表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Found Number  作者: 寝火
新参
PR
2/17

第一話 旅立ち

「……めでたし、めでたし。だったっけな。」


目を覚ますと、そんな言葉が自然と口からこぼれた。


昔、母さんが何度も読み聞かせてくれた絵本――『青き心の勇者』。


狼に育てられた少年と、リンという少女。


そのくらいしか覚えていない。


十二年も前の話だ。細かい内容なんて忘れてしまった。


でも、不思議とあの絵本だけは今でも記憶に残っている。


「そういえば今日で十五歳か。」


この世界では十五歳になると成人として認められる。


つまり今日から俺は、一人前の大人だ。


そして今日――ずっと夢だったギルドへ向かう日でもある。


「ついに今日か……!」


胸が高鳴る。


王都。


ギルド。


冒険者。


魔物。


依頼。


子どもの頃から憧れていた世界が、ようやく目の前にある。


「今日から俺は――」


鏡の前で決め顔を作る。


「"ダーク暗黒シン"メノウ様だ!」


しばらく沈黙。


「……いや、ないな。」


首を横に振る。


「やっぱ普通にセプトでいいか。」


自分で言って、自分で却下した。


そのときだった。


「セプトー! 何してるのー?」


一階から聞き慣れた声が響く。


「やばっ!」


急いで荷物を持ち、階段を駆け下りる。


玄関では、一人の女性が腕を組んで待っていた。


「まったくもう。王都行きの馬車に乗り遅れるわよ。」


「ごめん、ごめん。」


「本当にあなたは昔から慌ただしいんだから。」


呆れながらも優しく笑うその人は、ミヨおばさん。


俺の両親が亡くなってから約十年間、ずっと俺を育ててくれた人だ。


この人には頭が上がらない。


女手一つで俺をここまで育ててくれた。


……それにしても。


(本当に六十歳を超えてるのか?)


どう見ても二十代後半くらいにしか見えない。


何度聞いても笑ってごまかされるから、最近は考えないことにしている。


「はい。」


ミヨおばさんは小さな包みを差し出した。


「お弁当。王都までは時間がかかるからね。」


「ありがとう。」


受け取ると、ほんのり温かい。


作ったばかりなんだろう。


「無理だけはしないこと。」


「うん。」


「困ったら一人で抱え込まないこと。」


「分かってる。」


「ちゃんとご飯を食べること。」


「分かってるって。」


「それから――」


ミヨおばさんは俺の肩にそっと手を置いた。


「元気でね。」


その一言に、いろいろな想いが込められている気がした。


「……行ってくる。」


「ええ、行ってらっしゃい。」


俺は振り返り、十五年間暮らした村を見渡す。


見慣れた家々。


土の道。


朝の空気。


もう毎日見ることはない景色だ。


王都行きの馬車へ乗り込む。


扉が閉まり、ゆっくりと馬車は動き出した。


こうして、俺――セプトの旅が始まった。


物語って、つまらないシーンとか面白いシーンとかって必要だと思うんですよね。なので、極力面白くできるように頑張りますが、過度な期待はしすぎない方がいいです。それと最低でも週2で上げたいと思います。目標は2000話です。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ