第二話 ファーストコンタクト
頑張って、文字に負けてはだめよ。あなたたちは、私にとっての勇者なんだから。
「やっぱり王都までは遠いな。」
馬車に乗ってから三時間。
窓の外には見渡す限りの草原が広がっている。
この調子なら、王都へ着く頃には夕方になっていそうだ。
「腹減ったな……。」
そう思い、荷物の中からミヨおばさんが持たせてくれた弁当を取り出す。
蓋を開けると、ふわりといい香りが漂った。
「やっぱりミヨおばさんの弁当は最高だな!」
バーバー鳥のだし巻き卵を口へ運ぶ。
……うまい。
何度食べても飽きない味だ。
夢中になって食べ進めていると、御者席から声が飛んできた。
「おーい、そこの兄ちゃん。」
「ん?」
「そんな若さで王都に行くなんて、やっぱり仕事を探しに行くのかい?」
口の中のだし巻き卵を慌てて飲み込み、答えようとした、その時だった。
「おっちゃん、それを聞くのは野暮ってもんだ。」
隣に座っていた白髪の青年が、笑いながら口を挟んだ。
年齢は二十歳くらいだろうか。
「この年で、あんな小さな村から王都を目指すなんてさ。目的なんて決まってるだろ。」
「ギルドだ。」
御者は「ああ、なるほど」と納得したように頷く。
(……ちっぽけな村って言ったな。)
少し腹が立った。
でも、悪気があって言ったわけじゃないことくらいは分かる。
ここで怒るほど子どもでもない。
今回は見逃してやる。
「それで、本当のところはどうなんだい?」
御者が改めて聞いてくる。
「その人の言う通りだよ。」
俺は苦笑した。
「面白い答えじゃなくて悪いな、おっちゃん。」
「ほらな!」
白髪の青年は嬉しそうに笑った。
図星だったのがそんなに嬉しいのか。
「悪い悪い。」
青年は頭をかきながら笑う。
「最近、人と話す機会がなくてさ。ちょっとテンション上がっちまった。」
そう言って右手を差し出した。
「俺はカイ。俺もギルドに入るために王都へ向かってる。」
「良かったら仲良くしてくれ。」
握手を求められた。
……悪い人ではない。
ただ。
(距離感が近いな、この人。)
そう思いながらも、俺はその手を握り返した。
「俺はセプト。」
「よろしく。」
「おう! よろしくな!」
満面の笑みを浮かべるカイ。
こうして俺は、王都へ向かう道中で最初の知り合いを作った。
友達……と呼んでいいのかは、まだ分からないけどな。
その後、俺とカイは王都へ着くまで、他愛もない話をしながら時間を過ごした。
えー、新キャラが登場しましたね。皆さんも気になりますよねバーバー鳥について。この鳥は鶏とほとんど同じだと思ってもらっても構いいません。違うところがあるとすれば、それは、頭から出産することです。つまり、卵も口から出ます。そうなんです。こいつの卵はゲ.....これ以上はやめときましょうか。いろいろ吐き出しそうなので。




