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Found Number  作者: 寝火
プロローグ
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1/17

プロローグ -残念な絵本-

異世界冒険ファンタジーのつもりで書いています。

むかし、むかし。


ある深い森に、一人の男の子がいました。


その子には親がおらず、一匹の狼に育てられていました。


狼は我が子のように男の子を守り、狩りを教え、言葉を持たぬまま十年という歳月を共に過ごしました。


しかし、その狼もやがて寿命を迎えます。


男の子は、たった一人になりました。


数日後。


森へ薬草を採りに来ていた一人の少女が、偶然その男の子を見つけます。


「あなた、なんでこんなところにいるの?」


突然差し伸べられた手に、男の子は驚きました。


「……言葉が分からないの?」


少女は顎に手を当て、少し考え込みます。


「うーん……ってことは、お家も洋服もないってことだよね。そうだ! 私の家に来ない? うん、それがいいわ!」


言葉の分からない少年は、少女に手を引かれるまま、その家へと招かれました。


少女は少年の泥だらけの体を洗い、温かい食事を用意し、寝る場所を与えました。


こうして、狼に育てられた少年は、初めて人としての暮らしを知ります。


それから五年。


少年は少しずつ言葉を覚え、人の暮らしにも慣れていきました。


ある日、少女は思い出したように尋ねます。


「そういえば、あなたって名前あるの? 私はリン。五年も一緒に暮らしてるのに、お互い名前を知らないなんて変な話よね。」


少年は少したどたどしく答えました。


「ボク……ナマエ……ナイ。」


「えっ、そうだったの?」


リンは少し考えると、少年の澄んだ蒼い瞳を見つめます。


「そうだ。」


「あなたの名前は――**ソウ**。」


「そのきれいな瞳にぴったりの名前。」


「……ソウ。」


「うん。今日からあなたはソウ。」


リンは嬉しそうに笑い、ソウもぎこちなく笑いました。


それから二人は季節を重ね、笑い合い、ときには喧嘩をしながら、穏やかな日々を送りました。


**二人はこれから先も幸せな日々を送りましたとさ。**


**めでたし、めでたし。**


――上は絵本『青き心の勇者』のお話。


「さ、もう寝る時間よ。」


母親は優しく絵本を閉じました。


「……ママ、おやすみ。」


幼い男の子は眠そうに目をこすりながら、小さくそう言いました。


「はい、おやすみ。」


母親は男の子に布団をかけ、額をそっと撫でます。


やがて規則正しい寝息が聞こえ始めると、母親は静かに絵本を開き直しました。


「……また最後を書き換えちゃった。」


そう呟き、本当の最後のページへ目を向けます。


そこには、先ほど読み聞かせたものとは違う文章が綴られていました。


> **『この幸せな日々が、これからもずっと続くものだと、二人は信じていました。』**


母親は小さくため息をつきます。


「やっぱり、この結末はまだ早いわよね。」


「前は『竜の箱舟』、その前は『屍の魔王』、さらにその前は『しくじり仙人』……。」


「どうして私が子ども向けだと思って選ぶ絵本は、どれもこんな物語ばかりなのかしら。」


苦笑しながら表紙を見つめます。


**『青き心の勇者』**


「ソウとリンの物語……。」


「この子がもう少し大きくなったら、ちゃんと最後まで読ませてあげよう。」


そう小さく呟くと、母親は本を閉じ、部屋の灯りを消しました。


静寂に包まれた部屋には、少年の穏やかな寝息だけが響いています。


よろしくお願いします。初心者でーす。わからないことだらけなので、いろいろ教えてください。できるだけ頑張ります。

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