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第七章 それぞれの覚悟
翌朝。
サチ子は黒崎組を出た。
荷物は小さな鞄一つだけ。
門の前で振り返る。
先生は見送りには来なかった。
ただ二階の障子が少しだけ揺れた。
先生はそこにいる。
そう思った。
「……先生。」
深く頭を下げる。
それが育ての親への精一杯の礼だった。
浜崎組。
兄貴は腕を組みながらサチ子を見る。
「敵の娘を預かるんか。」
俺は答える。
「敵じゃありません。」
「居場所を失っただけです。」
兄貴は黙った。
しばらくして笑う。
「まったく。」
「若いってのは損得で動かんな。」
そしてサチ子へ向く。
「今日から飯くらいは食わせちゃる。」
その言葉にサチ子は初めて声を上げて泣いた。




