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ラウンド3:悪夢から目覚めた時

(お前がしっかりしないから!)


 やめて…


(君には失望したよ…)


 嫌よ…


(もういいよ、この仕事やめたら?)


「嫌ぁぁぁ!!!!!」


 …夢?

 今までの出来事全部?

 アウトランズに来たこと自体も?


「よお、嬢ちゃん。お目覚めいかがかな?」

「…良いわけ無いでしょ。」


 …どうやらそういう訳じゃ無さそうですわね。

 そもそもここはどこで、この方は誰ですの?

 廃工場のような所に見えますが…ひとまず逃げな…


「きゃっ!?」


 動けない!?

 腕にも脚にも、重しがついてっ…!


「ふん、そう簡単にアンタみたいないい女逃がすかよ。」


 何だかそう言っておけばいいと思ってるその性根、癪に障りますわね。


「嫌よ。ここから今すぐ出してちょうだい。」

「まあ、そういうとは思ったぜ。」


 何よ、その不気味な薄ら笑いは…


ドカッ


「いっ…たぁ…」


 わ、脇腹を鉄パイプで…!


「何するのよ…」


ドコッ


 今度は反対側…


「アンタ。これ以上口答えするようならもう少し痛めつけてやろうか?」


 …ふざけやがって。


「ただ、そのキレイなツラは傷つけたくねぇんだけどなぁ…。」


 こんな奴に何言われたって、不愉快なだけよ。

 こんな奴、解放されたらすぐに1発殴ってやるんだから…。


「…なんだその目は。まだいたぶって欲しいのか、ん?」

「そんな訳ないでしょ、早くここから出せと言ってるのよ。」


 わたくしは彼を思いっきり睨みつけてやりました。

 でも彼は全然動じてない、むしろ彼の何かを助長させてしまったらしいですわ。


「いいねぇ、いいねぇ。その怒りに満ちた顔。でもそんな顔をしたって、この状況が良くなるわけじゃないんだからさ。」


 彼がジワジワこちらに寄ってきた。なんて顔をしてますの…今度は何を…。


「さーてこんないい女、少しくらい味見したっていいよな…」


 ダ、ダメ。

 服のそんな所を掴もうとするなんてっ…


「ちょっとは俺にも、お楽しみがなきゃな…」


 ダメ。

 このままでは終わってしまう。

 この布1枚向こう側に越えられたら、私は…私はっ…

 全てが終わりそうになったその瞬間、扉が壊れる音がしましたの。


「止まりなさい!この不届き者!」


 こ、この声は…、バンガロール様!?

 どうして!?


「よお、助けに来たぜアミーガ!」

「説明は後。さあ、私の手を取って!」


 オクタン様、レイス様!?でも私、手足に重しが…


「…これくらい俺ならすぐに解錠出来る。」


 クリプト様、機械だけじゃなくてそういう鍵にも強いのですわね!


「この一帯の敵は私が見張っておく!だからみんなは早く逃げて!」


 ヴァンテージ様まで!頼もしい限りですわね…!


「早く、行くぜ!アーハッハッハッ!」

「さあ、この道を往きましょう。貴方が進むべき未来へと繋がっているわ!」


…はい!



「おい、なんなんだよあの女…レジェンド達が揃いも揃って助けに来ただと!?これじゃ計画がめちゃくちゃじゃねぇか…」


 1度は捕らえたはずの女と、現れるはずもないレジェンド達が立ち去った後、とある男、いやジャックは混乱していた。

 色々描いていた計画が総崩れした状態に、もはや戸惑う以外できることがなかったのだ。


「どうするんだよ…こんな状況を”あの方達”になんて説明すれば…」

「簡単な話よ。」


 人っ子一人居なくなってたはずの所から、突然聞こえてきた声に、ジャックは振り返る。


「…は?」


 振り返るとそこには、再びレジェンドたちがポータルを介して姿を現していた。

──明確な敵意の刃を喉元に突きつけながら。


「アンタは、私たちの"大切な宝物"に手を出した。」

「感心しませんねぇ…レディと接するにはもっとしっかりとした作法があるんですが。」

「俺たちがみっちり礼儀とか作法を教えてやるぜ。うえ…しな…えっとその…」

「じょうひん。」

「そ、そうだぜローバ、そう言いたかったんだ。」


 ジャックは目の前の状況を見て絶望した。

 こんな状況から逃げ出さないと、そうじゃなければ待ち構えているのは、「死」のみだった。

 しかし、どうしたって脚が動くことはなかった。

 アークスターで痺れているわけでもなんでもない、怯えて一切身体が言うことを聞かないのだ。


「さあ、お仕置の時間よ…?」


 不敵に笑うローバの顔に、普段の優雅さも気品も一切無かった。

 そこにはただ1人の、いや、ただ1匹の狼が、強い怒りと共に、弱き獲物を屠ろうとしているのみだった。

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