言ってた、『()()()()』って・・・?」


「おや、気になりますかぁ?」


「えーと・・・まあ、()()



話題が一段落ついた所で、ついでとばかりに先程耳にした、気になるワードについても聞いてみる。


『死霊秘法』(ネクロノミコン)

()()()()()()()()()()()()、不穏な響きの言葉だ。


それを()()()()()()()か、或いは()()()()のか。

どうにも思い出せず、ぼくは()()()()したまま()()と返答を待つ。


片目を瞑って何事かを考えた後、真調は()()()と笑うと、再び口を開くのだった。



「・・・ま、いいでしょう。―――『()()()()』。原題を、キタブ(kitāb)アル(al-)アジフ(azīf)。イエメンはサナアの魔術師、アブドゥル(Abdul)アルハザード(Alhazred)によって著され、後世へと伝えられた()()()()()()です」


「ま、()()()・・・?何でそんなものに、()()()()()()()()?」


()()・・・?()()()()も、それは知りませぇん。何しろ、8()()()()()()()ですからねぇ。それを直接()()()()のか、はたまた、彼の魔術師が知識の源泉とした、『()()()()()()のか?今となっては知る由も無いでしょうねぇ」


「そんな、昔の本なんだ・・・」



老人はそう言うと、大げさな仕草で肩をすぼめて見せる。


―――魔術師とは、世の理の()()()()()()()()()()を取り扱う専門家だ。

人の世から外れ、世界の奥底に秘された知識を求めた者達。


その中でも、世にあまねく()()()()()()()ではなく、後世にまでその名を遺した『()()』へと()()()()()()()()

世界の秘密を知る『()()』―――それは()()か、はたまた()()()()()()()()()か。


何れにせよ、彼の魔導書の一節に、ショゴスの名が記されていた()()()()は、今や()()()()()()()だろう。



「に、しても。何がそんなに気になったんだっけ?確か、()()()()()()()と思うんだけれど・・・」


「それはですねぇ・・・。恐らく、()()()()()()じゃあ無いですかぁ?1()9()4()5()()、第2次大戦終戦間際の米国にて。1()7()()()()()()()()()()()()()()使()()()()()以来、北米大陸の東半分は()()()()()()()()()()()()()()()()()()からねぇ・・・。今となっては何処の誰でも知っている、()()()()()()という奴です。お忘れですかぁ?・・・()()()()()!」


「・・・()()!?」



奇怪な笑い声を上げる老人につられ、、ぼくは()()、と叫びを上げる。

・・・()()()()()()()()()()()()()()()()()


―――『()()()()』。


今の人類が、絶滅に向けて突き進む事になった()()

そして、全人類に最悪の魔導書として、その名を知られる存在。


現在、【敵性人類】(ホモ・イニミークス)の一つとして『深きもの(ディープワン)』が分類されるようになったのも、()()()()()に端を発している。

それは世紀末の間際(ポストアポカリプス)の時代を生きるぼくらにとって、一般常識と言っても良い事実であった。


そう、今更言うまでもないが―――()()()人類絶滅戦争(ハルマゲドン)()()()()()()()()


超大国アメリカが崩壊してより、およそ60年。

かつての大統領官邸(ホワイトハウス)は万魔ひしめく死霊の館と化し、そこから湧き出る魑魅魍魎の軍勢は北米大陸を席巻しつつある。


西へ西へと進軍する異形の軍勢と対峙するのは、現アメリカ―――『アメ(The United)リカ(Bodys of)合屍国(America)』。

ミシシッピ川流域を境に、北米大陸は左右へと引き裂かれている。


人の世が終わるかどうかの瀬戸際、終末戦争の最前線(フロントライン)が其処に在るのだ。

現在、北米中央戦線は世界各国の義勇軍による多国籍軍+在西アメリカ軍 VS 神話生物・・・という、混乱を極めた状況にある。


ここらで一つ、おさらいをしておこう。


第二次世界大戦を皮切りとして、()()()()()()()()を歩むようになったこの世界。

その始まりと、今に至るまでの―――()()を。


今週はここまで。

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