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第八章 最後の命令

黒崎組。

幹部たちが組長へ詰め寄る。

「サチ子を取り戻しましょう。」

「浜崎組を潰せば済む話です。」

組長は静かに煙草へ火を付けた。

「違う。」

「もうあの子は戻らん。」

幹部たちは黙る。

「じゃが……。」

組長は立ち上がった。

「組の看板は守らにゃならん。」

「浜崎組へ行く。」

「決着を付ける。」

誰も反対しなかった。

全員が分かっていた。

これは縄張り争いではない。

一人の父親が。

一人の組長として死ぬ覚悟を決めた瞬間だった。

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