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ラウンド4:宝物は決して「物」とは限らない

「よく無事で居てくれたわね。だけど、私は貴方を今から叱らないといけない。理由は、言われなくても分かるわよね?」


 はい…ローバ様…

 わたくしは1人で夜中に出歩いて、怪しい男から貰った水を疑う間もなく飲み、眠らされた挙句に連れ去られてしまいましたわ…


「おかげさまで、マッチ終わりに飛んでいく羽目になったのよ?」

「私たちも、パーティ切り上げて助けに来たんだからね?」


 ヴァンテージ様も…このままじゃ皆様に会わせる顔がありませんわ…


「脇腹に2発、棒みたいなので殴られた跡があるね。そんなに強くなかったから良かったけど、これだけで済んだのがもはや不思議だわ…」


 ライフライン様…D.O.C様…こんなわたくしに優しい手当てをありがとうございますわ…


「本当にごめんなさい。わたくし少し気分が舞い上がってしまいましたわ…こんなの恥ずかしいったらありませんわ…」


 涙が止まりません…わたくしが何かをしでかした事よりも、今1番悔しいのは…


「皆に助けてもらって…、迷惑をかけてしまいましたわ…」


 普段わたくしが憧れていた世界の方々に、わたくしが大好きな世界の方々に、自分が大変な迷惑をかけてしまった。

 そんな自分が、心の底から許せません…。


「おー?よおよおよお、何落ち込んでんだよガッキー、元気出せって。」


 オクタン様…というか、ガッキー?


「ヤエガキ…ってちょっと言いにくくねぇか?だから、アンタはガッキーだ。」


 ガッキー…あの美女と一緒の呼び方ですと、ちょっとだけ嬉しくなりますわね。


「でも、元気を出せと申しましても…私は…」

「はぁ…。あのさ、人間が生きてる間、どれだけの数他人に迷惑をかけるかって、考えた事あるか?」


 へ?


「…今まで、考えた事もありませんわ。」

「ふーん、だろうな、それでいいんだよ。」


 どういう事ですの?


「人間誰だって生きてたら、形は違えど何かしらの迷惑をかけるんだぜ?それがいつだったか、それだけさ。アンタの場合は、たまたまそれが今日だったって事だ。意味分かるかアミーガ?」


 と、突然そんな事言われてましても…


「安心しなガッキー、お前に失望したりしてる訳じゃねぇ。それに、いくら迷惑かけたって、俺たちはみんなお前の味方だ。俺の場合なにか面白そうなことするとすぐにシェが飛んでくるぜアミーガ!」

「アンタの場合は、いつも色んな人に迷惑かけすぎなのよシルバ。」

「なんだよシェ!アネキだってこの間、飲みから帰ってこない友達をトライデントでぶっ飛ばしながら家まで送ったって聞いたぜ?えらいスピード出してたんだってな、俺も混ぜてくれよ!」


 なんだか…ライフライン様って面白そうな事してますわね…!


「なっ、どうしてそれを知ってるのよシルバ!待ちなさい!」

「ヘヘッ、教えて欲しかったら俺様を捕まえてみろよアミーゴ!」


 この方たちは…本当に賑やかですのね。

 きっと私の事を励まそうとして、わざと明るくしてらっしゃる…


「何してんのよあんた達!」

「おやめください皆様!」


 バンガロール様にシア様!


「怪我人がいるんですから、もう少し大人しくしたらどうですかシルバ?」

「そうよアジャイ、あんたは衛生兵なんだから、少しは大人しくしてなさい。」


 こ、これが軍曹…


「アニータの言う通りよ、2人とも仲良しごっこするなら別な場所になさいな。」

「ちぇっ、そう硬いこと言うなよ。そういうローバは、仲良しごっこしてる俺ら見て妬いてんのか?」

「ふーん…そういうこと言うのねオクタビオ?アンタとの喧嘩、言い値で買ってあげても良くってよ?」

「ヒャッハー!俺とやろうってなら、早くないとついてこれないぜ姐御?」


 …ローバ様は仲裁してくれると思ったのに、さらに騒がしくなってますわ…


「全く…、帰ってきたらこの騒ぎは何?」


 レイス様…今度こそこの場を納めてくれそうなお方がようやく…!


「ガッキー、貴方は治ったなら1度横になりなさい。そのままじゃ治るものも治らないわ。」


 あの…レイス様まで、ガッキー呼びですのね…


「ローバ、あなただけは残ってちょうだい。彼女にあの話をしないと。」

「えぇ、ちゃんとあのお話、しなきゃだものね。」


 あの話?一体何のお話なんですの?


「貴女がこの世界にやってきた理由よミスヤエガキ。あなたはこの世界に来る運命だった。この世界で起きている事、これから起きるとされることに、なくてはならない存在なのよ。」

「貴方に世界がかかってる、って事ね。」

「…ほえ?」


 な、なんだか急にとてつもなく壮大な話が出てきましたわ~~~!?

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