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Found Number  作者: 寝火
新参
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12/17

第十一話 初クエストの炎の剣士



パーティー『伸残』を結成した翌日。


俺たち四人は、初めてのパーティークエストを受注するためギルドへやってきていた。


「ついに初クエストだな!」


朝からやたらと機嫌のいいカイが言う。


「昨日からそれしか言ってないな。」


「仕方ねぇだろ。冒険者になったんだぞ?」


確かに気持ちは分かる。


俺も同じくらい楽しみだった。


受付へ向かうと、いつもの受付嬢が出迎えてくれた。


「本日はどのようなクエストをご希望ですか?」


「初心者向けで頼む。」


カイが即答する。


受付嬢は一枚の依頼書を取り出した。


「でしたらこちらはいかがでしょう。」


『ヤタの迷い森 スライム討伐』


「スライムか。」


俺が呟くと、受付嬢は説明を続けた。


「ヤタの迷い森は王都近郊でも比較的安全な地域です。」


「ただし、森の奥へ進むほど危険度は上昇します。」


「新人冒険者の方々は手前で活動することをおすすめします。」


ミルトが頷く。


「なるほど。」


受付嬢はさらに続けた。


「それと、スライム討伐後は魔石の回収を忘れないでください。」


「魔石?」


ルシルが首を傾げる。


「はい。」


「モンスターは魔石を体内に持っています。」


「討伐証明になりますし、換金も可能です。」


「お金になるのか!」


カイの目が輝いた。


「じゃあこれで決まりだな。」


こうして俺たちはヤタの迷い森へ向かった。



森へ入ってしばらく。


早速スライムを発見した。


「いた!」


ルシルが弓を構える。


放たれた矢がスライムへ突き刺さる。


その隙にミルトが前へ出る。


盾で押し込み、剣で核を貫いた。


スライムはあっさり倒れる。


「弱いな。」


カイが笑う。


「新人向けだからな。」


俺は倒れたスライムから青い魔石を回収した。


その後も順調だった。


ルシルが遠距離から削る。


ミルトが仕留める。


カイが前線を荒らす。


俺は隙を見て攻撃と回収を行う。


初めてにしてはかなりうまくいっていた。


気づけば依頼達成数を大きく超えていた。


「これくらいあれば十分だろ。」


「帰るか?」


カイがそう言った時だった。


「ん?」


ミルトが足を止める。


その視線の先にはスライムの死骸が転がっていた。


一匹ではない。


二匹。


三匹。


四匹。


大量だった。


「誰か倒したのか?」


ルシルが近づく。


しかし妙だった。


傷がない。


切られた跡もなければ魔法を受けた痕跡もない。


「待て。」


俺はしゃがみ込んだ。


そして死骸を持ち上げる。


「魔石がない。」


スライムの中心部分だけが綺麗に抉られていた。


「誰か回収したとか?」


「いや。」


ミルトが首を振る。


「この量はおかしい。」


その瞬間だった。


ガキィィィン!!


凄まじい金属音。


「っ!?」


振り返る。


ミルトが吹き飛ばされていた。


盾を構えたまま数メートル後退している。


「ミルト!」


ルシルが叫ぶ。


そして俺たちは見た。


炎を纏う人型のモンスター。


首には鎖の首輪。


手には一本の剣。


腹部には四角い核。


まるで燃える人間だった。


「なんだあれ……。」


誰も答えられない。


次の瞬間。


フェンサーが消えた。


速い。


そう思った時にはカイの目前にいた。


ガン!!


拳と剣がぶつかる。


「ちっ!」


カイが弾き飛ばされる。


強い。


明らかにスライムとは格が違った。


そしてその時。


フェンサーの体の炎が一瞬だけ強く輝いた。


ボッ――


次の瞬間。


速度が上がる。


「なんだ今の!?」


ルシルの矢が避けられる。


ミルトの剣も届かない。


炎が光るたびに速くなる。


「身体強化か……!」


ミルトが叫ぶ。


カイが再び飛び出す。


「オラァ!」


拳が直撃する。


だが浅い。


フェンサーはほとんど怯まない。


逆に剣を振り下ろす。


「危ねぇ!」


カイが飛び退く。


木が真っ二つになった。


「冗談だろ……。」


俺は冷や汗を流した。


強い。


レベル1の俺たちが相手にしていい相手じゃない。


その時だった。


フェンサーが再び炎を輝かせる。


俺は違和感を覚えた。


炎。


速度。


そして腹の核。


「待てよ……。」


俺はフェンサーを観察する。


攻撃の度に核を庇うような動き。


偶然か?


いや違う。


なら試してみる。


俺は短剣を抜いた。


「セプト!?」


カイが叫ぶ。


無視した。


狙うのは腹。


核。


「当たれ!」


短剣を投げる。


ガキン!!


核に命中。


フェンサーが大きく後退した。


初めて明確な反応を見せた。


「やっぱりだ!」


核が弱点だ。


だが問題がある。


届かない。


ミルトですら近づけない。


どうする。


考えろ。


その時。


フェンサーが俺の腰を見ていることに気付いた。


正確には短剣を入れていたポケットだ。


「あ……。」


閃いた。


俺はポケットを探る。


まるで新しい短剣を取り出すように。


実際には何も持っていない。


そして大きく振りかぶる。


フェンサーの視線が完全に俺へ向いた。


「今だ!!」


ミルトが駆ける。


フェンサーが気付いた時には遅かった。


剣閃。


一直線。


ミルトの剣が核を切り裂く。


パキッ。


核に亀裂が走る。


フェンサーが初めて悲鳴を上げた。


そして――


バリン!!


核が砕け散る。


全身の炎が消える。


フェンサーは崩れ落ちた。


静寂。


数秒後。


「勝ったぁぁぁ!!」


ルシルが飛び跳ねた。


俺たちは顔を見合わせる。


誰も死んでいない。


誰も欠けていない。


それだけで十分だった。


フェンサーの体は灰となって消えていく。


その場には一本の剣だけが残った。


「ドロップ品か。」


カイが拾い上げる。


そして俺へ差し出した。


「持っとけ。」


「俺が?」


「核を見抜いたのお前だろ。」


俺は剣を受け取る。


不思議と手に馴染んだ。


「ありがとう。」


その瞬間。


全員のギルドカードが淡く光る。


『レベルアップ』


『Lv1 → Lv2』


「おお!」


「上がった!」


初めてのレベルアップだった。


俺たちは剣と魔石を持ち、王都への帰路につく。


そして後に知ることになる。


フェンサーというモンスターが、


スライムの魔石を主食としていることを。


あの大量の死骸は、


奴が食事をした痕だったのだ。


この物語では、モンスターにも得意な魔法属性があります。今回のフェンサーはその得意属性が火だったので、火が光りました。ちなみに、この物語では魔法が使い手によって全く違います。基本無詠唱で自分で得意属性の魔法の形状を変えていって戦う感じです。それとコメントとかもぜひともしてほしいです。また、今は予約で時間決めて投稿にしていますが、もし意見が多ければ書き貯めしている話も公開可能です。もしかしたら定期的に編集を入れてしまうかもしれませんけど...。

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