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ラウンド5:胸の煌めきと闇の騒めき

 レイス様とローバ様が部屋に居たレジェンドたちをなんとか追い出した後、わたくしは部屋にあったココアを人数分淹れてきましたの。

 何かお話をする時は、やっぱりこういうのがあると落ちつきますわね…。


「これ美味しいわね!家に常備しておきたいわ。」


 お、お褒めにあずかり光栄ですわ~!

 この間安売りで売ってたココアだけど、皆様これは内緒ですわよ。


「さて、いろいろ複雑な話をしてしまうとややこしくなるでしょうから、結論から言うわ。」


 レイス様の一言で、私たちの顔は真剣そのものになる。

 これから彼女の口から語られる事実が、いかにしてこの世界で生きていくことになるかわかってきますわ。


「貴方が普段着ている衣装、持ってきてくれる?」


 あ、あの配信の時に着ているあの服ですわね?クローゼットのいつも取り出せる所にありましたわね。

 そう考えながら、わたくしはクローゼットのある方へ歩き出す。


━━━"なぜそれがそこにあるのか”を一切疑うことなく。


「この服に付いている胸の宝石と、リボンがあるでしょう?この二つをある場所に持っていくことによって、私たちの世界が救われるのよ。」


 なるほど、確かにいろんな作品でよくあるお話ですわね。

 実はわたくしの胸元の煌めく宝石が、実は世界を救うんですの~!って結構ベタな展開かしら?

 それにしてもこの胸の宝石に、そんな力があったんですのね。

今まで配信してきてそんなこと一度も感じたことありませんでしたわ。


「あくまでもこの力を有するのはこの次元でだけ、貴方が普段暮らしている次元では、それはただの飾りみたいなものよ。」


 そういう事でしたのね、それなら私でも力になれそうですわ~!

 でも、さっきから何かローバ様の様子が…?


「この宝石の輝き、本当にうっとりしてしまうわね…。」


 ローバ様が心酔したような表情でこの宝石を見つめていますわ。

 でも、これってそこまで大層なものじゃありませんことよ?

 確かにこの衣装を考えたのは私ですわ。

 そして…そして?

 ダメですわ、さっき襲われた時の影響かしら?頭がうまく働きませんわ…

 少し左の頭を抱えた時、レイス様が声をかけてくださる。


「やっぱり、今日のあなたは少し疲れているようね。ライフラインを向かわせるからもう一度治療を受けてもらいましょう。」

「そうね、貴女のことが心配だもの。一旦今日の所はお開きにしましょう。」

「本当にお二人とも優しいですわね…ありがとうございますわ。」


 レイス様とローバ様は、私がベッドに入ったところで部屋を出ましたの。

 そしてベッドの中でライフライン様がやってくるのを待ちながら、ゆっくり眠りにつきましたわ…



「おーおー、ド派手にやられたなジャック、アッハハハ!」

「うるせぇなエースさんよ、あんたはあんたで何あそこで眺めてんだよ。あの時あんたが助けに入ってくれたらなんとかなったろうがよ。」


 とある廃墟の一角、何人かが轟々と燃える焚火を囲んで話し込んでいた。

 鎖骨の辺りには、象徴的なマークがそれぞれ彫られていた。

 おそらく彼らにとって、それは”結束の証”なんだろう。


「でもよー、あいつらAPEXゲームのレジェンド様ご一行だぜ?俺様なんかが顔出したところで、お前みたくめちゃくちゃになってるのが関の山だろ。」

「いい加減になさったらどうかえ?負けたお方と逃げたお方、私にはどっちもどっちに見えますわよ?」

「クイーン…あんたはいつも冷淡だよな。」


 紳士な見た目をした男は、目線を伏せながら痛む体をさする。

 そしてとんがった髪型をした、パンクな見た目の男がその紳士の事を煽る。

 そんな二人のやり取りを聴いていた古風な着物を着た淑女は、扇を片手に呆れたような表情を浮かべる。

 この3人、それぞれ「ジャック」「クイーン」「エース」という名前を持っていた。


「んで、肝心のキング様はどこ行ってんだ?俺らの事ここにわざわざ呼んだくせにいないのかよ。」

「あのお方は今、ホテルでお楽しみ中と聞きましたわ。全く男ってのは、そういう楽しみしかないんでっしゃろか…」

「まあまあ、そういうなってお嬢。あいつら今頃口も聞けないくらいヒィヒィ言ってる頃だろうさ、アッハハハ!」

 「キング」と呼ばれてる者の、下世話とも取れる話が弾んでいる頃、奥から2人の影が見えた。

 その影はまるで、どこかで見た事のあるシルエットだった。


 そう、それはまるで…


「何の話をしてるかと思えば、全く貴方たちは…。」

「アンタ達、もう少し上品にお話は出来ないのかしらベイビー?」

「よお…、待ってたぜお二人さん♪」

「アンタら…!?」


 …かの"レジェンド"と呼ばれる2人と、全く同じ姿であった。

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